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勘違いと脳天気の極み

放課後、自室でゴロゴロとベッドに転がりながら、ミナトはスマホをいじっていた。


ミナト:「ふぅ〜、今日も平和だなぁ。宿題?それは未来の俺がきっと解決してくれるはず!」


そんな脳天気な独り言を呟いていると、スマホが突然ポーンと通知音を鳴らした。


『ミコト:突然すみません。ミナト先輩、少しお話ししたいことがあって…』


ミナト(心の声):「ん?ミコト?誰だっけ……後輩?おお、なんで俺の連絡先知ってるんだ?……まあ、いっか!」


疑問は浮かぶものの、脳天気さが勝り、気軽に返信するミナト。


ミナト:『やあ!話すって、宿題の答えなら僕も知りたい!』


ミコト:『いえ、先輩に直接お伝えしたいことがあるんです。今夜、屋上でお会いできますか?』



夜の屋上、冷たい風が吹き抜ける中、ミナトは満天の星空の下、ミコトと向かい合っていた。


ミコト:「ミナト先輩、実はお伝えしたいことがあります」


ミナト(内心):「おお、これはまさかの告白フラグ!?いやいや、でも…もしかして、ついに僕もラブコメの中心人物?」


ミナトは勝手に心のBGMを盛り上げ、脳天気な笑顔で応じる。


ミナト:「もしかして、僕に惚れちゃったとか?いや〜、そういうの意外と慣れてないんだよね!」


ミコト(無表情で):「……違います。あなたは“観察対象”なんです」


ミナト(内心):「おお、観察対象!これはもう僕がレア生物認定されたってことか!?ついに“絶滅危惧種”入り!」


ミナト:「やっぱり特別感は隠せないな~。で、何の観察?寝相?それとも夢の中でスペースダンスしてるとか?」


ミコト(冷静に):「あなたは“予測不能因子”としてデータ収集対象です。日常行動、思考パターン、非論理的反応などが注目されています」


ミナト:「え、僕の脳天気が研究対象になるなんて、未来ってすごいな!もしかして、僕の存在が新しい科学分野を生み出す…?」


ミコト(ため息混じりに):「……真剣に聞いてください」


ミナト:「了解!じゃあ真面目モード、発動!」(突然、変なポーズを決める)


ミコトは思わず口元がピクッと動く。堪えきれず、ほんの少しだけ笑みがこぼれる。


ミコト(小さく微笑んで):「……何ですか、そのポーズ」


ミナト:「おお!今、笑った!?ミコトの笑顔、レアだ!観察対象はこっちだね!」


ミコト(顔をそむけ、咳払いして平静を装う):「……話を戻します」


耐えきれず、ミナトはスマホを取り出し、ツバサにメッセージを送信。


『ツバサ、僕、なんか“観察対象”になったらしい!つまり、僕は未来のVIP?(笑)』


数分後——


バンッ! 屋上のドアが勢いよく開き、ツバサが怒りのオーラをまとって登場。


ツバサ:「ミナトッ!!!」


ミナト:「おお、来たのか!星の輝きに負けないオーラだね!」


ツバサ:「ふざけてる場合か!?観察対象って何なの!?ちゃんと説明しなさい!」


ミナト:「だから観察対象だって!僕が“予測不能因子”らしいんだよ!つまり、僕は未来の謎…いや、伝説!」


ツバサ:「その軽さが伝説になるわけないでしょう!」


ツバサはミコトに詰め寄る。


ツバサ:「ミコト、あなたも説明して!なんでこいつが観察対象なの?」


ミコト(混乱して頭を抱える):「……観察、対象、データ、論理……整理が……できない……!」


ミコトはその場にしゃがみ込み、目を泳がせながら空中に意味不明な図を描き始める。


ミナト:「おおっと、ついにシステムダウン?」


ツバサ(ミコトの姿を見てハッとする):「……ミコト?」


ツバサは深く息を吸い、一瞬目を閉じる。怒りが冷静さに変わっていく。


ツバサ(優しく声をかけながら):「大丈夫、ミコト。焦らなくていいわ。私も少し言いすぎたかもしれない…ごめんね」


ツバサはミコトの隣にしゃがみ、そっと肩に手を置いた。


ツバサ:「ミコト、あなたは十分頑張ってる。完璧じゃなくてもいいの。少しずつで大丈夫だから、一緒に整理しよう?」


ミコト(小さく頷いて、深呼吸):「……はい。ありがとうございます、ツバサ先輩」


ツバサはミコトの手を軽く握り、微笑んだ。


ツバサ:「私たちは一人じゃないから。困った時は頼っていいのよ」


ミコト(目に涙を浮かべながら少し笑う):「……なんだか、論理以上に心が軽くなりました」


ミナト(感動して):「おお、友情パワーだ!まるでドラマの名シーン!」


ツバサ(すかさず鋭い視線):「ミナトは黙って」


ミナト:「はい、静かに星を数えます!」


こうして、ツバサの励ましでミコトは再び平常心を取り戻し、二人の絆はより深まった。そして、それでも変わらず脳天気なミナトが、そっと場を和ませていた。



数日後——。


ミコトはひとり自室で、ミナトのデータを見つめていた。しかし、その視線は冷徹な分析者のものではなく、どこか柔らかさを帯びている。


ミコト(心の声):「(あの人は、なぜあんなに無邪気でいられるのか?何も考えていない?……違う。ただ、“考えすぎない”だけ)」


次の日、再びミナトと出会ったとき——。


ミナト:「お、ミコト!今日もデータ収集?それとも僕の新しい迷言コレクション?」


ミコト(ふっと笑いながら):「…迷言コレクション、案外悪くないかもしれませんね。」


ミナト:「おお、笑った!貴重な瞬間ゲット!」


ミコトは気づいた。ミナトの考え方は、無意味に見えても心を少しだけ軽くしてくれる力があることに。


ミコト:「先輩、私も少しだけ“考えすぎない”ことを試してみようと思います」


ミナト:「おお、それ最高!まずは深呼吸!……で、空を見上げて『雲って、パンケーキみたい』って言ってみて!」


ミコト(空を見上げて、少し照れながら):「……パンケーキ、ですか?」


ミナト:「そう!完璧!」


その瞬間、ミコトの中で何かがほどけた。冷静な仮面の裏で、心が少しだけ自由になった気がした。


こうして、ミコトはミナトの無邪気さに少しずつ影響され、笑うこと、考えすぎないことの価値を知っていくのだった。


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