おまけコーナー:人物・怪人 設定画&解説集
本編最終話公開まで残り一ヶ月。がしかし、前話公開からは丸二ヶ月空いてしまうことになるので、皆さんを飽きさせないためにも、今月は今までに描いてきたイラストを公開したいと思います。Pixivのほうでも公開してるんですが、こっちにも挿絵機能がある訳ですから、出来るなら掲載した方が皆さまも楽しいことでしょう。
という訳で、可能な限り公開していきます。
<斉天少女・孫悟空>
言わずと知れたヒロイン兼主人公。
作者と同じ大学に通う友人(本作の読者第一号)が誕生日プレゼントに描いてくれました。
掲載許可は貰い済み。
<牛魔獣ハンマーホルスタイン>
本編第1話を執筆する前に、作者自身が劇中のイメージを固める目的で描いたイラスト。
導入部のあのカタストロフなシチュエーションを思いついたのは、実は「クウガ」に登場したゴ・バベル・ダというバッファロー怪人のゲゲル(殺人ゲーム)からだったので、そのオマージュで最初はこいつもバッファローにしようかと思ってました。怪人コンセプトを分かりやすく説明するという目的から、最終的には現行のに落ちつきましたけど。
母体が実は信二郎、というのは書き始めた瞬間は漠然としか想定してなかったんですが、結果的には何もかも上手くかみ合ってくれましたので、良かったと思います。
<牛魔獣コンピュータースイギュウ>
ハンマーホルスタインと同時に描いたイメージイラスト。……が、実は後で一度描き直してます。
理由はふたつあり、最初のイラストが余りに雑だった(苦笑)のと、「常に座禅で宙に浮いてる」というのを本編第2話クライマックスの執筆中に土壇場で思いついてそれを反映したかったから。あまり深い意味はなく悪ノリに近い思い付きだったのですが、結果的に「あ、じゃあ牛魔獣は母体になった連中が依拠してる人間のイメージが投影されてることにしちゃえ」とまたも上手い具合に繋がってくれて、その先のデザイン作業にも大きく貢献してくれました。
急いでたためか、イラスト上の表記が「牛魔牛」になってるのはご愛嬌w
<牛魔獣シナイバッファロー>
本編ではちょこっとだけ暴れた牛魔獣。ですがコイツも、その先の「地の文でだけ言及された牛魔獣」たちも全て、どういう人間の、どういう現実逃避から生まれて、誰の姿が投影されてるのか、明確な裏設定が設けられてます。
イラストを描いたタイミングは、これ以降の連中とまとめて第4話執筆の直前あたりでした。
何でそんな面倒なことしたかというと……まぁイラスト描きたかったからというのもありますが、一番の理由は、地の文で次から次に怪人と事件の内容を列挙して、ある種のシュールギャグにしてやろうと早い段階で考えてたから。現実逃避にはキリがねぇよってねw
ちなみに、このシナイバッファローの場合だと、母体となった葛山の父親の面影が投影されている、という設定です。現役部員たちにとってはひたすら迷惑極まりない存在の葛山さんですが、実は彼自身もまた、権威主義的に振る舞う父親の影に囚われてしまっていたのです。
ま、それでも後輩たちの側からすれば「知るか!」って言われるだけなんでしょうけど。
<牛魔獣シザーズオグロヌー>
地の文だけで触れられた牛魔獣。こいつの背景事情は、自分の周囲で実際にあったいくつかの出来事をごった煮にしました。共同作業の一環で任せたハズのものを、締め切り過ぎても、いつまで経っても提出しないではぐらかすアホどもの言い訳とかね(笑)
ガリガリに痩せたヌーの姿を、老婆のイメージと重ねたんですが、実際の作画時には餓鬼を参考にしてしまった上にゴテゴテと武装を増やしたり、おまけに入れ歯までつけてしまったことで、もはや牛の面影さえない何者かにw
だいぶ前にツイッターで見かけた話なんですが、サークルで合同誌作ってコミケか何かに参加するハズが、たったひとりの人間が途中で放り出して音信不通になったがために、合同誌は完成せずイベントには参加不能、挙句にサークル自体が規約違反とかで今後の出禁を通告されるという、シャレにならない地獄絵図があったそうです。
命がけで作品作ってる集団の中に、ひとりでも無責任なのや豆腐メンタルなのがいると、似た事態はどこででも起こり得ます。体調の急変とかどうにもならない事態があるのも事実ですが、そういう時は素直に申告すること。そうすりゃ被害は最小限です。
まあ、それすらも言い出さずに事態を悪化させた挙句、逃げ続ける輩とかも割合いるみたいですが。劇中に登場した映研部員の柳田みたいに。
<牛魔獣インクジャージー>
こやつも地の文だけで触れられた牛魔獣。背景事情のモチーフは、某・子供のゲーム機バキバキ事件をベースに、毒親あるあるを片っ端から混ぜ込みました。世話になってるのは間違いありませんが、所有物ではないんです。子供と親は分離してください、お願いだから。
……でも今どきのティーンエージャーに「墨塗り教科書」って伝わるかな?
自分で書いといて疑問w
あと自分の脳内では、完成イラストよりもナンボか可愛らしくなってるハズでした。
<牛魔獣ライターショートホーン>
地の文のラストでちょこっとだけ触れられた牛魔獣。こやつの背景のモチーフは、よくある議員の汚職騒ぎと、実際にあってニュースにもなってた現実逃避絡みの放火事件。
ちなみに、汚職議員の男から投影されてるイメージは「行きつけの店のキャバ嬢」だったりw
<牛魔獣マシンガンデボン>
同じく、地の文のラストでちょこっとだけ触れられた牛魔獣。こやつの背景として書いた話は、作者が通学中の電車内で出くわした実話(!)が元ネタ。最初見聞きしたときは何事かと思いましたが、後から思い出してみるとソレに近い言動をたまにしてるやつが身近にいて、そいつと比較対照して色々考えた結果「きっと甘やかされて育ったのだろう」という推測に達しました。
だから、こいつに投影されてるイメージはズバリ「あたしのちょー強いパパ」です。
<バトラー兵>
こいつらは……なんなんだろう?(笑)
実は作者にも未だによく分かっていません。殆どノリと勢いの産物です。まあ、純然たる生き物ではないんでしょうけど、とにかく謎です。あとシュールです。ウシィ~……。
<シザーズオグロヌー・別バージョン>
悟空のイラストを描いてくれた友人が、本編を読んで独自に描いてくれた別バージョン。
描いてくれたのはありがたいですが、個人的には「ちょっとカッコよすぎる」気もします。
僕の画力の関係もあるでしょうが、牛魔獣というのは人間の最も惨めで見苦しい部分がさらけ出された、言うなれば鳥獣戯画みたいなものなのです。多少ね、ダサくて不格好な方がコンセプトに合ってるんですよ。
まあ、ボクのと比べりゃ明らかにこっちの絵のほうが纏まりはいいんですが(笑)
* * *
如何だったでありましょうか。
これらを見たり読んだりして、また本編に興味が湧いたら目を通して貰えると幸いです。
最終話の公開まであと一ヶ月ちょい。今度こそは予告した日付を過ぎないようにします。
きっと、たぶん、予告した一両日中ぐらいには。