表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
よろず屋 -無い物は-  作者: 幹藤 あさ
145/753

3話

「写真送ったよーっ。で、むつこれってもしかして、夕雨さん?」


大きな翼を広げた背中の写真を、こさめが指差している。それは、太い枝に腰掛けている人の後ろ姿のようだった。


「そうそう。昨日もさ、夕雨さんの所に行っててさ。路面凍結でスリップでこけて、道路とバイクの間に足挟んで引きずって…この怪我よね」


むつが足を指差した。菜々とこさめは、うわーという顔をしている。


「夕雨さんの所に?仕事?」


「…ん、まぁね」


むつは顔を伏せるようにしてオリーブオイルの中に、残っている蛸や冷凍の海鮮ミックスなんかを入れていく。ニンニクが熱されたからか、食欲をそそるような香りが漂っているが、むつの表情はどことなく暗かった。


「…っていうかさ、その…せきうさん?何者なの?翼生えてるわよ?」


「夕雨さんは、天狗さん。前にさぁ、ひっどいめに合わされたの‼ねぇ、むつ」


「うん。ゴキブリと鼠の大群をさ…」


むつとこさめが交互に説明するのを聞き、嫌そうな顔をする菜々だが、むつがアヒージョ出来たと言うと、蛸を頬張りワインで流し込んだ。


「何なの、あんたの仕事って」


「何でも屋だからねぇ」


ビールを終わりにして、むつは苦笑いを浮かべつつワインをグラスに満たして、くいっと呑んだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ