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エデン・エスケープ ―赤い目の僕と、血塗られた彼女の約束―  作者: KOSH
第2章:瓦礫の街の追走劇

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第13話:鉄屑の守護者

目的地である整備工場に到着。

しかし、そこは既に誰かの「城」でした。

錆びついたシャッターをこじ開けると、ツンと鼻をつくオイルと埃の匂いが漂ってきた。

 かつて重機を整備していたと思われる広大な工場跡地。

 天井からは鎖が垂れ下がり、巨大なクレーンが巨人の死骸のように静止している。

「……うわ、すっげ。宝の山じゃん」

 シキが目を輝かせて走り出す。

 彼の『千里眼』は、ガラクタの山から使えるパーツを次々と見つけ出しているようだ。

「ビンゴ! 見てよリカルド、あれ!」

 シキが指さした先。

 工場の奥、リフトの上に鎮座していたのは、軍用の装甲車を改造したような無骨なオフロード車だった。

 タイヤはパンクしておらず、装甲も厚い。これなら荒野も走れるし、多少の銃撃も防げるだろう。

「よし、動くか確認しよう。カレン、周囲の警戒を――」

 俺が指示を出そうとした、その時。

 ズズ……ズズズ……ッ。

 足元のコンクリートが微かに振動した。

 地震? いや、違う。

 規則的なリズム。これは、巨大な何かが歩いてくる足音だ。

「……リカルドくん、下がって」

 カレンが瞬時に俺の前に立つ。

 ――ガシャン、ガシャン、ガシャン!

 暗闇の奥から姿を現したのは、全高四メートルほどの巨大な「人型重機」だった。

 建設用の作業ロボットをベースにしているようだが、右腕には巨大なドリル、左腕には建築資材を切断するためのチェーンソーが溶接されている。

 まるでフランケンシュタインのような、継ぎ接ぎだらけの鉄の怪物。

『警告する。ここはお前らのような「研究所エデンの犬」が足を踏み入れていい場所じゃねぇ』

 ロボットの外部スピーカーから、しゃがれた男の声が響く。

 どうやら自律型ではなく、中に人間が乗っているようだ。

「待て! 俺たちは研究所の人間じゃない! 俺たちも脱走者だ!」

 俺は大声で叫んだ。

 だが、男は聞く耳を持たない。

『脱走者だぁ? 笑わせるな。そんな綺麗な服を着た脱走者がいてたまるか! どうせ管理官が寄越した「回収部隊」だろうが!』

 ブォォォォン!!

 左腕のチェーンソーが唸りを上げ、高速回転を始める。

『俺の城から……出て行けェェッ!!』

 巨大な鉄塊が、見た目にそぐわぬ速度で突進してきた。

 ドリルが空気を裂き、俺たちの頭上へと振り下ろされる。

「ちっ、話が通じないタイプか!」

 俺はシキの襟首を掴んで横に飛ぶ。

 ドゴォォォンッ!!

 俺たちがいた場所の床が粉砕され、深いクレーターが刻まれた。

「カレン! 殺すなよ! 車を壊されたら終わりだ!」

「分かってる! ……ちょっとスクラップにするだけ!」

 カレンが地面を蹴り、宙を舞う。

 巨大ロボット対、最強の少女。

 鉄と血の火花が散る、重量級バトルの幕開けだ。

整備士の男は、研究所への恐怖から疑心暗鬼になっているようです。

問答無用で襲い来る重機ロボット。

次回、カレンがその怪力で鉄屑に変えます。

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