召喚
はじめての小説です。
誤字脱字等あるかと思いますが楽しんで頂けると嬉しいです。よろしくお願い致します。
全身が暖かい光に包まれ、ふよふよと宙に浮いているような不思議な感覚がどうにも心地よい。
あぁ、なんだか〝温泉〟につかっているみたいだなぁ。
どこか懐かしいぬくもりに身を委ねていると、ふいに何かに身体をぐっと掴まれ、訳がわからないまま眩い光に引き寄せられ思わず目を瞑る。
「……?」
そっと目を開けると、目の前には年端もいかない少女がひとり、無表情のまま私を見・下・ろ・し・て・い・る・。
艶やかな黒髪とアメジストのような紫色の瞳が美しい彼女は、背丈や顔つきを見るに小学校中学年くらいだろうか。
「成功です。お疲れ様でございます」
「ディアーヌ様、無事に儀式を終えられて公爵様もさぞお喜びになることでしょう」
「それにしても小さくお可愛らしい使い魔ですこと」
「やはり冬の使い魔なんだな」
目の前の少女は様々な感情を言葉の端々に滲ませた大人に囲まれ、相変わらずつまらなそうに私の前に立っている。
それにしても、私は何故少女に見下ろされて…!?
ハッとしてとにかく立ちあがろうと床に手を伸ばすと、自分の手が思う場所に無いことに気がつく。
正確には手を動かそうとした時、パサッと白いふわふわしたものが目の前に広がったのだ。
何が何だかわからず地面に目を向けると、明らかに人間のそれでは無い。
サァーッと頭の中が真っ白に冷えていくのを感じ、目の前の少女のまわりに目を向けると、自分が何かの祭壇のようなものの中心にいることに気付く。
円形のそこはぐるりと水に囲まれていた為、そっと水面に近づいて覗き込んでみる。
恐る恐る水面を覗きこみ自分の姿を確認するとそこには――
「ピッ!?!?!」
私は白くてふわふわした小さな鳥の姿だった。