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バーチャルダイバー

今回は滋賀ヒロアキ氏と二人で同じ舞台設定でそれぞれ書いてみよう(滋賀ヒロアキ氏がいつ投稿するのかは不明)という二人の合作的な小説になります

気に入って頂けましたらぜひ滋賀ヒロアキ氏の作品も見て頂けると嬉しいです!

―『逃げろ!』『どうしてなんだよ、俺が何したって言うんだ!』『お母さん!どこ!!』『ゴォォォ!』


泣き声に喚き声に叫び声、そして人の3倍はあろうかという元々俺の仲間であった獣の雄叫び

地獄としか思えないような場所の中心に俺は立っていた


―その時、聞き慣れた少し高く鈴がなるような声がふと耳に入る


「とにかくヤバいぜ、早く逃げないと''御剣(ミツルギ)''」


御剣、そう彼女が呼ぶとそれに応えて俺も返事をして走り出す



―どれだけ走っただろう、こんなに走ったのは高校のマラソン大会か、小学生時代の遠くの水族館へ行った帰りに電車で居眠りして乗り過ごし、帰りの乗車賃が無くなってスマホも持ってなくて、周囲に公衆電話もないから歩いて家まで帰った時くらいだ(結局家までは辿り着けず、交番に飛び込んで助けて貰った)


我ながらろくな人生を歩んでいないなと思ったところで、獣の叫び声も聞こえなくなり無我夢中で走っていた為気が付かなかったが暗い森の中に居た


「はぁはぁ、疲れたぁ

少し休もうか」


一段落した所で紹介しよう彼女は田島(たじま)、俺の唯一の親友であり小学生にしか見えない童顔に、千田原タイガース(地元にいる弱小野球チーム、弱小とか言う度に田島は怒る)

の野球帽を被り、クラスで3番目ぐらいに可愛いくらいの切れ長の目に二重にスッキリとした鼻口をした端正な顔立ちをしていて、長い茶色の髪をおさげにした男勝りな性格の女友達だ



(常々思うがあのおさげは男らしい性格をカバーして女性らしく見せようとしているのだろうか、いや男勝りな本人が気にしている数少ないポイントのまたひとつかもしれないから触れないでおくか)


「なに?さっきからジロジロ見て

私に惚れたのか?」


「なんでさ」


あまりに唐突に不思議な事を言うものだから某魔術師ゲームの主人公のような返答をしてしまった


―さて、話を戻そう


「俺たちって本当にゲームの世界に来たんだよな」


田島が少し考えるような素振りを見せながら返事する


「その筈だよ

私たちは抽選1名の精神をAIを搭載したゲーム内に取り込んで遊べるゲームの試遊会に呼ばれて、そして今こうしてゲーム内で獣に追われていた」


田島に聞いてもどうにもならないのは分かっているが確かめずにはいられなくてつい口に出す


「俺達が入ったのは魔獣を育てて戦わせるほのぼの育成ゲームのはずだよな

なんで俺たちは襲われているんだ?

魔獣たちは温厚で1人1匹ずつ与えられて従順に成長していくはずじゃなかったのかよ!」


俺は思いの丈を撒き散らして少し冷静になる

少し考え込んだ後田島が話し出す


「AIが搭載されてるってところが少し怖かったんだけど、もしかしたらバグという名のAIの暴走が始まっているのかもね

あるとしたらそれしか考えられない」


妙に自信を持った様子の田島を少し不思議に感じたが、それを口に出さずに

納得した

と頷く


「さて御剣よ、ここからどうしようか?」


そんなこと俺に聞かないで欲しい、聞きたいのはこっちの方だ

しかし、こちらが話を聞いてばかりなのもフェアではない気がしたのでなにか提案しようと考えた


…そうだ!


「とりあえず町か人がいる場所を探してみないか?

この世界の設定がそこまで改変されていなければきっと、魔獣を鍛えるための施設とかなにかがある場所があるはずだ」


田島が間髪入れず答える


「その他の町も魔獣の暴走によって壊滅してたとしたら?」


そんな簡単な事にも切羽詰まっていて気付かなかった

しかし、ここは一か八か賭けてみるしかない

そう思った


「どうせこのままだと森で餓死かよくて自殺だろうよ

一か八か賭けてみよう」


田島がすぐに返事をする


「違いない」



―こうして俺達は初期装備である地図を頼りに最も近い町、''スーサイドシティ(自殺志願者たちの街)''に向かい始めた

読んで頂きありがとうございました

次回から本編が始まります!

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