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3話
準備が整うと、むつはローテーブルにたこ焼き器を置いて、取り皿やグラスも並べた。
「…さて、後は寝るだけにしたいし…化粧落として着替えてくる」
「えー、ならあたしも」
「こさめも着替えよーっと」
生地の入ったボウルやワイン、チューハイ、ビールなんかも運び終えると、代わる代わる洗面所で化粧を落として、部屋着に着替えた。
「あれ、何それ…怪我?」
むつの足に、ガーゼが貼られネットがかけられているのに気付いた菜々は、痛そうと呟いた。
「うん、ちょっとね…」
「何かあったの?」
「まぁ…話すよ。とりあえず、たこ焼きしよ」
たこ焼き器のスイッチを入れ、むつは先ずビールを開けてグラスに注いだ。こさめは、あまり呑めないからと、甘いチューハイをグラスに注いでいる。
「では、とりあえず…」
「かんぱーいっ」