2食目 H寿司の北海道味噌バターコーンラーメン
本日2話目です
「腹減ったなぁ、ヤス。ラーメンでも行くかぁ?」
「兄ィ、ラーメン好きだよねぇ。ここんとこラーメンばっかじゃないスカ。たまにぁ寿司とか行きましょうよ」
「寿司?寿司かぁ行くのは構わんけど廻るトコだぞ」
「ヤッタァ!もちろん回転寿司上等っスヨ、オレパフェ食べるンダぁ」
おいおい、寿司じゃねえのかよ。
今日も地球神ちゃんからの依頼で運命の綻び修復の外注仕事。
今回はちょっと手が足りなそうなんで末弟子神のヤス、アバター名ヤスタカを呼び出した。まだB級に上がれないノービス級だけれど曲がりなりにもオヤジさんのパワハラ的しごきについてこれたんだ、短期間だけど。
56億7千万年後位にはモノになっているだろう。
近場の寿司屋で空いている席を探索する。
一番早く席確保できる店に電子予約をかける。
神通力の濫用だが因果律を乱さない範囲なら大概のコトはオッケーだ。
最近は空席状況も電子管理だからハッキングも楽だ。昔は一軒一軒店内の状況を念視で覗いて空き状況を…って、老害しぐさはこれぐらいにしておこう。
そうはいっても最近の回転寿司は回らないのね、どっかの悪神がやらかしたんだろうけどそこそこ文明的な世界にも関わらず伝染病なんて流行っちゃったからねえ。
おお、この店のタッチパネル反応早い。
初期の頃の某pad流用システム反応の悪さと言ったら…やベェ老害しぐさだ。
「マグロ✕2」ヤス、お前もブレんなぁ
じゃぼくもマグロから、上品に3品盛り合わせだから。あまり変わらん?寿司チェーンでまずコハダからって訳にも行くめいよ。
お、鯖の押し寿司あるやん、貰おうか。
「ん?ヤス、お前中トロ好きだったんじゃなかったか?」
「え?いただきますよ、先に基本ネタで腹膨らましてから…炙りエビマヨいただきます」
ふっ、うい奴め。
ポテトフライなんぞも頼んでいるが見逃してやろう。
それにしても人間界の景気の悪さを反映しているのか。ネタもシャリも極小サイズだなぁ。
ちょっと前にちょんまげ結った侍がうろちょろしてた辺りの屋台で食べた女郎寿司なんてもんじゃないぞ。あれはネタは大振りだったしな。酒のつまみには丁度よかったんだ。
普通の寿司サイズじゃ二~三貫食べれば腹いっぱいになっちゃったからなぁ。
しかも握ってないよなぁ。これ酢飯の刺し身乗せなんだが…とか言うと老害扱いされそうだからやめておこう。
ヤスが喜んでるからいいのだ。
旬のネタを二~三貫頂いたがどうもいけない、無粋だが以前小樽の寿司屋で頂いた寿司と比べてしまう。
あの時を超える焼きハラスについぞ出会っていないのだよ、くそぅ神通力濫用しちまうか?
あと職人が変な仕事してない屋台のホヤ刺しと熱燗が欲しい。
東北方面で仕事ないかな、こないだの地震でちょっと島がズレちゃった時は地球神ちゃんが直接対応しちゃったからお呼びがかからなかったんだよね。
まぁいい。
小樽の寿司屋を思い出す前から気になっていたメニューがあるのだ。
北海道味噌バターコーンラーメン。
タッチパネルを押すぼくにヤスが面白そうに話しかけた。
「兄ィも寿司屋でラーメンですかい?」
そういうヤスも大トロとパフェとプリンを注文した。
JCやらJKもデーザート目当てに寿司チェーンでパーリィするらしいし。
まぁヤスは酒飲まないしな、甘いもん食い過ぎて糖尿になるなよ?(神だからすぐ直るけどな、ハズいし)
味噌バタコーン
ラーメンのいや味噌ラーメン好きには特別な響きを持つこの組合わせに心躍らぬ者はいないのではないかね?
しかも北海道で味噌でバターでコーンなんだぜ?
ラーメン界のカレーライスと言っていいぐらい外さない組み合わせだ。
以前仕事で立ち寄った某サービスエリアで「全員同じメニューにした方が時間のロスが少ない、ハズレの無いカレーで統一しては如何?」などとと同道の仕事仲間達に余分な提案をしハズさないはずのカレーで大ハズシしてしまってその場を沈黙に陥れたのは別の話だ。
まぁいい。
レーンに乗ってとっとこやってきたのは黒い小ぶりなプラ丼。半透明な蓋の上のくぼみにこれまた黒のレンゲが嵌っている。蟹の味噌汁と同じ器だな?こりゃあ。
転び防止の為か台形の台座にのった丼を台座ごと受け取る。
“熱いのでご注意ください”の表示が丁寧だ。
半透明の蓋を開けると。
おお…。
味噌スープにバターとコーンはあたりまえとして小ぶりながらも一丁前にチャーシューがのっていやぁがる。
そして白髪ねぎに煮卵ハーフ。トロトロまではいかないがちゃんと半熟だ。
思ったより頑張っている印象。
ではスープの具合と麺を観察。
レンゲでひと救いした茶色の濁りスープは薄っすらと油膜を纏い色合いからは
うん、N清R王味噌かな?
勘違いしてはいけない。ここは寿司屋なのだ。
単純にR王味噌に500円超えの値がついていると思ってはいけない。
一食100円もしない袋Cメラを某バーのマスターに作って貰えば380円になるのが世界なのだ。むしろ時給的には赤字じゃないかとも思う、経済というものはそういうものだ。
それにR王を甘く見てはいけない、R王に限らず生めんタイプは全てと言っていい程に旨い。冷凍タイプもだ。
次は麺だ、麺はごく一般的な中華麺、黄色みが強いが普通の中華麺。
うん、ごく普通の中華中太麺に見える。特筆するところはない(おい)。
では実食。スープを一口。
「ほう」…思わず声が出る。
なるほど、Kらーめんか。
関東以北でそこそこ名の知れたチェーン店の味噌に近い。
あそこまで荒々しくもないが味噌と油のバランスから思い出されるのはKだ。
たしかあそこも売りは味噌だったな。
なかなかやるね?
では麺と行こうじゃないか、一口すする。
うーん。店員忙しかったかな?茹でが甘い、固めな仕上がりだ。
でもそれを差し引いても。
普通に旨い。
普通に旨いというのは大事なことなのだ。しかもだ、繰り返しになるがここは寿司屋なのだよ?
なるほどなぁ。
まぁ 濃厚味噌だから具の味云々は無粋かな、ただコーンだけは…生で食えるほどのモノを入れろとは言わないがもう少しこう…なんというか。甘みと柔らかさを感じさせるものであればよかったかなぁと思う。
あと温度ね、ちょっと加熱足りないかも。
これ、多分仕入れとか厨房のオペレーションの問題であってレシピとか忠実に作ったら普通のラーメンチェーンとどっこいぐらいにはいくんじゃなかろうか?
サイズは半ラーメンくらいだけど寿司の締めで500円弱なら十分ありだよね。
そうこうしているうちに完食。
濃厚味噌スープの味を最後まで確かめつつ、予想を上回る満足感を得ながら箸を置く。
ヤスもプリンとパフェを食べ終わって満足そうだ。
あがりで口を整えて、さて腹ごなしに午後の仕事と参りますか。
2:00に3話目公開します。




