136/753
3話
がさっと買い物袋を持った3人は、きゃあきゃあと話をしながら、マンションに向かっていく。
「確認する、ついてきてるか。遠回りするよ」
「うん」
菜々には聞こえないように、むつが呟くと、こさめは頷いた。そして、わざとらしく、きゃあきゃあと話をしながら角を多く曲がるような道を選び、くねくねと歩いていく。
「足音、1つ。スーパーからずっと」
「おっけ…」
むつの隣を歩くこさめは、こそっと耳元でささやいた。むつは、そっと後ろを見た。角の所に人が居るように見えた。むつは少し早足に歩き、角を曲がりまたすぐに角を曲がった。
「走って」
むつとこさめは、菜々の手を掴むと一気に走った。菜々は、訳が分からない様子だったが、2人に引っ張られるようにしてついてくる。
「こさめ、この先、次の角、右。交番行って」