転校初日の洗礼
テクノロジーが著しく発展した近未来。人類はその恩恵を受け、争いも減り、平和な日常を送っている。そんな中、男子高校生・ミナトは、どこか浮世離れした脳天気な性格で日々を過ごしていた。成功も失敗も、彼の中では大して違いはなかった。ただ流れに身を任せ、周囲の呆れ顔にもまるで気づかない。
突然、時期外れの転校をすることに。理由は不明だが、両親はまるで宝くじに当たったかのように歓喜し、話を進めていった。普通なら不安や疑念にかられる場面。しかし、ミナトは「まぁ、なんとかなるだろう」といつもの脳天気ぶりで新しい学校へ向かう。
寮に引っ越してきた初日、ミナトの部屋のドアが突然の轟音とともに震えた。
ドガン!
ミナト:「あれ?隕石?いや、ピンポイントすぎる。」
ガチャ
サクラ(満面の笑み):「やあ!」
ミナト:「やあ、じゃないよ。ドア、無事?」
サクラ:「転んだだけ!」
ミナト:「転んでドア粉砕寸前って、新技?」
サクラ:「ギリギリセーフ!」
ミナト(ドアを確認):「いや、アウト寄りのセーフだな。」
サクラ:「で、君は?」
ミナト:「ミナト。君は?」
サクラ(突然ポーズ):「サクラ!趣味は…今考え中!」
ミナト:「趣味を考えるのが趣味?哲学的か!」
サクラ:「新しいこと大好き!」
ミナト:「新しいどころか未知の領域だよ。」
サクラ:「で、何しに?」
ミナト:「いや、それはこっちのセリフ!」
サクラ:「挨拶!」
ミナト:「ドアクラッシャー方式で?」
サクラ:「インパクト重視!」
ミナト:「インパクトどころか、ドアの命が削れてる!」
サクラ:「成功!」
ミナト:「成功の基準、低すぎ!」
<沈黙>
サクラ(ふと真顔で):「あ、実はここ間違えてた。君の部屋じゃなかった!」
ミナト:「いや、そっちのインパクトが強すぎ!」
<さらに沈黙>
サクラ(ポケットをごそごそ):「あ、ていうか私、自分の部屋の鍵持ってなかったんだった!」
ミナト:「どっちにしろアウト!むしろ最初からアウト!」
サクラ:「だから運命的な出会いってことで!」
ミナト:「いや、これただの偶然と迷子のコンボ!」
⸻
その瞬間、寮の管理人が登場。腕組みしながら怪訝な顔。
管理人:「ここで何してるんだ?」
サクラ:「ドアと仲良くなってるだけです!」
ミナト:「いや、全然仲良くなれてないから!」
管理人:「…で、自分の部屋はどこ?」
サクラ(キラリと目を輝かせ):「それなら心配ない!」
ミナト:「お、覚えてたのか?」
サクラ:「いいえ!嗅覚で探します!」
ミナト&管理人:「嗅覚!?」
サクラ(深呼吸して):「この空気…東風が吹いてる…私の部屋はこの先!」
ミナト:「いや、ここ室内!風なんか吹いてない!」
サクラ(走り出しながら):「直感が私を呼んでいる!」
サクラ、廊下を全力疾走。その先でまたドアに激突。
ドガンッ!
ミナト:「またか!」
管理人(ため息):「……ついて行こう」
3人でサクラの“嗅覚”に従い、寮内をぐるぐる。結果——
サクラ(得意げに):「ここだ!」
ミナト:「……最初のドアの隣じゃん!」
管理人:「まさかの近場!」
サクラ:「人生って、案外近くに答えがあるものよ!」
ミナト:「いや、それ迷子あるあるだから!」
こうして、ミナトとサクラ、そして巻き込まれた管理人の予測不能な日常が幕を開けた。
突拍子もない方法で混乱はさらに拡大し、オチは止まらない。しかし、それこそが彼らにとっての“普通”だった。