鳳仙花
こんにちは、御です。短編集の一話目です。
どろどろ?百合です。
是非考察してみてください。
それでは、どうぞ。
貴女の髪は、とてもとても美しかった。
それはもう、見とれてしまって、生活ができなくなるくらい。
貴女は、その髪のおかげで、学校では人気者だった。
毎日貴女の噂が絶えなかった。
「✕✕君と付き合ってる」「親が会社の社長」「〇〇君とデートしてる」
「男たらし」「ぶりっこ」「腹黒女」「傲慢」「泥棒猫」
その噂は日に日に過激になっていった。
やがて、貴女は過激ないじめを受けるようになった。
それでも私は、助けなかった。
助けたくなかった。
貴女の苦しむ顔が大好きだったから。
肌は白く、真っ黒で艶やかな髪とよく似合っていて、人形のようだった。
触れば鳳仙花の実のように弾けてしまいそうで。
貴女に近づきたかった。
だから、貴女を苦しめて、助けてあげたら。きっと仲良くなれると思っていた。
私は、放課後、貴女の机に書かれた罵詈雑言を必死に消している貴女を見かけた。
貴女に話しかけられるいい機会だと私は思った。
「こんにちは、縺ゅ>さん。」
そう、話しかけた。話しかけたつもりだった。
そうしたら、貴女が。
「触れないで、私に話しかけないで。お願い。」
って。私は、いじめっこたちだと勘違いしているのだと思った。
私は、貴女を安心させたくて、優しい声で話しかけて、
「大丈夫だよ、私は縺ゅ>さんの敵じゃないよ。」
そう言って、貴女の髪に触れた。
「私に触れないで!」
貴女は声を荒げて言った。パニックになっているのだろう。
貴女は私の手を振り払い、角でうずくまっている。
勘違いがひどいな。私はそう思った。
私は、話が通じなさそうな貴女を見て、今日は諦めることにした。
同じことを何回も何回も繰り返し、いつしか仲良くなっていた。
そんなある日、顔に大きな痣をつけた貴女が、こう言った。
「一緒に心中しようよ。」
私は、その言葉を、喜んで承諾した。
そして、花火がたくさん降ってくる夜、学校の屋上で、貴女の髪に映る花火の彩を眺めていた。
普段より一層、美しくなっていた。
そして、時間になった時。
貴女の髪は赤く染まった。
最期まで、貴女の髪は美しかった。
私は、貴女の髪が無くなった姿を見届けていた。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
858文字。短編って、なんなんでしょうね。
文字数は話によってかなり変動するので、このくらいが続くとは限りませんので、期待しないでください。
それでは、またどこかでお会いしましょう。




