会いに行く
初作品です!
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「私に会いに来てほしいなぁ…。」
君は桜が散る頃に、病室でもしもの話をしながら静かに息を引き取った。
涙一つも流さずに、ただただ静かに安らかに眠りについた。
世界は残酷だ。
人に生を与えてはすぐにそれを奪い取る。
嗚呼、それでも世界が美しいと感じるのは君が生きていたからだろうか。
僕は深い眠りから目が覚めた。
この目に映ったのは白の空間で、耳にはなにも聞こえなかった。
なんにもないこの場所で僕が思ったことは一つだけだった。
「…君に会いたい。」
生まれたばかりの君に会いに行った。
赤ちゃんの君は小さな手で僕の指を握った。
ぷくぷくしてて、とても温かくて、君が生まれ変わったんだなって泣きそうになった。
一週間後の君に会いに行った。
君に角と歯が生えていた。魔族の君は成長が早いのだろうか。もし君がこれから先、怪物になったとしても、僕は君を守り続けるから、安心してね。
一年後の君に会いに行った。
紅の瞳に僕の顔が映り込む。
いつのまに翼が生えたのか、僕の周りを飛び回っている。
人差し指を僕に向けて、君が呪文を唱える。
呂律が回っていないのか、イマイチうまく魔法が発動していない。
純粋にはしゃぐ君を見て、嬉しくなった。
千年後の君に会いに行った。
君は魔王になっていた。
大きな力を持っていても、誰かのために使おうとしている君の姿は凛々しかった。
魔族の頂点というプレッシャーにくじけそうになる気の弱い姿は君に言えば怒られそうだけど、とても可愛かった。
オーロラと星が宙を包み込んだ夜、君がいい夢を見れるように誰にも気づかれないように魔法をかけた。
「××××。」
一万年後の君に会いに行った。
君はどこにもいなくて、君の玉座には別の誰かが座ってた。
青空広がる丘の上で君は眠っていた。
僕は君の名前が刻まれた石碑に花束を置いた。
一億年後の君は僕に会いに来てくれた。
僕は神で君は勇者で。魔王を倒したその後に黒幕がどったらーとかで僕を倒しに来た。
君が僕に攻撃する。抵抗なんてしないさ。
君の剣は僕の胸に突き刺さった。
君は何かを思い出したかのように酷く辛そうな顔をした。
君は涙を流しながら僕の方へやってきて、消えゆく体を抱きしめた。
意識が朦朧としている中、君の口が開いた。
「××××。」
君が呟いた言葉は聞こえなかった。
目を開けると始まりの街があった。
僕は迷わず駆け出した。
生まれ変わった人間の姿で君に会いに行った。桜吹雪に祝われて君に会いに行った。
出会ったあの場所に君はいた。
僕に気づいた君はこちらへ来て、はにかんだ。
「愛してる。」
君は僕にささやく。
僕は君に
「僕もだよ。」
そっと君に口付けた。
初めて出会ったあの日を探して君に会いに行った。
君といた時間がなによりも愛しかったので。
結んだ約束は確かな想いだったので。
ただ、今は。
この手のぬくもりを守っていきたい。