100/753
3話
颯介と祐斗がロッカーに荷物を置きに行っている間に、むつはコーヒーをいれて机に置いた。遅刻ぎりぎりになって、ようやく山上がやってきた。眠そうな顔をしている。
「おはよーさん、むつ俺にも」
「はいはい」
むつはコーヒーをいれて戻ってくると、山上に手渡して自分の席についた。山上はコーヒーをすすり、同じ様に席に座って、コーヒーをすする3人を見回した。
「…揃いも揃って、酷い顔してんな」
「3人は何?何時まで呑んでたのよ」
「確か、4時くらいまで…」
颯介は欠伸をしながら言うと、祐斗はうんうんと頷いた。
「俺は…途中から記憶ないっす。西原さんと口喧嘩したのは覚えてるんすけど…内容までは」
西原の名前が出ると、むつはぴくっと頬を痙攣させた。颯介も祐斗も気付かなかったようだが、山上は見逃さなかった。
「宮前さんは2時頃には帰ったんでしたっけ?俺は、どうやって帰ったんですか?」
「祐斗君は、社長が送ってくれたんだよ。起きたと思ったら、また寝ちゃって、起きなかったからね」