ブナパルトマンVSサターン帝国・闇
第9章 ブナパルトマンVSサターン帝国・闇
永遠の影を復活させるべくEX部隊は4つの封印をとく場所の中心である場所を目指していた。
「痺れるぜ、この先に世界を牛耳る力が眠ってるのか」
「知らぬよ」
その後を追うブナパルトマン
「あいつら7人もいたら目立たないか?」
そんなしんぱいをよそに7人の怪人たちは目指す方向まで向かってた。
「どこで止めるかがポイントだな」
ブナパルトマンはそのまま、後を追い、襲撃できる場所とタイミングは見計らった。
とりあえずやつらの目的地、EXと呼ばれる存在であるものが封印された地
その場所で攻撃を仕掛けることに決めた。
やつらに後を付けていることがバレないよう慎重に足を進めた。
後を追っている中、街のはずれ。一般人が気づかないように進んでいることが分かった。
なので、結構遠回りしているらしい。
「なかなか辿り着かないな」
もしも魔王らと合流することとなった場合、あちらのことも気になるし、離れすぎると厄介だ。
「転送されたときに仕掛けたほうがよかったかな」
また小鳥遊家同様に被害がでては元も子もないからだ。
人気のない場所を進み、辿り着いた先、中心核のその封印されている場所に到着した。
そこについて驚いた。
殺風景で何もない場所であった。
てっきり祠か場所を示すものがあると思っていたからだ。
かつて小鳥遊家当地でもあったのか買収されたのか
伝承されていないのかわからないけれど、古文書の位置が正しければ、この場所で間違いないのだろう。
「おい、ここであっているのか?」
「そう記されているから間違いないと思う」
EX部隊のコブラアイスとマシロはもってきた書物と照らし合わせていた。
「しびれるぜ、それならこの辺り攻撃して眠りを解いてみてはどうだ」
「いーねっ!おれっちもいいと思うぜ」
サソリボルトとコウモリDJはノリノリでいうが「やめるメロロン」とカメレマスクメロンが制止していた。
「暇だ」「同じく」
特にすることのないクモガトリングとチーターダッシュは座り込んでしまった。
「本部にとりあえず報告しとくか?」
クモガトリングは立上り、本部へ移動しようとしていた。
「まずい一人が動き出そうとしている、今しかない!」
そう思うとブナパルトマンは7体の怪人に向かっていった。
「ブナパルトパンチ!!」
ブナパルトマンの攻撃は7体をすり抜け、刀とぶつかった。
「刀?」
「なんだ貴様は、それは俺のものだ」
そういうとコブラアイスは刀をしまった。
「この刀は俺と体を結ぶものだ。気安く触るな人間?」
生身で立ち向かっていたので、無謀ではあるブナパルトマン。
ここで態勢を立て直した。
「刀がなんか知らないけれど、これ以上の悪事は許さない、この俺がお前たちを倒してやる」
「倒す?何わけのわからないこと言っている、それに誰だ貴様は、悪事とはなんのことだ?」
「とぼけるな、関係のない人を襲っていることはわかっているんだ。容赦はしない」
ブナパルトマンは拳を握りしめ、変身アイテムであるブナパルトハンドの拳と拳を合わせ言い放った。
「ブナパルトチェンジ!!」
辺りは光だし、ブナパルトマンへと変身した。
「貴様、何者だ」
「俺はブナパルトマン、今度こそ、いや絶対にお前たちを倒してみせる」
そういうと他の7体もイレギュラーな存在に警戒し、戦闘態勢に構えた。
一方連絡が来たぎゃわれとポル、フラグたん一行は。
自室で寝ていた。
「フフフ、なにこれポル」
「かわいい女の子がいっぱいだ」
「もう食べられないよ、ふふふ」
先ほどのブナパルトマンからのメールは見ることはなく、通知だけがスマホのホーム画面に映し出されていた。
3人の昼寝はまだまだ続く。
ブナパルトマンは7体相手に苦戦を強いられていた。
「俺たち7体に対してお前は1人だ、無謀にもほどがある」
攻撃を仕掛けた後返り討ちにあったようで、ボロボロの姿をしている。
「まあ俺もどうかしてるしか思えないけど、今ここでお前らを止めないと後悔する、小鳥遊家の時のようなことにはさせたくない」
ブナパルトマンは、間に合えなかった小鳥遊家の現場を連想し、また拳を握りしめていた。
「小鳥遊?なぜおまえがそれを知っている」
「俺もあの現場に駆けつけたからだ」
「そうか、確かに小鳥遊家には申し訳ないが、俺たちの野望を果たすため、邪魔なものは排除する、もちろん貴様も邪魔なものの1つだ」
すこし馬鹿にしたように指をさすコブラアイス。
「だろうな、なあ手っ取り早い方法でいこうか」
「面白い、受けて立とうじゃないか」
「いくぞ」
ブナパルトマンは拳を強く握りしめ、コブラアイスとサソリボルトに向かって攻撃を放った。
「ブナパルトパンチ!」
「おお!しびれるな、だが無意味だ」
そういうとコブラアイスがブナパルトマンの足元を凍らせていた。
サソリボルトは自らの体内に宿している雷エネルギーを放出し、迫ってくるブナパルトマンに直撃した。
「ぐあああああああああ」
直撃したブナパルトマンは地面にたたきつけられ足元の氷は割れていた。
「いってええ、っく、なんだこの雷は」
「痺れるだろう、俺様の雷だ、しかも」
グサッとサソリボルトのシッポがブナパルトマンの体を突き刺した。
「俺の毒だ、それに刺された奴は、どうあがいてもお前死ぬ、それが定めだ」
「我々を敵に回したことを憐れむがいいだろうな」
突き刺された毒はブナパルトマンの体内を瞬く間に駆け巡った。
「ぬあああああああああっ、あっ、あっ」
ブナパルトマンは自身の死を感じサソリボルトの脅威に恐怖を感じた。
こいつら並大抵の怪人とは違う、特別な強さを感じた。
「ブナパルト鉱石、俺に戦う力を...」
だが、ブナパルトマンはそのまま倒れこみ、気絶した。
それをマシロは確認した。
「運の悪い男だ、でもこれで」
「ああ、計画を遂行だ」
「しびれるぜ、さすがが俺の雷と毒だな」
「調子に乗るな」
コブラアイスはサソリボルトはデコピンをした。
「イーヨッ!じゃあ永遠の影を見るっちゃ!」
「俺は本部に連絡しに行くぜ」
クモガトリングは移動の準備をしだした。
「そうだな、俺らは周辺を調査だメロロロン」
「相変わらず変な語尾」
「うるさいメロロロン」
ここにいる7体は永遠の影を復活させるべく、デビルズキラーが結成されたメンバー
通称EX部隊、ブナパルトマンはそう呼ぼうとしている。
永遠の影、すなわちエターナルシャドウ、ETERNAL SHADOW、略してEXというわけである。
倒れているさなかそんなことを考えていた。
現在、この場にいるのは
氷の使い手コブラアイス、雷と毒の使い手サソリボルト、硬い石マシロ
クモとガトリング、クモガトリング、DJなコウモリDJ、変な語尾カメレマスクメロン
早く走るチータダッシュである。
意識がもうろうとして、気絶しては起き上がり、身動きの取れない今。
ブナパルトマンは死を待つしかなかった。
「このままじゃ、また誰も救えないやつで終わってしまう」
自分の愚かさと力のなさに絶望し、ゆっくりとブナパルト鉱石の一部を握っていたが、それも地面に転がって、光を失っていった。
それはまるで、希望をなくしてしまった、そう感じられた。
「ここまで、か」
体に駆け巡る雷と毒は、どんどん体を破壊し続けていた。
EX部隊は各々作業準備に取り掛かっており、ブナパルトマンなんて気にも留めていなかった。
それもそのはず、イレギュラーではあるものの、すでにやられた存在。
優先すべきはデビルズキラーから頼まれた依頼なのだから。
「ここに永遠の影が眠っているのだな」
コブラアイスは地面を触りだした。
「やはり、4点の箇所で封印を壊さないと、起動しなさそうメロロロン」
「それなら4つに分かれて行動するしかないYO」
「それじゃあ、各々担当箇所に分かれるか」
どうやら本体の眠る場所から封印が施されている4点の箇所を破壊し、永遠の影を復活させようとしている。
本格的にバラバラで行動され、永遠の影を復活させては、今よりもっとひどい状況になってしまう。
「このままでは」
何もできない、そう悟ったブナパルトマンは、自身の情けなさを悔やみ、絶望し、その悔しさからか涙を流した。
「すまない、みんな」
体全体に広まる毒は、もう死の直前まで来ていた。
「何?泣いてるんですか?」
「うわ、ひどい有様ポルね」
「我らがいないと、貴様はダメダメだな」
聞き覚えのある声が天から聞こえた。
「お前たち」
唐突な登場に驚愕していた。
まさか来るとは思ってもみなかった。
「安心しろ、ここからは俺たちの出番だぜ」
「いくポルよ」
「うわあ、悪そうなやつらが7体も、やばいなこれ」
昼寝していたぎゃわれ、ポル、フラグたんの3人が、ブナパルトマンに前に姿を現した。
「君たち、どうして」
「連絡くれたんで、急いでいかないとと思ったら、よくわかんないんですけど、いつの間にかここにいました」
「どういうことだ」
確かに見た目は部屋着のまんま、靴を履いていない。
まるで魔法かなにかで彼らを連れてきたような話だった。
「とりあえず、このまま戦闘に入りますね」
「まて、俺も」
だが、すでに毒が回っているブナパルトマンでは動くこともできなかった。
「もしかして、ブナパルト鉱石で治るんじゃないですか?」
「え?」
確かに毒は回っているのに、即死していないのは、もしかしてとは思っていたが
「や、やってみる」
光を放ったブナパルト鉱石を自身の体に当て始めた。
「さて、ここからは俺の出番だ」
ぎゃわれは7体の怪人に向かって言い放った。
「誰だ、貴様は」
「また変なのが来やがった」
「俺は、本部へ連絡しに行ってくる、後は頼んだ」
そういうとクモガトリングは姿を消した。
「一匹逃がしたか」
そういうと、残り6体をみて
「強そうなやつらだが、俺も負けないくらい強いことを証明してやるぜ」
ぎゃわれはぬいぐるみ型変身アイテムを取り出した。
「皆様お待たせしました」
「さあ、いくポルよ」
「やっちゃえぎゃわれっち」
「おうよ、スタンバイ!変身!!」
ぎゃわれは変身アイテムのボタンを押すと、光を放ち、ぎゃわれマンへと変身完了した。
その姿は最初に変身したものとは違い、赤いTシャツにマントと付けた状況の姿だった。
「その姿は」
「これが今現時点の俺の力、だから治るまでそこで見ててください」
ぎゃわれマンは6体の怪人にゆっくりと歩み始めた。
「なんだか知らねえが、邪魔するならそいつと一緒に消してやるぜ」
「俺たちに戦いを挑むことを後悔するメロロロン」
カメレマスクメロンとコブラアイスはぎゃわれに向かっていった。
「カメレオンと蛇か」
そういうと向かってくる2体に向けて、構え始めた。
「冷凍、氷に使い手の力を味わうがいい」
「超音波砲だメロロロン」
氷と音波の攻撃をぎゃわれマンは直撃してしまった。
「冷たいなこれ、耳がキンキンする、やるなあ」
ぎゃわれマンは起き上がると、一気に向かっていった。
「次はこっちの番だ」
大きく飛び上がると、勢いよく拳を握り、攻撃をくりだした。
「ブナパルトパンチ!!」
ブナパルトマンから分け与えられたブナパルト鉱石の力で、2体を吹っ飛ばした。
「なに!?」
「いいぞぎゃわれっち」
完全に野次になっているフラグたん。
「まだまだ行くぜ」
次に標的に決めたのは、チーターダッシュとマシロだった。
「石とチーターか」
「硬い俺の体は、びくともしないぞ」
「俺の速さについてこれるかな」
ぐるぐる走るチーターダッシュと、迫りくるマシロの前にぎゃわれはにやりとしていた。
「俺のいっちょ、オリジナルで攻めてみますか」
準備体操風に動くと、ダンスのようなフラフラとしながらゆらゆらしていた。
「何をする気だ」
困惑するブナパルトマンは起き上がるまで回復した。
「いけぎゃわれっち、ぎゃわれパワーをみせるポルよ」
「おうよ!いくぜ!名付けて、適当ダンスアタック」
その攻撃は適当なダンスから繰り出される攻撃で、自身の創造する力からなるそのエネルギーとめちゃくちゃな動きから、ぎゃわれマンは走り回るチーターダッシュととらえて、その適当ダンスの攻撃が当たる。
「なんで、そんなめちゃくちゃな攻撃は強いんだ」
「俺もいくぞ」
マシロはどんどん詰め寄ってきていた。
「硬い君にはこれかな」
ぎゃわれマンは二つの拳を揃え、奇怪なリズムで太鼓のようにマシロの体に当てていく。
「なんだこれは」
「みせてやるぜ、俺のこの特異戦法」
高速で打ち続ける攻撃にマシロの体は少しずつ押され始めていた。
「なんだこれは」
「名付けてポルっと攻撃、俺の十八番ゲームからの流用だ」
とどめの高速チョップによる攻撃で、マシロも吹き飛ばされてしまった。
「すげえなあいつ」
「そうポルでしょ、ぎゃわれはポルの自慢の相棒ポルからね」
「さすが、我の生みの親だな」
「ははは、まさに頓珍漢とはこのことなんだろうな」
ブナパルトマンは立ち上がった。
「彼をヒーロ-にしてよかった、ちょっと変わっているけど、それもまた味がある」
彼に託したものは無駄じゃなかった。
まだ希望があると確信でき、嬉しく思うブナパルトマンはほおが緩んだ。
「ふざけるな!やられてないのに、勝った気でいるな」
「そうメロロロン」
カメレマスクメロンとコブラアイスをさけて、サソリボルトは前に出た。
「なかなか痺れるな、お前、でも俺の雷と毒で終わりだ」
サソリボルトはしっぽの毒針と、体内の雷を痺れさせていた。
「俺が相手になってやるよ、痺れるだろ」
「わかんないけど、よろしくお願いします」
ぎゃわれマンとサソリボルトはお互い睨め付けていた。
「気を付けろ、そいつの毒はすさまじいぞ」
「わかってるよ、ブナパルトマンのさっきの姿見たら、やばいそうなことはビンビンに伝わってるよ」
ぎゃわれマンはブナパルトマンの状態見つつ、サソリボルトと対面した。
「けっこう痺れてやれるようだけど、まだまだ未熟さが見えるぜ、ルーキーか?」
「俺はチキンを売る人ではない!」
「何と勘違いしているだ!まあいい、痺れるやつくらいな」
「まったく、痺れる痺れるうるさいんだから」
ぎゃわれマンとサソリボルトはお互いに向かっていった。
サソリボルトは自慢の毒針をぎゃわれマンに勢いよく体目掛けて攻撃してきた。
だが、ぎゃわれマンはその攻撃を、空中で飛び上がり、そして回転しながら着地した。
「ほう、交わしたか、でも俺には雷もある」
サソリボルトは手から稲妻を発生させ、空中に解き放った。
「なんだあれは」
「あんなこともできるポルか!?」
「ぎゃわれっち気を付けろ」
ぎゃわれマンは雷をじっと見つめた。
「うぎゃあああああああああああ」
ぎゃわれマンは雷に直撃した。
「なにやってんだあいつ」
「馬鹿なのか」
「いや馬鹿ポルよ」
ぎゃわれマンは雷が直撃し、しゃがみこんだ。
「なかなかやるな」
ぎゃわれマンはサソリボルトを凝視して見つめていた。
「そうだろ、俺様の雷は痺れるだろ」
サソリボルトは少々ドヤっとした顔で決めたポーズをとっていた。
二人の会話を見ていたギャラリーは
「ぎゃわれっちが馬鹿なだけだけどな」
「確かに」
「あっちもきめることでもないポルよ」
「確かに」
ブナパルトマンは一連の行動をただ傍観し頷いていた。
「さて、俺も参戦しますか。他の連中も動き出しそうだし」
ブナパルトマンはぎゃわれマンの横に並び立った。
「いけるの?」
「ああ、いつでも大丈夫だ。足引っ張るんじゃねえぞ」
「さっきまで寝ころんでいた人には言われたくない」
「はは、確かにな」
ぎゃわれマンとブナパルトマンは構えだし。
先ほどまで倒れていた。怪人が起き始め、二人を囲うように戦闘態勢を整えていた。
「しびれるな、久しぶりに燃えてきた」
サソリボルトはしっぽを地面にたたきつけながらぎゃわれマンとブナパルトマン二人を威嚇した。
「相手はやる気満々だな」
「まるで発情期だ」
「いやん、ブナさんのエッチ」
「いや、それは違う、ただの例えだから、エッチではない」
「そうか、ごめん」
「でもスケベではある」
「ならだめだ」
コントしている二人に呆れてか、コブラアイスがしかけてきた。
「お下劣漫才はすんだか?」
地面には氷が張りだし、足の動きをとめようとした。
「ジャンプポル!」
ポルがいうと二人は高く飛び上がった。
「俺のほうが高く飛べるぞ」
「競争じゃないぞ」
ふざけるぎゃわれに対し、下から地響きがなる。
「今度はなんだ」
マシロが全体重で地面に対して突撃してるのだった。
その地響きで地面にたたきつけられる二人。
「まずいぞ」
「地面はおいしくないぞ」
「当たり前だ、振り出しにもどってしまったってことだ」
「というと?」
地面はまた氷におおわれて、ぎゃわれマンらの足を氷で固められた。
「ナイスだ二人とも、あとは俺がしびれる毒で葬ってやる」
「さっさとやれ、作戦途中なんだから、ここで時間を食ってはデビルズキラー様に怒られてしまうぞ」
「今更メロロロン」
戦闘に夢中になりすぎて、本来の目的を忘れていたが、目的は永遠の影の復活。
戦うためにこの場にいるわけではない
「やめろポル!」
「そうだそうだ!」
叫ぶポルとフラグたん。だがその願いは聞き入れてもらえず。
「さらばだ、哀れなヒーローくんたち」
そういうと抵抗むなしく、サソリボルトの毒をくらう二人はその場に倒れこんでしまった。
「ふふふ、さて作戦の続きというか」
ぎゃわれマンとブナパルトマンはそのまま目を閉じて動かなくなってしまった。
「ぎゃわれーーーー」
「ブナちゃん!!」
泣き叫ぶポルたちもまた氷で足止めくらっており、身動きが取れないでいた。
「もうおしまいポル」
ポルから一滴の涙がおちる、だがあるものに気が付く。
光が見えたのだ。
ブナパルト鉱石の光は消えてなかったのだった。
「あれはもしかして」
それにフラグたんも気が付く
「ひょっとしてポル、もしかして」
「まだ終わってなさそうだな」
そんななか、作戦を実行するべく、古文書に書かれた通りに分析していたEX一行。
「もう強制的に起こしたらいいじゃね?」
だるそうなサソリボルトが見ている中でうんうんうなりながらいた。
「面倒だし」
「でもこの通りにしたほうがいいでメロロロン」
「そうか?俺も早いほうが手っ取り早いけれど」
サソリボルト、コブラアイス、カメレマスクメロン、チーターダッシュ、マシロ、コウモリDJ
6体は円になるように、永遠の影が眠っているだろうところに注目した。
「しびれるやつくらいな」
6体の怪人は一斉砲撃をしかける態勢をとった。
「いく」とマシロの掛け声と同時に技を繰り出した。
「ポイズンボルト!」
「氷結プリズム」
「音波放射」
「ダダダダダダッシュ!」
「ごんごん!」
「YO!音波風切りYO!」
あたり一面爆風がこだますが、何も起こることはなかった。
「やはりこの書物通りじゃないとだめなのか」
「っち、めんどくせえけどしかたないか」
しぶしぶ動き出す一行だったが
「まてええええええええええええええ!」
と強くこだます声が鳴り響く。
6体は驚いたように「え?」とびっくりした様子を見せる。
「さっき2回も毒を食らったのに」
起き上がったのはブナパルトマンだった。
氷を溶かし、まだ倒れているぎゃわれマンに自身のブナパルト鉱石の一部を分け与えていた。
「まだ終わってない、ここから外へは出すわけにはいかない」
「ほざけ、さっきまで死にそうになったやつが、まだ死にたいのか」
「ああ、サソリやろう、おまえのおかげだ、でもな。どうせ死ぬなら...」
ブナパルトマンは鉱石を強く握りしめた。
「どうせ勝ち目ないとわかってるなら、」
ブナパルトマンはちらっとぎゃわれとポルとフラグたんを見て、確信した。
「思いを託して死んでやる」
そういうとブナパルト鉱石はさらなる光を強くした。
デビルズキラーを封印した、光のように。
その強い光にぎゃわれマンも起きだす。
「なんだ、あれ」
「起きたか、そうだな。あとはお前に託した。サターン帝国によろしくな」
「え?なんだそれ」
そういうとブナパルトマンは6体に向かって走り出す。
「え?たった一人でどこいくの?」
「希望までさ」
6体は逃げようとするところをブナパルト鉱石は輪のような形状を変え、6体を縛り付けた。
「な、なんだってんだこりゃ」
「しびれないぜ、てめえふざけんな!」
「こっちは本気だ!俺と一緒に道ずれだ」
でもブナパルトマンはこの鉱石の力を少しわかったかのようにうなずく
「ここでみんなで封印だ!」
「なんだと」とじたばたするマシロ。
どんどん光が増してきて、ブナパルト鉱石はさらに形状をかえ、6体と1人を包むような形になり
6体は石板のような形へと変化させていく
「てめえふざけんな、いつか覚えていろよ」
「今度こそ、しびれるやつくれてやる」
そういうとセンターにきたブナパルトマンはニヤッと笑った。
「その時が楽しみだ」
そういうと怪人の6体は石板に封印されてしまった。
ブナパルト鉱石はうねりを見せ、地面が割れ、その地中に埋まるように地響きが起き始めていた。
「ブ、ブナパルトマン!!」
「いったい何がどうなってるポルか!」
「あいつ死ぬのか!!」
その様子をみていたぎゃわれマンたちはその場に立ち尽くすことしかできなかった。
ポルは何かに気付いたのか、上空に飛ぶ謎の琥珀の石が飛んで行ったのが見えた。
恐らくEX一行の誰かが最後の攻撃で飛ばしたのだろう。
「ポル?どうした?」
「いや、なんでもないポル」
首をひねったポルだったが、いいやという顔で状況を見た。
強い光と、うねりをみせたブナパルト鉱石の中には
ブナパルトマンを囲むように、6体の怪人の石板が固定したようになっていた。
「い、いま助ける!」
「その必要はない!俺も直に封印される」
「どうして!こいつらは封印された、ブナパルトマンまで道連れになることないじゃないか」
「そうはいかない、なにまた会えるさ、これは俺の力不足で救えなかった人たちへの罪滅ぼしみたいなものだ、ただのわがままだ、だから気にするな」
「でも、俺、まだあなたとそんなに会ってない」
「だろうな、ならそのブナパルト鉱石をもっててくれ、仕組みはまだわからないけれど強く思えば真の力がでるはずだ」
「わ、わかった」
「同じことの繰り返しになるが、サターン帝国のみんなによろしくな」
「誰かわからないけど、わかった」
「多分、いつか会える、あと小鳥遊の娘さんにも」
「それも誰か知らないけど、わかったよ」
「ふっ、前に話したように思えるけどな」
「俺忘れっぽいから」
「だろうな、だけどすまん、あとは任せた」
「任せられた!」
ぎゃわれマンとポル、フラグたんは最後の会話を通し、ブナパルトマンの強さが見えた。
いや、ブナパルト鉱石やべえとも思った。
こうして石板とブナパルト鉱石に覆われて封印されたブナパルトマンとEX部隊はそのまま地中深く潜ることとなる。
そこにはぽかんと空いたブナパルト鉱石の欠片を見せて。
「ポル!フラグたん!」
「な、なにポルか?」
「まだわかんないけど、俺やってみる」
「何をだ」
「この力で、俺自身の力で、ヒーローをやってみる」
「ああ、ここからはじまるんだな」
「ゼロからのスタートってことポルね」
「だな」
変身を解くと、封印場所に頭を下げ、とりあえず帰ろうかとまだ部屋着と靴下と
「ここはどこだ?」
と迷子を繰り返し、帰路につくこととなった。
しかもお金もないので、徒歩。
3時間くらいかかったようだった。迷子含めて。
だが、まだ戦いは終わってなかった。
デビルズキラーの元へ戻るクモガトリングは移動中、謎の琥珀色の石にぶつかる。
「なんだこれ?石?」
みると、かすかに仲間の力を感じた。
「マシロ?なにかあったのか?」
クモガトリングは引き返そうとも思ったが、すでにもう本拠地の近くにいた。
「仕方ない、とりあえず、本部に確認が先だ」
そういうと中に入ると、荒らされた跡が残されていた。
「ここも何があったんだ」
見るとあたりには石板となった同胞たちが転がっていた。
「魔王皇帝閣下の仕業か?」
「え?」
クモガトリングは声のする方を振り返ると一号であるアンドロイドが立っていた。
「おい、ここでなにがあった!」
「い、いえません!」
「貴様、やはり裏切り者か!前から怪しいと思ってはいたが、やはりか」
「ちがう、元から操られてるだけ」
「そうか、デビルズキラー様に可愛がられているのはわかるけど、まさか貴様がここまでするやつとは」
「それも違う、私がこれしてない」
首をぶんぶんふるひなだった。
「ふざけるな、貴様を壊してやる!」
「転送!」
そういうとひなは転送軸を作り出し、別のところに転送したが
「まだ呪縛が解けてない」
本部の中でしか移動できないので、移動するには困難であった。
「この俺のガトリングで一発だ」
クモガトリングはガトリング砲弾でひなめがけて一斉放射した。
「い、いやあああああああ」
全弾がひなにあたり、ひなは身動きが取れない状態となった。
「壊れろ、アンドロイド」
クモガトリングは鈍器みたいにガトリング砲弾を持ち上げた。
ひなはもうだめだと思ったとき、足元に落ちていた石を見つめた。
「光ってる、きれい」
「戯言だ」
ひなは足にその石と触れると強く光りを放ち始めた。
「な、なんだ!」
「もしかして」
ひなは自身のコンピュータで解析し、おそらくは石板化させてのはこの鉱石だと判明した。
ひなは石を軽く蹴り上げ、上空に光を放った。
「や、やめろおおおおおおおおお」
「これで、あなたもおしまいね」
「ああ、でも貴様もだ」
「おあいこね」
そういうとクモガトリングとひなは石板へと姿を変えたのだった。
こうして、サターン帝国・闇の本部は壊滅した。
だが、ブナパルト鉱石の寿命はそこまで長いものではなかったこともひなはこの時わかっていた。
数年後、その誰か助けてくれる人を待つため祈ることしかできなかった。
「ブナパルトマン」とつぶやく、魔王。
永遠の影が封印されている場所にはもう誰もいなかった。
「遅かったか」
「これでもう終わったのだろうか」
遠くの空を見つめるイカ息子は、この戦いの序章みたいなことを感じた。
「まだかもな」
「なに独り言いってるんだお?」
「うるさい!」
絡みつくイカ息子とガジンを見て、笑うミスターBだった。
「きっとまだ終わりじゃない、始まりなんだと思う。きっと」
魔王はそういうと確信したかのように空を見つめた。
そしてクワガタ幹部だけ、別のところに転送されていた。
「とまあこんな感じだったかな」
「回想が長いんだよ!」
「そうポルよ!この糸どうやってとれるポルか!」
「まったく、なぜブナパルトマン懐かしすぎて、寝てたわ我」
過去にあった出来事をさかのぼってるうちにポルとフラグたんが助けに来ていた。
今は復活したクモガトリングを止めるべく、一刻も早く、やつを追わなければいけないが。
「まずは、眠りから覚まさないとな」
「だな、ブナパルトマンを」
4人はブナパルトマンに向き合った。
「どうやって封印とくポル?」
「わからん!」
「だめだこりゃ」
途方に暮れる4人だった。