二人乗り自転車のように
ざまぁテンプレの先を考えてみた。
「魅了などに惑わされて本当に済まなかった!我が最愛のマリアローザ!」
「痛い痛い息できない骨が折れる離して下さい」
えー、暴走してきた車から隣にいたお年寄抱えて逃げようとして気づいたらキラッキラなパーティーに居ました。状況把握する前にヒロインもどきの魅了が解除され冤罪をひっくり返す証言で大団円。私、誰やねんとポカーンなってると友達らしい令嬢達が付き添って家に送ってくれ、メイドさんたちに脱がされ風呂で洗われマッサージされハーブティー飲んでベッドに寝て爆睡。寝ている間に私の…魂?とこの美少女の記憶が折り合ったらしい。
公爵令嬢で王太子の婚約者のマリアローザ・ド・デステ。脳筋気味な王太子とは堅実な国王夫妻になると期待されていたがお約束の男爵令嬢ヒロインに王太子と側近共々コロッとやられ婚約破棄国外追放宣言され、かーらーの、ざまぁ返して一夜明けてイマココ。
「あのう、私の今後は」
「心配せずともよい、あのボンクラ王太子が今更目が覚めたと縋ってきても断固として蹴る」
「そうよ大事なマリーにあんな辛い思いをさせて恥もかかせるなんて許せない」
いい両親だ、転生あるある毒親でなくて良かったよ。
ただな…マリアローザが実現したかった政策プランの数々。道路舗装や下水整備、みっしり頭に入ってるこれ、アラフィフ公務員だった私が見てもめっちゃ良い。前世知識なんか無くても国民全体の幸せを一生懸命考えて勉強してたら最適解って出てくるんだな。これに私の衛生や公共工事の知識合わせたらこの国のQOL爆上がりする。今の国家体制だと王族、てか表向きはあの王太子名義で立案して予算取って全国に号令かけるトップダウンルートがいっちゃん効率が良い。
「いえ、人は過ちを犯すものですわ、一度は許そうと思いますの」
「「え?!」」
「勿論侮辱に対する賠償は妃の権限拡大の形でしっかり頂きますし殿下の側近は刷新しますけれど」
で、冒頭に戻る。睫毛バッサーつぶらな目、立派な鷲鼻、厚めの唇。濃いなー。苦手だわー。これはマリアローザもそう思ってた。でもマリアローザの政策案ちゃんと読んで通してくれる素直さはある。(心が)この齢になるとウザ美男も三日で慣れる。この人となら国政という二人乗り自転車を漕いでいけそうだ。
腹を決めたら、ビビッと今のマリアローザが、私の体で壁だらけの地方行政に風穴開けようと頑張ってるのが伝わってきた。




