月光
屋敷の夜の庭、静かに花を見つめるカーディガンの女は考え事か花をじっ、と見たあとはぁ、と息を吐き夜空を見上げた。
と、男が一人屋敷から現れ彼女に声をかけた。
「考え事?」
「まーね。」
にかり、と微笑みながら椅子に座り男も持ってきた2つのカフェ・オレを机に置き女の隣に座った。
「月が綺麗ですね。」
「告白のつもり?」
「いや?なんとなく」
「そう」
彼女はふふっと笑い湯気のたつカフェ・オレを口に運ぶ。
「てか、もう告白してるじゃん」
「そだったわ」
「忘れた?」
「まさか」
男は
狼は
月光に照らされて姿を現していた。
「優しいお前を忘れられるわけがない」
「私も一人だったもの」
ゆっくりと微笑み男に、狼に、キスをした。
「一緒にいられずにいられるわけないじゃない」
月光の下、夜の風が優しく吹いていた。
読んでいただきありがとうございました!
ほんとに短いですが少しでも安らぎになれば幸いです。