おまけ短編 ぎゃわれマン 「名乗りが決まった日」
とある昼下がり、いつも通りぼーっとしている日常が続いていた。
「サターン帝国・闇も最近現れないねー」
「平和でいいじゃないポルか」
ぎゃわれとポルは2人でダラダラゴロゴロしていた。
サターン帝国・闇と永遠の影を倒し、ブナパルトマンと別れ、サターン帝国の面々が魔王皇帝閣下のところに戻っており、天音も最近来ていない。
「ぎゃわれは、今後に向けて何か訓練とかしないポルか?」
「訓練?あー、まあ俺は、実践で伸びるタイプだから」
「笑わせてくれるなー、あっはっは!」
「なんだって?って紛らわしな」
紛らわしいことをして笑うのはフラグたん、鳥人間である。
現在部屋には、ぎゃわれとポル、鳥人間のフラグたん。
居候のイカ息子の4人いる。
「暇すぎて、もう2周目で見てるぞ」
「そうですか」
そのままフラグたんは漫画に戻る。
「でも、まぁそろそろ決めないといけないかもな」
「何をポル?」
奥で寝ているイカ息子を見ながら、この前動画が載っていた、ぎゃわれらの動画。
「この名乗り、ダサくね?」
「いや、それポルかい!!」
突っ込むポルさんだったが、確かにダサく見える。
「でもぎゃわれっちの名乗りはいつもそのままじゃないポルか」
「いや俺、この前さ、他のヒーローの名乗りを見て、俺たちの名乗りダサいと思ってさ」
「どこがダサいんだよ??」
ゆっくりと起きて寝癖ボサボサのイカ息子は、ぎゃわれに近づいてきた。
「いや、だってよ、サターン帝国の名乗りって、サターン帝国○○系幹部で名前だろ?なんかなーと思って」
首を捻るぎゃわれにはてなと思うイカ息子。
「どこが、悪いんだよ、俺たちってすぐわかる名乗りじゃねえか」
「あー、でも何となくわかるポルよ」
「どういうことだよ?」
どういうことかわからないイカ息子は、首を傾げる。
「いや、だってよ、会社でも無いのに、所属チームと部署はどこの人で、私は何何と言いますって感じでさ、例えるから、○○レンジャーの赤担当の○○レッド!って言ってるもんじゃん」
「確かに、言われてみればそうかもな」
「うけるうう!!」
うけるというフラグたんの言葉に反応したのか、まだ漫画でウケていたフラグたん、無視して、話を進行する。
「でも、それなら、お前の名乗りも長すぎじゃね?」
「俺は、ほらいろいろ詰め込みたいタイプだから」
「というか見た目とどこで活躍してるとかいうなら、○○市で活躍してる○○がトレードマーク、名物は○○!○○マン!って言ってるものポルよ」
どこぞのご当地ヒーローだよと思う2人。
「天音と佐藤は、仕方ないにして、俺たちだけでも、名乗り変えた方がいいんじゃね?」
「ああ、それには賛成だが、変えるってどういう風にだよ」
「例えば、他のヒーローだと通称とか、肩書きを言うものだ」
ぎゃわれはそういうと他のヒーロー例をスマホごしに見せる。
「例えば○○の○○!○○レッド!とか」
「それはかっこいいポルね、迫力というか、強そうに思えるポル」
「なら、俺たちだとどうなるんだ?」
イカ息子はそういうと紙を取り出した。
「例えばでいうなら、こうだな」
ぎゃわれが書いたものはこうだった。
「引きこもりの融合ファイター、ぎゃわれマン!」
「イカなのに墨も触手も使いません、イカ息子!」
「スケルトン空気な男、クワガタ幹部!」
「飛んでいくストーカー、ガジン!」
「無口な目からビーム、ミスターB!」
「小鳥遊家の武術戦士、メイドG!」
「鉱石だよりの研究家、ブナパルトマン!」
「ひなだよ!!転送できるよ!!ビームでるよ!!ひなちゃん!!」
「我ら、サターン帝国!!」
「どうよ!!」
「クソだっせ!!」
「酷すぎポル」
ぎゃわれの提案に却下が満場一致した。
「というか、今まで通りでよくね」
フラグたんは漫画を読むのをやめ、こちらの会話に入ってきた。
「どうしてだよ」
「もう動画載ってしまってる訳だし、これが定着されてるんじゃないかと思うぞ」
「あ、」
今まで通り、確かにそれでいいのかもしれない。
そう無駄な会話で暇を潰すぎゃわれらだった。




