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エデン・エスケープ ―赤い目の僕と、血塗られた彼女の約束―  作者: KOSH
第2章:瓦礫の街の追走劇

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第14話:鋼鉄の城主

暴走する重機、唸るチェーンソー。

しかし、最強の少女カレンの前では、それらはただのブリキの玩具に過ぎませんでした。

ブォォォォンッ!!

 左腕のチェーンソーが、カレンの細い身体を両断しようと迫る。

「遅いよ、ポンコツ」

 カレンは避けない。

 彼女はチェーンソーの刃が触れる寸前、背中の結晶を硬質化させ、シールドとして展開した。

 ガギギギギギギッ!!

 激しい火花が散り、金属が悲鳴を上げる。

 高速回転する刃を受け止めながら、カレンは涼しい顔で笑った。

「パワーはすごいけど、動きが単調。……リカルドくんの敵じゃないね」

 パリンッ、と盾が弾け飛ぶ。

 だが、それは防御が破られたのではない。攻撃への転換だ。

 弾け飛んだ紅い破片が、散弾銃のようにロボットの関節部――油圧シリンダーの隙間に突き刺さった。

『ぬおっ!? う、腕が動かねぇ!?』

 ロボットの左腕がガクンと垂れ下がる。

 カレンはその隙を見逃さない。

 ふわりと跳躍し、ロボットの肩の上に着地すると、コックピットのハッチを素手で鷲掴みにした。

「開け、ゴマ!」

 メキメキメキッ……バキンッ!!

 分厚い鋼鉄のハッチが、まるで缶詰の蓋のように無理やりこじ開けられた。

『な、なんだこの馬鹿力はァ!?』

「はい、チェックメイト。出てきなよ、おじさん」

 カレンが中に手を突っ込み、操縦席に座っていた男を襟首ごと引きずり出した。

 放り出された男は、油まみれの作業着を着た、白髪交じりの頑固そうな中年だった。

「ぐ、ぐぬぬ……! 殺せ! 研究所エデンの犬め、情報を吐くくらいなら舌を噛み切ってやる!」

 男は地面に這いつくばりながらも、俺たちを睨みつけている。

 その目にあるのは、深い憎悪と、隠しきれない恐怖だ。

「だから、違うって言ってるだろ」

 俺はため息をつき、男の前にしゃがみ込んだ。

「シキ、あれを見せてやれ」

「へいへい。……ほら、おっさん。これ見なよ」

 シキが懐から取り出したのは、破壊された無人機ドローンから抜き取った手配書のデータだった。

 そこには『抹殺対象:実験体13号、7号、4号』と、俺たちの顔写真が表示されている。

「……あぁ? お前ら、抹殺対象なのか?」

 男が目を丸くする。

「そうだよ。俺たちもあいつらに命を狙われてる。ここまで逃げてきて、防壁を越えるために車が欲しかっただけだ」

 男はしばらく俺たちの顔と、手配書のデータを交互に見比べていたが――やがて、力が抜けたようにへたり込んだ。

「……なんだ。早く言えよ、バカ野郎」

「言っただろ、最初に」

 男はバツが悪そうに頭を掻き、懐からオイルの染みた煙草を取り出した。

「俺はガンツ。元々はこの実験場の設備管理をやらされてた整備士だ。……まぁ、あいつらの非人道的な実験に嫌気が差して、ここで隠遁生活をしてる身だがな」

 ガンツと名乗った男は、煙草に火をつけ、深く紫煙を吐き出した。

「悪かったな、いきなり襲っちまって。最近、妙な『掃除屋』が増えててピリピリしてやがったんだ」

「誤解が解けてよかったよ。……で、相談なんだが」

 俺は奥にある装甲車を指さした。

「あの車、譲ってくれないか? 代わりに、俺たちが持ってる食料を半分置いていく」

 ガンツはニヤリと笑った。

「食料なんざいらねぇよ。……その代わり、条件がある」

「条件?」

「俺を連れて行け。この薄暗い工場で朽ち果てるのは御免だ。お前らが『防壁』を越えるってんなら、その最前席で夢を見させてもらうぜ」

 頑固親父の整備士、ガンツ。

 彼の加入により、俺たちの旅はより騒がしく、そして頼もしいものになった。

誤解が解け、凄腕の整備士ガンツが仲間になりました!

これで車両とメカニックを確保。

準備は整いました。次回、いよいよ防壁へ向けて出発です!

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