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3話
「どんな、やつか見たか?」
「ううん…分かんないけど3人。人じゃない」
「…そうか」
むつは、まだ外を気にしているようだった。
「むつ。ケーキ、皿に出してくれるか?ついでに、コーヒーも頼む。俺は…ちょっと電話してくるから」
「誰に?」
「お・ん・な」
「…あっそ」
むつはケーキの箱を持ってキッチンに行くと、どれにしようかと悩みながら適当に2つほど、皿に乗せた。そして、電気ポットに水を足して、スイッチを入れた。
ポットにスイッチを入れる音が聞こえると、山上は廊下に出て電話をかけた。相手は、ついさっき電話したばかりの冬四郎だった。