カオスな買い物大作戦!
ミナトは相変わらず能天気な笑顔で、自室でゴロゴロ転がっていた。
「ふぅ〜、そろそろ買い物行かないとな…でも、出費は抑えたいし。うーん、未来の俺、節約術を教えてくれ!」
一方、ツバサは自室のデスクでノートを広げ、冷静な表情でペンを走らせていた。
(ミナトへの関心は一過性の知的好奇心、と仮定してきた。しかし、なぜ些細な出来事まで記録してしまうのか?)
理屈では解明できない感情の揺らぎ。その違和感は、心の隅で静かに膨らんでいった。
その日の夕方、寮のロビーで三人は偶然顔を合わせた。
サクラ:「あ!ミナト、どこ行くの?」
ミナト:「買い物!でも節約意識高めモード中!」
ツバサ:「節約なら、購買リストの作成と予算管理が最適解だ」
ミナト:「おお、さすがツバサ!…でも、僕の“お得感センサー”も捨てがたい!」
ツバサの胸の奥で何かが微かに弾けた。
(またその無意味な冗談…何故、こんなにも心がざわつく?)
ツバサは無意識に声を荒げた。
「いい加減、少しは真剣になれないの!?無計画で、根拠もない直感ばかりで、どうしてそれで平気でいられるの!」
ミナトとサクラは一瞬驚いた表情で立ち止まる。静寂が広がる中、ツバサ自身も自分の言葉に戸惑っていた。
(どうしてこんなことを…?感情的になるなんて、私らしくないのに)
ミナトはふっと優しく笑って答えた。
「だって、計画通りじゃ面白くないでしょ?失敗したって、それが僕のストーリーになるから」
その言葉がツバサの心に静かに響いた。論理では説明できない感情が、否応なく揺れ動いていることを認めざるを得なかった。
サクラが軽く肩を叩いて微笑む。
「ツバサ、たまには真面目じゃなくてもいいんだよ。私たち、友達なんだから!」
ツバサは小さくため息をつき、目を閉じた。
「……理解はできない。でも、少しは慣れてみる努力はするわ」
三人の会話は再び穏やかなものへと戻っていった。しかし、ツバサの心の奥では確かな変化が芽生え始めていた。それは論理だけでは辿り着けない新しい感情の扉だった。
翌日の放課後、ミナトが突如として宣言する。
ミナト:「よし、今日は買い物だ!スマホとスマートリングで未来感バッチリ!残高は5万円。まさに無限の可能性!」
サクラ(満面の笑みで):「お買い物探検隊、出発〜!予算は冒険心でなんとかなる!」
ツバサ(冷静に):「冒険心は財務管理の代替にはならない。無駄遣いは後悔という形で即、請求書として返ってくる」
こうして、偶然出会った3人は近未来のショッピングモールへと足を運んだ。
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<スーパー>
ミナトは特売コーナーで目を輝かせる。
ミナト:「おお!“自己返事機能付きポテチ”発見!袋に話しかけると『おいしいよ!』って答えてくれる!ピッ!」(スマートリングで即購入)
ツバサ(眉をひそめて):「自己肯定感はスナック菓子に求めるものではない。自分で『おいしい』と言えば無料だ」
ミナト:「でも、ポテチから直接ほめられると、なんだか自己評価が上がるんだ!」
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<日用品エリア>
ミナト、温度調節機能付きのトイレットペーパーを発見。
ミナト:「うおー!“快適クール&ホット”トイレットペーパー!季節に合わせて温度が変わるらしい!ピッ!」(即購入)
ツバサ(冷静に):「そんな機能は過剰装備だ。通常のトイレットペーパーで十分。むしろ過剰な快適さが判断力を鈍らせた結果だろう」
サクラ:「冷たいのは夏にピッタリ!未来型おもてなしペーパーだね!」
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<ガジェットコーナー>
ミナト、AI搭載の“自己褒めミラー”を発見。
ミナト:「おお!鏡を見るたびに『今日もかっこいいね!』って言ってくれるなんて最高!ピッ!」(再びスマートリングで購入)
ツバサ(鋭く指摘):「その機能、友人に頼めば無料だ。ましてや、君はすでに自分で十分そう思っているだろう」
ミナト:「でも、たまにはテクノロジーにも認められたいんだ!」
サクラ:「未来の友達って感じでいいね!」
ツバサ:「ならば、鏡に『ありがとう』と書いておけば同じ効果が期待できる」
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<レジでの最終決戦>
3人はカゴいっぱいの買い物を抱えてセルフレジへ向かう。
ミナト(スマートリングをかざしながら):「ふふん、未来の支払いは指先で完了…ピッ!」
ツバサ(スマホの購入履歴を確認しながら):「残高、わずか1万円以下。君は今日、自己肯定感と温度調節付きペーパーに4万円近く費やしたことになる」
ミナト:「でも、楽しかったからオールオッケー!」
サクラ:「思い出はプライスレス!」
ツバサ(ため息をつきながらも微かに笑みを浮かべる):「プライスレスと言いながら、購入履歴はしっかり価格を記録している」
こうして、カオスな買い物大作戦は無事(?)に完了。
ミナトの大胆な無駄遣い、サクラの天然ボケ、そしてツバサの鋭いツッコミが織りなす日常は、未来感と笑いに満ちていたのだった。




