6 おほしさま
「おかあさん、さむいなぁ、っておもっていたら、ゆきがふってるよ……」
「あら、ほんとにね! 」
「サンタさん、くるかなぁ……」
「そうちゃんはおりこうさんだから、きっと、くるんじゃないの? 」
おかあさんは、わらいながらいった。
「サンタさん、くるといいなぁ……」
そのとき、おかあさんのでんわがなった。
「……はい、そうですが……。はい、わかりました。すぐに、うかがいます」
「おかあさん、どうしたの?……」
おかあさんは、こわい目をしていた。
「そうちゃん、おるすばん、できるかなぁ。おかあさん、ちょっと、出かけなければならなくなったから……」
「うん。できるよ。一年生だもん、だいじょぶだよ」
「じゃ、出かけてくるね……」
きょうは、クリスマスなのに、大人っていそがしいんだな……そんなことをおもいながら、そうたはクリスマスツリーのピカピカするひかりを見つめていた。
ゆうがたになってから、おかあさんはかえってきた。なんだか、とってもつかれているように見える。なにか、あったのかな……?
「そうちゃん、あのね……」
「うん……」
「……じいじがね……じいじが、しんだの。じいじが、おほしさまになっちゃった……」
「えっ……そんなの、いやだ! いやだよ! ぼく、まだ、じいじとあそびたかった……」
「そうちゃんが、じいじとあそんでくれたから、じいじ、いっつもうれしそうにしていたんだよ……そうちゃん、ありがとうね、じいじといっぱいあそんでくれて……」
おかあさんとぼくは、さむいおそとに出て、いっしょにそらをながめた……。