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1話 始まりの村

本気で小説取り組みたいけど初心者なので文の書き方など「ここはこうした方がもっと良くなる」などありましたらコメントしていただけると幸いです。

 『魔法』それは誰もが使える不思議な力であり、火を使い、水を操り、風をおこす。使い方も多種多様で、日常には欠かせない便利な力になっていくのは必然である。


 しかし、便利な力であるが故に『戦争』にも使われてきた。

 昔から、とくに『人間と魔族』の間には埋められない溝があり。ある時代では他種族を巻き込むほど過激になった最悪の時代があった。


 その時代では、赤ん坊は飢え。老人は病気を患い。大人は戦争に駆り出される。戦争は延々と続いていき、全ての者が絶望するのもやめていたある日。それは突然に終わりを迎えた。


 驚くことに、戦争を終結させたのは、たった1人の魔法使いだったという。

 その魔法使いはそれだけでは終わらず、飢えを無くすため地を耕し、病を治すポーションを作り、秩序を作り上げた。


 それを聞いた全ての者はその魔法使いを【伝説の魔法使い】と称えたという。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 時は流れ、最悪の時代から519年が経過した現在。伝説の魔法使いが戦争を止めた地として知られている村があった。


 それは現在の人間界と魔界の境界線に位置する村【始まりの村(トレモア)】人口130人、人間と魔族が共存している数少ない村。


 そんな村に目をキラキラさせた少年と、そんな少年の話をじっと聞いてる少女が買い物から帰宅していた。 


 「はあ~伝説級の魔導士(レジャード)か~、なりてえな~」

 目を輝かせながら話す少年に不思議そうな顔をして少女が口を開いた。



 「レジャード?」


 

 その様子を見た少年はドヤ顔で説明をし始めた。

 「なんだよ、知らねえのか?レジャードっていうのは『あなたは伝説の魔法使いと同等の力を持ってますよ』っていう証なんだぜ!」



 「そんなにすごいの?」



 少女の質問に少年は少しムッとして応えた。

 「当たり前だろ!全種族のうちたったの3人しか居ないんだぜ?」



 「ふーん、少ないんだ」



 「そう!だからさ!俺らも魔法いっぱい勉強して2人でレジャードなろうな!」



 「うーん、私には自信ないや。アイクだけでも…」

 少女は自信無さげに呟いたが、言葉をさえぎるように少年(アイク)が口を開いた。



 「何言ってんだよアリス!兄妹でレジャードになったら、絶対歴史に名を残せるって!」



 「…うーん。」



 「俺らはまだ9歳だから魔法発現まであと3年かかるけどさー、きっととんでもない力秘めてると思うんだよなー!」

 また目を輝かせながら話す少年(アイク)を見て少女(アリス)は微笑んだ。



 「そうだったら良いね」



 「は~、楽しみだな~!」



 そんな話をしながら、あっという間に家に帰り着いた2人、ドアを握ると不穏な空気を感じ取った。そっとドアを開け、2人の目に映ったのはうつぶせに倒れ、床を赤い液体で染めている2人の男女だった。

 


 「お父さん!お母さん!」

 アイクが真っ先に飛び込んでいった。

 


 アリスは体を塞ぎ込み、震えていた。



 アイクが何度も何度も何度も呼びかけるが返事はもちろん、体は冷たくなる一方だった。


 

 パニックで何もできなくなっていた2人。すると外からこちらに向かってくる足音が聞こえた。と同時にダンッ!と勢いよくドアを開けたその者は、恐ろしく鋭い角が生えており、捕らえた獲物を逃がさないであろう爪をもった汗だくの魔族だった。

 「どうした!?」



 2人は大きな音にビクッとして驚いたが、その見慣れた容姿をみて泣き始めた。

 「おじさん…。ひっく…。お父…さんが。お母さん…が。」

 アリスが体を震えさせながらその魔族に一生懸命状況を説明していた。



 「なんてことだ…。お前ら一旦家に来い、ここは魔導士たちに任せよう」

 そう言った魔族は二人を抱え、魔族の家に向かった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 空気が重かった。トレモアは人間界と魔界の間に位置する村のため、村同士での喧嘩などは頻繁にあったが命までは奪われる事は滅多になかった。



 重たい空気の中口を開いたのはおじさんだった

 「あー、落ち着いたか?とりあえずお前たちは親戚、んー、つまりお爺さんお婆さんの所にそれぞれ預ける事になったから、迎えが来るまでは家でゆっくりしてけ。」


 

 おじさんの気遣いも虚しく。2人は何の反応も見せず、ただただ下を向いていた。おじさんが「こりゃ参ったな」と言わんばかりに頭を搔いていた時。


 「それぞれ?」

 何かに気づいたアリスが口を開いた。


 

 今度は「あちゃー」といった表情をし、アリスと視線を合わせるため少し屈んで応えた。

 「いいか?アリスちゃんの両親は人間と魔族なんだ。父ちゃんが人間で母ちゃんが魔族な? 俺らの村では大差は無いが、おじさんや母ちゃん、アリスちゃんみたいに角や翼が生えているのは人間界では少しばかり怖がられるんだ。」


 

 そう言うとアリスはアイクの方を見つめた。それを確認したおじさんは続けて応えた。

 「そう、アイクは人間…。つまり父ちゃんの血を濃く継いでいるから角や爪、翼は生えてこないんだよ。」



 アリスは少し考えた後に質問した。

 「…えっと。…それじゃあ、魔族側にアイクも行くのはダメなの?」



 「それができたら良いんだけどなぁ。逆に魔界では人間は嫌われてるんだ。」

 と言いづらそうに応えてくれた。



 その後2人は色々話したが兄妹で一緒に居られる方法を見つけれることは無かった。



 そして1か月後、アイクは父の実家、アリスは母の実家で暮らすことになった。

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