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エデン・エスケープ ―赤い目の僕と、血塗られた彼女の約束―  作者: KOSH
第3章:碧き自由への反逆(最終章)

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第21話:黒翼の処刑人

甲板を埋め尽くす兵士たち。

シキとガンツの背中が、リカルドたちに道を切り開きます。

そして艦橋の前で待っていたのは、カレンと対をなす「絶望」でした。

「数が多いな! キリがねぇぞ!」

 ガンツが巨大なモンキーレンチを振り回し、兵士を殴り飛ばす。

 シキも奪ったアサルトライフルで応戦しているが、増援は次々と現れる。

「リカルド! ここで足止め食らってたらジリ貧だ!」

 シキが叫んだ。

 彼らはアイコンタクトを交わすと、俺たちの前に立ちふさがった。

「ここはボクとガンツのおっさんで食い止める! キミたちは親玉のところへ行け!」

「おいおい、俺まで巻き込むなよ……と言いたいとこだが、乗りかかった船だ。最後まで付き合ってやるよ!」

 ガンツが不敵に笑い、レンチを肩に担ぐ。

防壁ゲートを開けた時の借りを返させてくれよ。……行けぇッ!!」

 二人が兵士の群れに突っ込み、道をこじ開ける。

 俺は唇を噛み締め、頷いた。

「死ぬなよ! 絶対に戻ってくるからな!」

「カレン、行くぞ!」

 俺はカレンの手を引き、二人が作ってくれた血路を駆け抜けた。

 目指すは中央にそびえ立つ艦橋ブリッジ。あそこにワイズマンがいる。

 だが、ブリッジへの入り口まであと数メートルというところで、俺の右目がかつてないほどの「死」を感知した。

 赤い警告色が視界を埋め尽くす。

「カレン、止まれッ!!」

「――ッ!」

 俺の声と同時に、カレンが俺を突き飛ばし、背中の翼をシールドとして展開した。

 ドォォォォンッ!!

 漆黒の閃光が、カレンの紅い盾に直撃した。

 凄まじい衝撃波が走り、甲板の鉄板が飴細工のように捲れ上がる。

「……へぇ。私の『黒閃こくせん』を防ぐなんて。失敗作ジャンクにしてはやるじゃない」

 爆煙の向こうから、冷ややかな少女の声が響いた。

 現れたのは、カレンと同じ年頃の少女。

 だが、その身に纏っているのは漆黒のドレス。

 そして背中には、カレンの紅い翼よりも一回り大きく、禍々しい輝きを放つ「黒い結晶の翼」が生えていた。

「あなたは……」

 カレンが険しい表情で睨みつける。

「私は『ノア』。ワイズマン様に造られた、最強の完成体オリジナル。……あなたみたいな『模造品コピー』とは格が違うの」

 ノアと呼ばれた少女が指を鳴らすと、背中の黒翼から無数の黒い刃が生成され、空中に展開した。

 その圧力は、今まで戦ってきたどの敵よりも重く、絶望的だ。

「リカルドくん」

 カレンが背中越しに声をかけてきた。

 彼女は震えていない。むしろ、楽しそうに笑っていた。

「先に行って」

「なっ……一人で戦う気か!? あいつはヤバい、俺のサポートがないと!」

「ううん。リカルドくんは、ワイズマンのところへ行って。このゲームを終わらせてきて」

 カレンが振り返り、俺の頬にそっとキスをした。

「大丈夫。私、リカルドくんに恋してるんだもん。愛の力は無敵なんだよ? ……あんな真っ黒なカラスになんて、負けない」

 その瞳には、絶対的な信頼と、揺るぎない覚悟が宿っていた。

 俺は拳を握りしめ、頷いた。

 ここで俺が躊躇えば、シキたちの覚悟も、カレンの決意も無駄になる。

「……分かった。絶対に勝てよ、カレン」

「うん。すぐ追いかけるから、浮気しないで待っててね」

 俺は走り出した。

 背後で、紅と黒の閃光が激突する音を聞きながら。

 もう振り返らない。俺の戦場は、この先にある。

カレンvs黒カレン(ノア)。

最強のヒロイン対決が幕を開けました。

そしてリカルドは単身、全ての元凶であるワイズマンの元へ。

次回、ついにラスボスとの対峙。

物語はクライマックスへ一直線です!

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