サクラの隠された趣味
初めての休日、ミナトはベッドでゴロゴロと過ごしていた。しかし、スマホが突然振動する。
<サクラのメッセージ>
「至急カフェテリア前に集合!超重要!」
ミナト(心の声):「またドア壊したのかな…いや、今回は緊急感が本気っぽい?」
急いで駆けつけると、サクラは珍しく焦った表情で立っており、隣にはツバサが腕を組んでいた。
ツバサ(冷静に):「サクラが生徒手帳をなくした。問題なのは、普通の手帳ではない可能性があることだ」
サクラ(ぎこちない笑顔で):「と、とにかく急いで探さないと!」
ミナト:「え、そんなに重要だったの?」
ツバサ(鋭い目で):「彼女の態度から察するに、何か隠している」
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3人はカフェテリアへ向かう。
ツバサ(歩きながら):「最後に手帳を確認したのはいつだ?」
サクラ:「授業の後、たぶん…寮の前?」
ツバサ(冷静に鋭い視線を向けながら):「“たぶん”という曖昧な記憶は、意図的な隠蔽の証拠だ」
ミナト:「ツバサ、探偵ドラマの見すぎなんじゃない?」
ツバサ(真顔で):「推理は論理的思考の基本だ」
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寮の前で、管理人が落とし物の箱を整理しているのを発見。
管理人:「ああ、これか?」と差し出したのは、サクラの生徒手帳。しかし、普通のものよりわずかに重い。
ツバサはすぐに手帳を開き、中に仕込まれた小型デバイスを発見。
ツバサ(鋭く問い詰める):「これは何だ?特別なデータドライブか?」
サクラ(観念して):「……もう隠せないか」
ミナト(興味津々):「もしかして、スパイ活動?秘密の任務?」
サクラ(小声で):「…演歌データなんだ…私、実は演歌が大好きで…」
ツバサ:「……え?」
ミナト:「えっ!?演歌!?」
サクラ(開き直って):「そう!心の琴線に触れるんだよ!波のように揺れる節回し、魂に響く歌詞…!」
ミナト(爆笑しながら):「まさかの演歌!サクラ、君は新しい次元を開拓してる!」
ツバサ(呆然としながら):「…確かに、予測不能だった」
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隠された趣味、明かされた友情。
サクラは緊張が解けたのか、スマホを取り出してお気に入りの演歌を再生する。寮の前で突如響く、哀愁漂うメロディ。
サクラ(誇らしげに):「これが私の魂の叫び!」
ミナト(涙を拭うふりをしながら):「感動した…いや、笑いすぎて涙出た!」
ツバサ(ため息をつきながらも微笑む):「…君たちは本当に、予測の範囲外だ」
こうして、生徒手帳事件は解決し、サクラの隠された趣味が明らかになった。だが、それこそが3人の友情をより強く結びつけるきっかけとなったのだった。