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エデン・エスケープ ―赤い目の僕と、血塗られた彼女の約束―  作者: KOSH
第2章:瓦礫の街の追走劇

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第15話:天を断つ壁

ガンツの運転する装甲車で、一行は街の外縁部へ。

そこで彼らが見たのは、世界を物理的に拒絶する、圧倒的な「壁」でした。

ブロロロロロ……ッ!!

 重低音を響かせながら、改造された装甲車が瓦礫の荒野を爆走する。

 ハンドルを握るのはガンツだ。彼は煙草を咥えながら、悪路をものともしない見事なドライビングテクニックを見せていた。

「ヒャッハー! 久しぶりにエンジンを回すと気分がいいぜ!」

「おっさん、揺らしすぎ! ボクの三半規管が死ぬ!」

 助手席でシキが青い顔をして叫んでいる。

 後部座席の俺は、揺れで飛ばされないようにカレンの肩を抱いていた。

「リカルドくん、ドライブだね! 楽しいね!」

「……そうだな。状況が状況じゃなきゃ、最高だったんだが」

 カレンは窓の外を流れる廃墟の景色を楽しそうに眺めている。

 俺たちが目指すのは、この「第2実験区画」の最果て。

 北の境界線にあるという、巨大防壁だ。

「――見えてきたぞ。あれが『壁』だ」

 ガンツが声を落とし、車速を緩めた。

 フロントガラス越しに、その異様な光景が飛び込んでくる。

「……でかすぎるだろ」

 俺は息を呑んだ。

 地平線の向こうから、天に向かって垂直に伸びる灰色の断崖絶壁。

 高さは五十メートルどころじゃない。百メートルはあるだろうか。

 鋼鉄とコンクリートで固められたその壁は、左右無限に続いており、この世界を物理的に分断していた。

「あんなの、どうやって越えるの……?」

 シキが絶望的な声を漏らす。

「ゲートがあるはずだ。管理官や物資が出入りするための、唯一の通用口が」

 俺の指示で、ガンツは壁沿いに車を走らせた。

 やがて、壁の一部に巨大な合金製のゲートが見えてきた。

 だが、俺はすぐに叫んだ。

「ガンツ、止めろ! それ以上近づくな!」

「おうよ、見えてるぜ……あのデカブツがな」

 キキーッ、とタイヤが砂利を噛んで停車する。

 ゲートの前には、あり得ないサイズの「番人」が鎮座していた。

 全長十メートルを超える、多脚戦車。

 全身を分厚い装甲で覆い、背中には巨大なレールガン、両肩にはミサイルポッドを搭載している。

 要塞がそのまま歩いているような威容だ。

「あれは……無人防衛要塞『ゴリアテ』」

 シキが震える声で呟く。

「一機で軍隊を壊滅させられる怪物だ。あんなのが門番なんて聞いてないよ……」

 俺の右目が激しく脈打つ。

 『予見眼』を使わなくとも分かる。

 今の俺たちの戦力で正面から挑めば、あのレールガンの一撃で車ごと蒸発して終わりだ。

「……ねぇ、リカルドくん」

 カレンが低い声で言った。彼女の瞳孔が、興奮と敵意で収縮している。

「あのでっかいの、壊せば海に行ける?」

「あぁ。だが、ただ壊すだけじゃ足りない。あいつを無力化して、ゲートのロックを解除させなきゃならない」

 俺は全員を見渡した。

 カレンの矛、シキの眼、ガンツの機動力、そして俺の予知。

 持てる全てのカードを使わなければ、この「壁」は越えられない。

「作戦会議だ。……あの巨人を狩るぞ」

 世界の果て、巨大な壁の下で。

 俺たちの脱出を賭けた、最後のボスバトルが始まろうとしていた。

ついに到達した「壁」と、最強の門番「ゴリアテ」。

正面突破は不可能な相手に、リカルドたちはどう挑むのか。

いよいよ第2章のクライマックス戦です!

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