9.11-3
ほどなく首謀者はウサマであると断定された。
しかもアフガニスタンのタリバンがかくまって
いることが判明したのだ。
あのオマル教師率いる神学生イスラム原理集団
がほぼアフガン全土を支配している。ムシャラフ
は以前からタリバンを支援し続けててきた。
だが大統領となった今はすでにウサマとは
カルギル戦で決別し今は決断の時だ。
12月に入って5人の武装グループがインド国会
を襲撃した。数十名の死者が出てインドはこの
グループをイスラム過激派と断定しパキスタンと
インドの対立は一層激化した。両国合わせて数十
万人規模の軍隊が実効支配線付近に投入された。
ムシャラフは決断した。国際的な反テロ機運の
高まりの中でタリバンと決別することを。
しかしということはカシミールのイスラム武装
勢力とも手を切ることになる。そして自らがテロ
の標的になることを意味しているのだ。
アメリカはこれを歓迎した。パキスタンへの
経済制裁もこれを機に完全解除された。
そうしたある晩ムシャラフは不思議な夢を見た。
ナムストーンナムストーンと叫びながら空を
どんどん上昇していく夢だ。
宇宙からちっぽけなわが国土をじっと見下ろし
ている自分がいる。俺はいったい地上で何をして
いるんだろうと考えながら飛んでる自分がいる。
さらに上空に舞い上がって国境も何もわからない
青い地球がそこにはあった。かけがえのない地球
宇宙と同じ心を持つ宇宙、わが心生命とはいったい
何だ、生きてるって何だと思うとすさまじい感動が
背骨を突き抜けて湧き上がってきた。




