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純白幻想物語 吸血鬼の記憶の旅  作者: 水橋キレシ
第2章 隠された恋
34/92

エナの愛 17

【大事なおはなし!】



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初めての小説創作なんですけど、何卒よろしくお願いいたします!

 深夜。


 月光が柔らかに部屋に差し込み、すべてをぼんやりと包み込んでいた。


 テーブルの上の燭台にあった蝋燭はすでに消えていたが、月明かりだけでも十分に物を見ることができた。


 リズミアはすでにベッドでぐっすり眠っていたが、エリズは椅子を取り、窓際に座って外を見つめていた。


 そして、彼女の手にはベファレスからの手紙が握られていた。


 母がまだ生きているかもしれないという知らせを受けたとき、胸の中にあふれた感情は次第に収まり、彼女は少し迷い始めていた。


 イリル大陸はあまりにも広大だった。


 広すぎて、彼女はその全体像を心の中で測ることすらできなかった。


 グランド帝国の国境線の輪郭を想像するだけで、彼女が前に進む自信がぐらついてしまうほどだった。


 ベファレスは手紙の中で、母はフィワから来た者たちに連れ去られたと書いていたが、フィワへ通じる「門」を見つけるだけでもかなり厄介なことだった。


「……ねえ、エリズ。あの図書館に行ってみたら? イリル大陸のすべての資料が集まっている図書塔。」


 突然、彼女の頭の中に声が響いた。


 それは彼女の体に宿るもう一つの魂、エリファからだった。


 まるで突然現れた親友のように、エリファは陽気な口調でエリズに提案した。


 エリズはその言葉にハッとし、険しかった表情が徐々に和らいでいった。


「ありがとう、エリファ。それは確かに良い方法ね。」

「……」


 エリファは少し沈黙した。


「本当に、この少女と一緒にフィワに行くつもり? 今ならまだ引き返せるわよ。」

「あなたが私なら、私が何を考えているか分かっているはずでしょ、エリファ。」


 窓の外の夜空には、真っ赤な月が浮かんでいた。


「紅い月」が夜空を不安にさせる暗紅色に染め、不規則に雲の中に身を隠していた――それがイリル大陸の夜の常であった。


 彼女は遠くを見つめ、まるでその月の向こうの世界を見ているかのようだった。


 もしかしたら、母はあちらの世界で彼女を待っているかもしれない。


 そして、彼女はこれまでの無数の幻想を母に語り、すべてが幸せな結末へと向かうのだろう。


「あなたが想像しているほど、あの世界は美しくないわ。」


 エリファははっきりとした口調で言った。


 彼女の無知で天真爛漫な姿に対する哀れみすら感じられる言葉だった。


 しかし、エリズはただ微笑み、ベファレスからの手紙を見つめ続けた。


 しばらくの沈黙の後、彼女は静かに口を開いた。


「もし、あの世界で私が生きていけなかったら、あなたが私に代わって生きて。」

「何を言ってるのよ。」


 瞬間、エリファの声は冷たく凍りついた。


「何年もかけて私と和解したのに、未来を追い求めるために今あるすべてを捨てるって、その後始末を私に押し付けるつもりなの?」

「今すぐにでも、あなたを代わりにできるわ。」


 次の瞬間、エリズの心臓はまるで誰かに強く握りしめられたかのように激しい痛みに襲われ、彼女は一瞬気を失いそうになった。


 しかし、その痛みは一瞬で消え、彼女は冷や汗をかきながら、大きく息を吸い込んでいた。


「わ、わかったわよ、エリファ。あなたの力は分かってるけど、そんなことされると本当に困るわ。」


 死の淵に立たされても、彼女の声には恐怖や慌てた様子はまるでなかった。


 焦った魂をなだめながら、彼女はようやく呼吸を整え、ぼやけていた視界が次第に戻ってきた。


「これで、頭はすっきりしたかしら? 正常な会話ができるようになった?」

「それにしても、これって昔からあなたがよく使っていた脅しの手段ね。慣れたとはいえ、もう一度あの死の淵に立たされると、さすがに身が引き締まるわ……最高の目覚ましよ。」


 その冗談のおかげで、二人の間の張り詰めた空気は少し和らいだ。


 エリズは笑いながら、独り言のように続けた。


「私がどうしたらいいかわからなくなるたびに、いつもあなたが教えてくれる。こんなことが続いたら、どんどんあなたに頼り切っちゃいそうね、エリファ。」

「……いつになったら、一人で決断できるのかしら。」


 彼女は首を振り、その問いには答えなかった。


「……まだ知らないわよ。とにかく、これはあなたが決めたこと。後始末なんてしないからね。以上。」


 エリファは少し拗ねたように警告すると、彼女はもう自分の中にその魂の存在を感じなくなった。


 おそらく、エリファは再び彼女の内面の深奥へと引っ込み、自分の人格が身体に影響を与えないようにしているのだろう。


 それが彼女の性格に合っていた。彼女はいつも現れては消える存在だった。


「私の意志はまだ十分に固まっていない……少なくとも今は。」


 彼女はため息をつき、ベッドに身を横たえた。


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