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第3話 AEMS

ブリーフィングの場所はひときわ大きいくすんだ黄緑色のテントだった。

中には、重装備の護衛が数名と白衣の男女が5人、迷彩の軍服姿の男が3人。

「久しぶりだな、玲司」

奥に立つ白衣の白髪の男性が口を開いた

「お久しぶりですドクターバルデ」

彼はDr.ヴァン・エリアス・バルデMIFの創設者で久世と朱音の医療の師。

遺伝子治療により70代の頃から老化が止まっているが、現在の年齢は148歳、第一次世界大戦の開始とともに生まれ、それ以降の戦争において多くの戦時医療を届けている人物である。

「ドクターでいい」

「お久しぶりですドクター」

「昔馴染みに会えたところでブリーフィングをしよう。ホークマン、よろしく」

ホークマンと呼ばれた男は迷彩柄の軍服を着た大柄な白人男性で、円形の卓上にホログラムを投影させながら話し始めた。

「現在、ルドエゴ地域内で発見されている勢力は以下の3勢力になります。1つずつ説明します。」

ホログラムにバルゴスナ国旗の徽章が入った特殊部隊感のある様相の部隊が映る

「彼らはバルゴスナから派遣された正規軍の特殊部隊SPEKです。高度な訓練を受けた兵であり我々PMCとは異なり国家としてロスヴィエトと全面戦闘をするようです。」

「彼らは我々に攻撃してくるのか?」

白衣を着た男が言った

「いや、その可能性は低い。彼らはジーンセラピーを施されている。死に至る可能性のある攻撃を受けるとこのように蛹のような形態で生命活動を一時停止する。」

シルバーの蛹のような形の画像が映し出される

「そしてそれを蘇生できる薬を持つのは彼らSPEKを除き我々だけだ、そんな相手を攻撃するほど馬鹿な連中ではないだろう。」

ホークマンは続ける

「次の部隊について解説させてもらう」

画面に体中にギリースーツを纏う兵士の小隊が映る

「ロスヴィエト正規軍の特殊部隊のSOKR。彼らはロスヴィエトの他の部隊とは違い、無秩序な戦闘による森林破壊、原生生物の生態系破壊を防ぎ、森林区域そのものを「戦略資源」として保全することを大きな目標としている。そのため森林区域への侵入と同時に警告があった。しかし、森林区域内での医療行動には特に咎められなかったため。我々にとってはもはや心強い味方とも言える。」

「最後に一番わからん、そんでもって一番厄介なのを紹介する」

赤い防弾マスクの画像が映される

「こいつらの画像はないのか?」

久世が聞く

「ああ、こいつらだけは写真が取れなかった。そのため、情報が発見者の報告しかなかった。」

「だからってマスクだけかよ?もっとあるだろ?部隊章とか決まった装備とか」

久世は若干イライラしながら言った

「ないんだ、それが‥なにも…唯一あったのが赤いマスクという共通点のみそれ以外は謎に包まれている。全員がバラバラの装備を着ている、武器も違えば発見時によって人数が全く違う。もうなにがなんだか…」

ホークマンは困った顔をしていた。

「まあ、わからないことはしょうがないではないか、して明日からの動きについてだ。ワイズマン、頼む」

ワイズマンと呼ばれた男は黒人で小太りの中年だ。ゆったりとした服装に白衣、MIF側の人間のようだ

「明日から我々は市街地のリディヌイル側からルドエゴ地域内を周回する。朱音の提案により我々は今回、戦闘の渦中にいる兵士も戦火にさらされている民間人も全員を救出する。AEMS諸君には厳しい護衛任務になるかもしれないが覚悟してくれ。以上、各自明日に向けてしっかり準備しろ。玲司、君は少し残ってくれ ではみんな、解散」

久世とドクター、ホークマン、ワイズマン、朱音だけが残った。ドクターが一言

「君は自由にしてもらって構わない。」

ホークマンが続けて

「君に護衛をつけようAEMSの精鋭を5名ほど」

久世はあからさまに嫌な顔をし、答える

「いや、一人のほうがのびのび行動できるんでね、遠慮させてもらうよ」

ワイズマンの顔に笑顔が見えた

「君ならそう言うと思ったよ。 じゃあ君も休んでくれ、ありがとう。」

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