その明るい夜空の下に 15
ポン。
遠くの広場では、すでに祭り用の特製花火が打ち上げられ始めていた。
そして、その花火が夜空を照らし出した一瞬で、オースはようやく自分の剣と同じくらいの硬さを持つ武器の正体を見極めた。
それは、謎の男の手に凍り付いた幽玄な青い氷の錐だった。
しかし、その氷の錐から放たれているのは冷気ではなく、まるで炎のように燃え盛る暗色の魔力流だった。
ズッ。
オース自身も気付かぬうちに、謎の男の攻撃が彼に命中していた。
そして、胸に浅く刻まれた切り傷の下、シャツが切れたその場所から、出血が完全に止まらなくなっていた。
氷の錐の表面に残っていた魔力の流れが彼の傷口に留まり、その高速回復能力を大幅に削いでいた。
この気流は回復力を永久に抑えることはできないが、一時的に失われた回復力は、軽傷でもオースに痛みを感じさせるには十分だった。
自分の正体を見抜かれたごく短い時間の中で、謎の男はすでに自分に対処する方法を考えついていたのだ。
この事実に怒りを感じながらも、目の前の敵が想像以上に厄介な存在であることを認めざるを得なかった。
息つく暇も与えられず、次の瞬間、謎の男の姿は再び消えた。
しかし、さらに奇妙なことが起こった。遠くで打ち上げられている花火が、まるで絵画のように空中で静止したのだ。
周囲の全ての音、全ての光が、この瞬間「流れ」を止めた。
世界が完全に「固定」された——
その空間の劇変により、オースに対応する余裕はなかった。
次の瞬間、謎の男はオースが気を取られた隙に背後に現れた。
そして手に持っていた氷の錐は、空間に隠された間に鋭利な氷の刃へと変わっていた。
【く、振り向く時間がない!】
脳裏にその思考が浮かぶのと同時に、氷の刃がすでにオースの身体に触れていた。
ズー。
刃に残った血が飛び散り、オースの左上半身と右下半身が無情にも一筋の切り傷で繋がった。
普通の人間ならば、これで「死」に等しい状況だったが、謎の男はただ不満げに「ちっ」と舌打ちをしただけだった。
これは普通の人間にとっては致命傷だが、オースにとってはそうではなかった。
切り離された身体を繋ぎ止める何か不思議な力が働き、遅れて振り下ろされた血の刃が逆に謎の男の顔を傷つけた。
「本当に厄介な奴だな。」
その声には不機嫌さが漂っていたが、謎の男は軽やかに数歩後退した。
ここで、二人の間に再び距離が開かれた。
そして、謎の男はフードを取り、素顔を晒した。
オースが少し驚いたのは、優れた戦闘技術を持つ敵が、わずか十五、六歳の少年に見えたからだった。
オースの前に現れた謎の男は、銀灰色の短髪をしていたが、黒ずんだ目の周りが彼を元気のないように見せていた。
しかし、その疲れているかのように見える瞳からは、オースが強烈な圧迫感を感じるほどの脅威が放たれていた。
戦場でこれまでにもっと危険な場面を見てきたが、たった一人で彼に同等の脅威を感じさせる存在は、この若い男以外にいなかった。
「……確かにお前は速いが、一度でもミスを犯せば、それで終わりだ。」
魔力の流れの影響で、オースの身体をほぼ真っ二つにした切り傷は、無数の血の糸のようなものによって縫い合わされ、謎の男の回復を妨げる魔力の流れも消え去っていた。
「さて、お前にその実力があるかどうか、見せてもらおう。」
ほぼ静止した空間の中で、二人は再び対峙した。
まるで先ほどの戦いが、ただの準備運動に過ぎなかったかのように。
だが、その瞳を見つめていると、オースの内心に一つの疑念が浮かび上がった。
彼のすべての動きが、舞台の上で演じられているかのように華麗で精密だった。
そして、その舞台の中心にいる彼を操っている者は、一体誰なのだろうか?
【大事なおはなし!】
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