表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
エデン・エスケープ ―赤い目の僕と、血塗られた彼女の約束―  作者: KOSH
第2章:瓦礫の街の追走劇

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

18/26

第17話:約束の青

放たれた無数のドローン。

しかし、海を目指す二人の、そして四人の想いは止められません。

第2章、完結です。

空を埋め尽くすほどの小型ドローンが、不快な羽音を立てて殺到してくる。

 ゴリアテ本体がダウンしても、この自律兵器たちが残っている限り、ゲートには近づけない。

「ちっ、うっとうしいハエどもめ!」

 ガンツが車体を回転させ、遠心力で振り払おうとするが、数は減らない。

「リカルド! こいつら、カレンちゃんを狙ってる!」

 シキが叫んだ。

 ドローンの群れは、最大の脅威であるカレンを集中的に攻撃し、ゴリアテへの接近を阻もうとしていた。

「カレン、止まるな! そのまま突っ込め!」

 俺は窓から身を乗り出し、叫んだ。

「でも、これじゃ前が見えない!」

「俺が視る! 障害物は全部、俺たちが排除する!」

 俺はシキとガンツを見た。言葉はいらなかった。

「へっ、任せな! 弾切れまで付き合ってやるよ!」

 シキがライフルを乱射し、カレンの目の前に立ちふさがるドローンを次々と撃ち落とす。

 ガンツは車を巧みに操り、ドローンの群れに体当たりをして進路を切り開く。

 開かれた、一本の道。

 その先には、膝をつきながらも再起動しようとしているゴリアテの胸部――弱点である動力炉コアが赤く明滅していた。

「いっけぇぇぇぇッ!! カレン!!」

「――うんッ!!」

 カレンが翼を羽ばたかせ、一直線に翔けた。

 邪魔するものはもう何もない。

 彼女は右手に紅い結晶を極限まで収束させ、巨大な槍を形成する。

「これで……終わりッ!!」

 ドォォォォォンッ!!

 紅い槍が、ゴリアテの胸部装甲を貫き、深奥にある動力炉を粉砕した。

 内部から漏れ出したエネルギーが青白い閃光となって吹き荒れ、巨大要塞は断末魔のような軋みを上げて完全に沈黙した。

 ――ガコン。

 ゴリアテの機能停止と連動し、背後の巨大ゲートのロックが外れる音が響いた。

 分厚い合金の扉が、重々しい音を立てて左右に開き始める。

「……開いた」

 砂煙が晴れていく。

 俺たちは車を降り、ゲートの隙間から差し込む強烈な光に目を細めた。

 そこから吹き込んできたのは、腐敗した鉄の匂いではない。

 どこか懐かしく、そして少ししょっぱい、潮の香り。

「リカルドくん……!」

 カレンが俺の手を握りしめる。

 俺たちは並んで、開かれたゲートの先へと歩みを進めた。

 視界いっぱいに広がったのは、瓦礫の山でも、灰色の空でもない。

 地平線の彼方まで続く、深く、澄み渡った群青色。

「……海だ」

 波の音が聞こえる。

 それは、俺たちが夢見て、約束し、命懸けで目指してきた場所。

 防壁の向こう側には、確かに「本物の世界」が広がっていた。

「綺麗……。ねぇリカルドくん、私たち、本当に来たんだね」

 カレンの瞳に、青い海と空が反射して輝いている。

 俺たちはついに、この狂った箱庭(実験場)を脱出したのだ。

 だが、感動に浸る俺たちの背後で、シキが静かに呟いた。

「……ねぇ。あれ、何?」

 シキが指さした先。

 美しい海の水平線上に、不自然な黒い影が浮かんでいた。

 それは、巨大な軍艦の船団。

 そして、その中央に鎮座する旗艦の甲板には、白いコートを纏った数人の人影が立っていた。

 デスゲームは、まだ終わっていなかったのだ。

第2章、これにて完結です!

ついに海へ到達したリカルドたち。しかし、そこで待ち受けていたのは……。

次回より、物語はいよいよ最終章へ。

研究所エデン」との最終決戦が始まります。

二人の旅の結末を、ぜひ最後まで見届けてください。

【ブックマーク登録】や評価、感想をいただけると最高に嬉しいです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ