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3話
むつにはフォローの仕様もなく、ただこさめが何と言うかを待っているだけだった。
「さん、34歳‼」
「えぇっ‼」
「…と、歳上!?」
34という数次がどこから出てきたのかと驚くむつと、歳上だという事に素直に驚く菜々。
「直弥と同じなの」
「…はぁ…篠田さんが意外と若いのにもびっくりするんだけど…しろーちゃんと一緒くらいかと思ってたけど」
皿の上で冷めてきているたこ焼きをつまみ、むつは知らなかったと呟いている。そこからしばらくは、3人の中では唯一の彼氏持ちであるこさめと篠田の話になった。篠田を見た事がない菜々に、むつは壁にかかっているコルクボードを指差した。菜々もこさめも、何枚もはられている写真を眺めている。
「あんた…相変わらず写真好きね」
「うん。まだはってないのもあるけど」
「えー、どんなの?見たい‼」
菜々とこさめに言われ、むつは私室に行くときちんとファイリングされている写真を持ってきた。コルクボードにははってないが、色々な写真があった。




