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進級おめでとう会

春休みのある穏やかな午後、サクラがふと思いついたように言った。


サクラ:「ねえ、みんな!進級おめでとう会を開こうよ!」


ミナト:「いいね!でも、ただのおめでとう会じゃつまらないよね!」


ツバサ:「任せて!完璧なスケジュールを作るわ!」


カナデ(心の声):「おめでとう会でも、観察の価値は十分ね」


ミコト(心の声):「今回は私が仕掛ける番。でも、油断は禁物」



— 当日 —


場所は学校近くの公園。ツバサが作成した綿密なスケジュールに従って、会が始まる。


ツバサ:「最初は“真実とウソの二択”ゲームよ!どちらが本当かを見抜くの!」



< 第一ラウンド >


ミナト:「昨日、ポテチを10袋食べました。あと、UFOを見た気がします!」


サクラ:「UFOの方が本当っぽい!」


ツバサ:「そ、そんなわけないでしょ!」


ミナトの無邪気な発言で場は和むが、その和やかな空気の中、再び静寂が訪れる。



<第二ラウンド>


ツバサ:「次は“視線での心理戦”!相手の視線から本心を読み取って!」


ミコトとカナデが向かい合う。先ほどの緩んだ空気も一瞬で張りつめ、二人の間に見えない火花が散る。


ミコト(心の声):「さっきはミナト先輩に気を取られたけど、今度は違う。カナデ先輩、あなたの沈黙すらも観察対象。」


カナデ(心の声):「ミコトさん、あなたの成長は認める。でも、私はただ黙っているわけじゃない」


視線だけでお互いの心を探る緊張感。ツバサは進行役として声をかけるが、二人は微動だにしない。


ツバサ(心の声):「やばい、このままだとおめでとう会が心理戦選手権になっちゃう!」


ミナトが突然、ポテチの袋をパリッと開ける音で緊張が一瞬途切れる。しかし、ミコトとカナデはその隙を逃さず、互いにわずかな表情の変化を見逃さない。


ミコト:「今、ほんの少しだけ目が揺れましたね」


カナデ(微笑を浮かべながら):「それはあなたの観察による“期待”かもしれないわ」


ツバサ:「ちょ、ちょっと!おめでとう会だってば!」



<最終ラウンド>


ツバサ:「最後は“お互いの良いところを言うゲーム”!これでバランスを取るわ!」


ミコト(静かに):「カナデ先輩の冷静さと観察力は、私にとって常に刺激です」


カナデ(穏やかに):「ミコトさんの揺るがない意志と洞察力は、私の考えを深めてくれるわ」



<終幕>


ツバサ(深いため息をつきながら):「はぁ…おめでとう会なのに、ここまで緊張感あるなんて!」


ミナト:「でも、ポテチはおいしいね!」


サクラ:「友情って、やっぱり深いんだね!」


ミコトとカナデはお互いに微笑み、静かな余韻を共有する。


こうして、心理戦が再燃し、緊張感と心のつながりが交錯するおめでとう会は、忘れられない思い出となって幕を閉じた。



ーーーー

おめでとう会の夕方。


進級おめでとう会の後、日が傾きはじめるころ、みんなは食事に行くことにした。


ミナト:「ねえ、焼肉がいいな!お肉たくさん食べたい!」


サクラ:「でも、カフェも素敵!パフェが食べたい気分!」


ミナト:「焼肉!お肉の祭典!」


サクラ:「カフェ!パフェの楽園!」


二人は意見を譲らず、カオス状態に。


ツバサ(冷静に):「論理的に考えましょう。焼肉はお腹いっぱいになるけど、デザートは少ない。カフェはデザート豊富だけど、食事メニューが軽め。どちらも満足するため、まず焼肉、その後カフェでデザートにしましょう」


ミナト&サクラ:「おおおお!天才!」


カナデ(心の声):「さすがツバサさん」


ミコト(心の声):「完璧な論理展開ね」



<焼肉店に到着後>


ミナト:「カルビが最高!脂がジュワッと!」(カルビ盛り合わせ 3,000円)


サクラ:「でも、野菜も大事だよ!色とりどりの野菜のグリルがヘルシー!」(野菜プレート 1,200円)


ライス(5人分 @200円 = 1,000円)、ドリンク(@500円 × 5人 = 2,500円)も注文。


ツバサ:「合計は、カルビ3,000円、野菜1,200円、ライス1,000円、ドリンク2,500円で、合計7,700円ね」


ミナト(指を折りながら):「3,000と1,200で……えーっと、4,200?それに1,000足して……5,300?…いや、違う?」


サクラ:「7,000超えてるなら、四捨五入して8,000円でいいんじゃない?」


ツバサ(眉ピクッと動かしつつ):「四捨五入は必要ないの!正確に計算するの!」


ミナト:「じゃあ、1,500円ずつ払ったら余る?」


サクラ:「余った分でデザートもう一個頼める?」


ツバサ(目元がピクピクしはじめ、冷静さの限界に近づく):「違う!1,500円×5人=7,500円!足りないの!あと200円必要!」


カナデ(静かに微笑みながらミコトに小声で):「ツバサさん、まるで緊急事態の指揮官みたいね」


ミコト(真顔でメモを取りながら):「観察記録:ツバサ先輩、費用計算中にストレスレベル上昇。限界まであと少し。眉間にしわが定着しつつある」



<カフェにて>


サクラ:「私は特大パフェ!」(1,500円)


ミナト:「俺も同じく!」(1,500円)


ツバサ:「私はコーヒーで十分かな」(400円)


ミコト:「私は紅茶」(400円)


カナデ:「私は抹茶ラテをいただくわ」(500円)


ツバサ:「パフェ2つで3,000円、コーヒー400円、紅茶400円、抹茶ラテ500円。合計4,300円」


ミナト:「パフェ2つで3,000円…ってことは、4つ頼めば6,000円!?」


サクラ:「じゃあ、パフェの値段を半分にしたら安くなる?」


ツバサ(深呼吸しながら、冷静さギリギリ):「それは……無理!価格は固定されているの!」


カナデ(静かに):「ツバサさん、深呼吸をもう一回。酸素は大事よ」


ミコト(冷静なトーンで):「精神安定のために、計算結果を3回唱えるのも効果的かもしれません」


ツバサ:「いい!?4,300円 ÷ 5人 = 860円!これで終わり!」



<総費用の計算>


ツバサ:「焼肉1,540円+カフェ860円で、一人2,400円よ!」


ミナト:「おぉ、ポテチ16袋分!」(※ポテチは1袋150円)


ツバサ(静かに頭を抱える):「ポテチで計算しないでぇぇぇ!」


カナデ(微笑みながら):「価値観は人それぞれ。でも、ツバサさんの計算は正確無比よ」


ミコト(淡々と):「観察記録更新:ツバサ先輩、極度のストレス下でも論理的思考を維持。強靭な精神力を確認」


こうして、カオスと論理、そしてツバサの忍耐が試された費用計算の末、おめでとう会は笑いと共に幕を閉じた。


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