誕生日でマックス全開!
放課後の教室。夕日の柔らかな光が差し込む中、ツバサ、サクラ、カナデ、ミコト、そしてミナトが集まっていた。
サクラがふと思いついて声を上げた。
「ねえ、ミナト!私たちの誕生日、ちゃんと覚えてる?クイズ形式で当ててみてよ!」
ミナトは自信満々に立ち上がる。
「もちろんだ!任せておけ!」
<第1問:サクラの誕生日>
サクラがニコニコしながら出題。
「私の誕生日はいつでしょう?ヒントは春!」
ミナトは考えて答える。
「3月15日!」
「ブブー!正解は4月5日!」
サクラが罰ゲームを提案。
「罰ゲームは、私の真似して『私は天然ボケの女王です!』って言うこと!」
ミナトは照れながら大声で叫ぶ。
「私は天然ボケの女王です!」
全員爆笑!
<第2問:カナデの誕生日>
カナデが穏やかに出題。
「私の誕生日は、秋の気配を感じる頃」
ミナトは少し考えて答える。
「11月20日!」
「残念、10月3日よ」
罰ゲームはカナデ提案で即興名言。
「ポテチが割れても、心は割れない!」
またしても大爆笑!
<第3問:ツバサの誕生日>
ツバサが挑戦的な表情で出題。
「夏の始まり、さていつでしょう?」
「6月30日!」
「違う!7月27日!」
罰ゲームはニワトリの鳴き真似。
「コケコッコーー!」
笑いが止まらない。
<第4問:ミコトの誕生日>
ミコトが元気に出題。
「新緑の季節だよ!」
「4月20日!」
「ブー!5月15日!」
罰ゲームは「ミコト先輩最高!」と3回叫ぶこと。
「ミコト先輩最高!ミコト先輩最高!ミコト先輩最高!」
笑い声が教室に響く。
——その翌日。放課後の教室でミナトが再び立ち上がる。
「みんな、昨日はありがとう。実はもう一度挑戦したい!」
全員が驚く中、ミナトは真剣な表情で口を開く。
「サクラ、4月5日。カナデ、10月3日。ツバサ、7月27日。ミコト、5月15日!」
全員が驚いた顔で見つめる。
「間違えたけど、みんなと過ごした時間が楽しくて、自然と覚えてたんだ」
静かな感動が広がり、ツバサが照れ隠しのように言う。
「バカね…でも、ちょっと感動したわ」
サクラは笑顔で拍手し、ミコトは思わずミナトに抱きつく。
「やっぱりミナト先輩最高!」
そんな温かな空気の中、ミナトはみんなの笑顔を見つめ、心からの笑みを浮かべた。
翌日の放課後の教室。夕陽が窓から差し込む中、影が長く伸び、静寂が漂っていた。その空気を破るように、ミナトが立ち上がり、4つの小さな袋を仲間たちの前に無造作に置いた。
「みんな、昨日の誕生日クイズ、超楽しかったよな!……だから、記念にちょっとしたプレゼントを用意してみたんだ」
その言葉に、ツバサ、サクラ、カナデ、ミコトは一瞬動きを止め、互いに顔を見合わせた。軽い期待感の裏側で、なぜか教室の空気がわずかに張り詰めたように感じられる。
「中身、見てもいい?」
声を揃える4人。しかしその声には、どこか緊張感が混じっていた。
ミナトは無邪気な笑顔を浮かべながらも、ほんの一瞬だけ視線を鋭くした。
「もちろん、どうぞ!」
<ツバサへのプレゼント>
ツバサは袋に手を伸ばしたものの、指先がわずかに震えていた。袋の口を開ける瞬間、彼女の呼吸が一拍遅れる。袋の中から現れたのは、シンプルな猫のしおりと手書きのメッセージカードだった。
『君の冷静な視点が、誰かの心に優しく寄り添うように』
ツバサはしおりを手に取ると、一瞬だけ目を細めた。その視線はミナトへと向けられるが、言葉にはしない。内心、彼女は考えていた。
(……これ、まさかただの偶然じゃない。わかっていて選んだのか?)
「……バカ。でも、ありがとう」
冷静を装った声。しかし、隠された思考は静かに動いていた。
<サクラへのプレゼント>
サクラは笑顔で袋を開けようとしたが、指先をわずかに止め、ミナトの表情を一瞬だけ確認する。何かを探るような視線。袋の中には、ポテチ柄のミニノートとメモが入っていた。
『君の天然な言葉は、みんなの宝物だよ!』
サクラは表面上は大きく笑ってノートを抱きしめた。
「えー!ポテチ柄!?最高!これ、私の名言帳にするね!」
しかし、その笑顔の裏でふと考える。
(……この柄、私の趣味をどこまで知ってたんだろう?)
<カナデへのプレゼント>
カナデは静かに袋に手をかけた。彼女は慎重に袋の口を開け、中を覗き込む。その瞳の奥に、一瞬だけ鋭い光が走る。袋の中には落ち着いた色の手帳とメッセージカード。
『君の穏やかな観察力が、新しい発見を生むように』
カナデは微笑みながらも、心の中で分析を始めていた。
(……観察力?この言葉、意味深だわ。偶然にしては……妙ね)
「ありがとう、ミナト。これはきっと、たくさんのことを記録するのに役立つね」
微笑みの裏には、感情とは別の冷静な思考が働いていた。
<ミコトへのプレゼント>
ミコトは袋を手に取り、深呼吸をした。袋を開ける瞬間、教室の空気が一層静まり返る。中から現れたのは、カラフルなヘアピンと短いメッセージカード。
『君の笑顔がもっと輝くように』
ミコトはヘアピンを手に取り、微笑んだが、その瞳はわずかに揺れていた。
「先輩、これ……すっごくかわいいです!似合ってますか?」
しかし、心の中では別の声が響いていた。
(……この選び方、ただの偶然じゃない。先輩はどこまで気づいているんだろう?)
ーーーー
その後、ふとサクラが思い出したように声を上げた。
「そういえば、ミナトの誕生日っていつだったっけ?」
空気が再びピリリと引き締まる。その場の沈黙を破るように、ミコトが一歩前に出て、まっすぐミナトを見つめて答えた。
「9月10日です」
全員が驚いたが、ミナトは一瞬だけ目を細め、すぐに能天気な笑顔を浮かべた。
「おお、正解!なんで知ってるんだ?」
ミコトは微笑んで答えた。
「……先輩のこと、ずっと観察してたから」
その瞬間、静寂が教室を支配した。しかし、ミナトは気づかないふりをして笑い飛ばす。
「観察って、まるで俺が何かの実験台みたいだな!」
笑い声が教室に広がる。しかし、その笑顔の裏側には、観察者としてミコトが知っていても当然だなと言う思いが存在していた。




