3話
話は尽きず、3人は結局朝方まで呑んでいた。むつが、明日も仕事だから寝ないと、と言うと菜々とこさめは頷いた。瞼は腫れ、目の下に隈を作っているむつを少しでも寝かせないといけないと、ようやく気付いたようだった。簡単に片付けを済ませると、誰がどこで寝るかのじゃん拳をして、むつがベッド、こさめが布団、菜々が寝袋という結果になった。
「…何で寝袋あるの?」
「仕事用。あと、ここに引っ越したばっかの時も使ってた。寒かったからね」
「小学校のキャンプ以来だわ」
菜々は少し楽しそうに寝袋に入って、ごろごろと寝返りをうっていたが、むつが黙って電気を消すと、ぴたっと動きを止めた。
「ねぇ?明日、2人はどうするの?」
「うーん…あたしは休みだし」
「あたしも。どうせ、直弥は帰ってきてもまたすぐに出ていくと思うし、もうちょっとむつの所で遊ぼうかな?」
「あ、それなら、あたしもそうしよっかな」
「…おっけ。好きなだけ居て。けど、あたしは仕事だからね?」
「むつ居なくても菜々ちゃん居るからいい」
「あぁっそ‼…もう…おやすみ」
菜々とこさめが仲良くなっているのは、むつにとっても嬉しい事だが、自分が仕事している間は2人で、遊ぶのかと思うと羨ましかった。




