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3話
「お地蔵様、見に行ってくれたんですよね?どうでしたか?」
「うーん…酷いね、あれは…今のあたしでも酷いと思うくらいだから、祐斗はもっと強烈に感じただろうね」
むつは何やら考え込むように、コーヒーを一口飲んだ。マグカップに唇をつけたまま、むつは動かなくなった。颯介と山上も、むつが視に行った現場の事は気になっていたのか、作業を止めている。
「でも…うーん…そうね。2人からの依頼とは無関係じゃないかな?依頼としては、神社の霊視だったし」
「依頼とは無関係でも、どっかとは関係ありそうな言い方してるな」
「関係っていうか、先輩の神社さ…祐斗気付かなかったみたいだけど。狛犬が動き回ってたのよ」
「えぇ‼全然、知りませんでした」
「うん、狛犬も言ってた。祐斗は気付いてなかったって…で、その狛犬がなぁんか知ってるような雰囲気を出してきたから…ちょっと気になるってぐらいかな」