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無名者の葬儀 ④

正午の鐘の音とともに、礼拝堂で奏でられた祭礼の最後の曲が響いた。


オースがエナの遺体を連れ帰ってから、既に三日が経っていた。


アンダル公爵は非常に迅速的な行動し、エナの遺体が戻ってからわずか三日後には葬儀の手配が整った。


政務を処理する時のように、何一つ滞ることなく、迅速かつ的確だった。


しかし、この二日間、オースはあの夜の光景からまだ完全に立ち直ることができなかった。


彼は礼拝堂の中央にある長椅子に座り、ぼんやりと祭壇に置かれた水晶の棺を見つめていた。


エナはついに、アンメーンから持ち帰ったウェディングドレスを身にまとった。


眠る彼女の顔には、かすかな微笑みが浮かび、まるで目覚めることのない美しい夢を見ているかのようだった。


葬儀が執り行われている礼拝堂に参列者は多くはなかった。


エナのことを常に気にかけていた数人の親戚と、彼女を日々献身的に世話していたメイドたちだけがそこにいた。


彼らは、エナの死によって大きな悲しみに包まれていた。


エナに最も親しいメイドのリンも、一人礼拝堂の片隅に身を隠し、影の中で手拭いを握りしめ、静かに涙を拭いていた。


礼拝堂にいる人々は、その重い悲しみに押しつぶされそうになっていた。


水晶の棺の中に静かに横たわるエナは、生前と変わらず、息をのむほど美しかった。


彼女はようやく、牢獄のような屋敷を出て、本来なら訪れることのない場所へとたどり着いた。


このウェディングドレスを身にまとい、本来なら最愛の人と結婚式を迎えるはずだった。


だが、その手に入ったばかりのドレスは、彼女の最後の死装束となってしまった。


オースの血の魔法による維持が失われたため、エナの頬はひどく青ざめていた。


まるで病床に伏していた頃のように、彼女の身体の状態に誰もが不安を抱くほどだった。


礼拝堂の天井から降り注ぐ温かな陽光が彼女の顔に優しく触れても、生命の気配を蘇らせることはできなかった。


しかし、彼女が最後にオースの耳元で囁いた言葉は、彼の心に深く刻まれた。


棺の中のエナと、棺の外の自分。


オースは胸の内に、心臓が引き裂かれるような痛みを感じ、何も考えられなかった。


彼女の胸前に置かれた、九十九羽の折り鶴が連なる飾り。


彼女は本当に努力していた。


その伝説が本当かどうかはわからなくても、彼女は決して疑わず、ひたむきに折り続けた。


母親が彼女に話してくれたことを信じ、決して振り返ることなく、進み続けた。


彼女は自分の後ろにある運命の洪流を振り払うことができないことを知っていたからだろう。


だが、奇跡をもたらすとされるその千羽鶴は、永遠に百羽目を迎えることがなかった。


「安らかに、エナ……」


両手を合わせて女神の加護を祈りながら、オースは心の中で死を司る女神に哀悼が届くことを願った。


彼女は、あまりにも多くのものを背負っていた。


「せめて、彼女は最期に、会いたかった人に会えたんだ……」


オースの隣に座るアンダルは顔を上げ、水晶の棺の中にいるエナを見つめながら、静かな声で語った。


彼の目には、オースが言葉にできない解放と安堵の感情が混ざっており、オースもその気持ちに共感せざるを得なかった。


「エナは、あの世界でアイナと再会するだろうな……私だけがここに残されてしまった……」


アンダルは、力なく頭を垂れ、長いため息をついた。


「アンダル公爵、エナはどうしてあんなに重い病にかかってしまったんですか? それも、奥様に関係が……」

「エナの体の中には、非常に恐ろしいものが隠されていた……君も知っているだろう?」


アンダルはオースの疑問に直接答えることはせず、周囲を少し見渡してから、低い声でこう問いかけた。


「バタリファのことか……」

「実は、その力は、エナやアイナの命を支える核であると同時に、彼女たちを殺した張本人でもあるんだ。」


アンダルの声が突然、異様に厳しくなった。


「私はアイナと愛し合って結婚したが、彼女の体の中にその恐ろしいものがあることも知っていた……私は彼女を愛し、その存在を守る責任も引き受けたんだ。」


どう言葉を続ければよいかわからないように、二人は再び沈黙の中に包まれた。


オースはその沈黙に耐えられなくなり、ようやく口を開いた。


「申し訳ありません、アンダル公爵……エナの体内にあった【バタリファ】が、他の誰かに奪われました。」

「……」


アンダルは驚きで目を見開いたが、次の瞬間には目を伏せた。


そのわずかな間に、オースは隣にいる男がさらに老け込んだように感じた。


彼の目尻には深いしわが刻まれ、乾いた肌が、彼の生気を引き裂いていた。


「結局、何一つ守ることができなかった……私は自分を過信していたんだな……」


アンダルは苦笑し、自嘲の言葉を口にした。


「……私は、バタリファを奪った者がそれを恐ろしい目的に使うのではないかと恐れています、アンダル公爵。」

「このバトンを……君に託すしかない、オース。」


アンダルは深いため息をつき、無力さを口にした。


「私はもう帝都を離れてバタリファを追う力はないし、私の能力ではそれを探すこともできない……」


オースはようやく、目の前の老人の姿がはっきりと見えた。


かつての強靭な意志と決意は、今や全く感じられなかった。


哀しみと痛みに押しつぶされそうな背中を持つ彼は、エナの棺を見上げることすらできなかった。


かつて軍を指揮していた時の彼には、決して見えなかった姿だった。


「君に頼めるか? オース。」


彼は慎重に尋ねた。それは彼の心に残る最後の勇気だった。


「私は政務では十分に成功してきたが、家族に関しては、全くの失敗だった……」


複雑な感情が入り交じり、アンダルの目は既に赤く腫れていた。


彼の声は震え、体も寒さに耐えるようにわずかに震えていた。


「君には、私の申し出を拒む権利がある。結局、あのものが見つかるかどうかは誰にもわからない。もし本当に失われたことが原因で滅びが訪れるなら、それは君と私への天罰に過ぎない……」

「……すべては私のせいだ、アンダル公爵。」


オースは、目の前の男がこれ以上落ち込むのを見ていられず、そっと彼の背中に手を当てた。


「本来、こんなことはあなたから頼まれることではありません。私はずっと迷っていました。あの者と再び向き合うべきかどうか……でも、それはエナのものであり、誰かが軽々しく扱えるものではありません。」

「そうか……オース、たとえグランデ帝国を離れ、今の地位を失うかもしれないとしても、君はそれをやり遂げるつもりか?」


アンダルの言葉の一つ一つが、まるで鋼の釘のようにオースの心に突き刺さった。


だが、たとえ多くのものを捨てることになっても――


「やります。いや、むしろ……」


オースの目には、アンダルを奮い立たせるような光が宿っていた。


「それしか選択肢がないのです。」


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