表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
エデン・エスケープ ―赤い目の僕と、血塗られた彼女の約束―  作者: KOSH
第2章:瓦礫の街の追走劇

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

9/26

第8話:見えざる狙撃手

地上に出た二人を襲う、見えない敵。

それはリカルドと同じ「眼」を持つ者でした。

――バシュッ!!

 再び、乾いた音が空気を切り裂く。

 俺たちが隠れている廃車のボンネットに、新たな弾痕が刻まれた。

「……くそッ、位置が特定できない!」

 俺は奥歯を噛み締めた。

 『予見眼』で「弾が着弾する未来」は見えている。だから、当たる直前に避けることはできる。

 だが、**「どこから撃ってきているか」**までは視えない。

 敵は、俺の『予見眼』の射程外――遥か遠方から、一方的に俺たちを狙い撃ちしているのだ。

「リカルドくん、私が突っ込んで殺してこようか?」

 カレンが廃車の陰から飛び出そうとする。

「待て! 無謀だ! 相手の居場所も分からないのに飛び出せば、蜂の巣にされるぞ」

 その時。

 俺たちの頭上にある街頭スピーカーから、ノイズ混じりの少年声が響いた。

『――へぇ。今の二発目を避けるなんて、やるじゃん』

 あどけなさが残る、けれど感情の欠落した声。

『ボクの「千里眼」から逃げ延びたターゲットなんて、キミたちが初めてだよ。……ねぇ、実験体13号。リカルド・ヴォルテックス』

 心臓が跳ねた。

 俺の識別番号を知っている?

「……お前、何者だ」

 俺はスピーカーに向かって怒鳴り返した。

『ボク? ボクは実験体4号。「シキ」だよ』

 4号……シキ。

 研究所の噂で聞いたことがある。

 左目に、数キロ先の蟻の動きさえ捉える『千里眼』を埋め込まれた、最高傑作のスナイパー。

『管理官からの命令なんだ。「予見眼」と「鮮血の刃」を回収しろって。……ねぇ、大人しく出てきてよ。ボク、あんまり痛めつけるのは好きじゃないんだ』

 嘘だ。

 声が笑っている。こいつは、遠距離から一方的に獲物を狩ることを楽しんでいる。

「……悪いが、お断りだ」

 俺はカレンの手を握り直し、小声で指示を出す。

(カレン、聞いてくれ。奴は遠くは見えても、近くの死角までは見えてない可能性がある。俺がおとりになって奴の視線を惹きつける。その隙に、お前はビルの陰を伝って距離を詰めろ)

「……やだ」

 カレンが即答する。

「リカルドくんが撃たれる未来なんて、絶対いや」

「死にはしない。俺の右目がついている限り、急所は外させる。……信じてくれ」

 カレンは不満そうに唇を尖らせたが、俺の真剣な眼差しに負けたのか、小さく頷いた。

「……分かった。でも、もしリカルドくんに傷一つでもついたら、あのスナイパー、ミンチにするからね」

 交渉成立。

 俺は深呼吸をする。

 「時間」を視る俺と、「空間」を視るシキ。

 眼と眼の戦争が、今始まる。

「――行くぞッ!!」

 俺は廃車の陰から、あえて無防備な道路へと飛び出した。

新たなライバル、千里眼の「シキ」が登場しました。

遠距離最強のスナイパーに、リカルドはどう立ち向かうのか。

感想やレビュー、本当にありがとうございます!

モチベーション爆上がり中です。

続きが気になる方は、ぜひブックマークをお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ