エターナルシャドウ
第14章 エターナルシャドウ
街を破壊したエターナルシャドウ。
そのあとは無残だった。
ビルや建物は食らいつかされ、崩壊し。
逃げ惑う人々の中にはケガをしたものもいた。
警察は緊急の対応に、手間取っており避難誘導もできていなかった。
車は渋滞し、事故も多発しており、暗いため人がひしめき合っていた。
遠くを見渡すと巨大な影でもある、怪物がまだ破壊活動を行っていた中、いきなり止まりだした。
そして変に大きな声で名乗っている馬鹿どもがいた。
「いくぞ!」
ぎゃわれマンはエターナルシャドウに飛び乗り、そのまま走り出す。
「意外と走りやすい体してんな」
そういうと、顔目掛けて飛び上がった。
「ブナパルトパンチ!DX!」
手は緑に染まり、大きな筒のような拳がエターナルシャドウに攻撃する。
エターナルシャドウは少したじろぐが、大きな爪、いや影による手が、クモガトリングを捕らえた手が、ぎゃわれマンを掴み、遠くに投げやった。
「うわあああああああ」遠くの建物まで吹き飛ばされてしまった。
「ぎゃわれ!!」と叫ぶブナパルトマン
「このやろう!やってやるぞ!」
「おう!」
4体の怪人は背中をよじ登り、攻撃開始を試みる。
「サターン帝国の底力見せてやる」
エターナルシャドウは大きな影の手をイカ息子らに向けて攻撃する。
「させません!」
メイドGは空中でG拳を打ち高速で移動をした。
「メイド流!G拳!」
メイドGは拳を激突させ、エターナルシャドウの手を粉砕した。
「サンキュー!」
「俺も行くぞ!」
飛び上がってきたぎゃわれマンはもう一度エターナルシャドウに飛び乗った。
「俺もだ!」とブナパルトマンも加勢に入る。
「ちょっとまて、俺たちにも見せ場をくれよ」
そういうとサターン帝国は溜めていた力を開放した。
「イカ息子グロリアルスラッシュ!!」
「クワガタインパクト!」
「ガジンレイジングエアブラスト!」
「目からレーザービーム!」
技を一同繰り出すと。
イカ息子のブレードからまがまがしい黒い稲妻による雷撃斬がエターナルシャドウの胴体に炸裂。
インパクト流派のクワガタ幹部の銃撃弾も同じく命中。
風切りのようなガジンの攻撃はエターナルシャドウの足元に命中した。
レーザービームも同じくガジンと同じところに命中した。
「どんなもんだ!」
「やるなあ」と感心するブナパルトマンも鉱石が光り輝き始めた。
「俺も負けてられないな」と大きく飛び上がった。
「ブナパルトショット!!」とブナパルト鉱石から光の大きな銃弾がエターナルシャドウの胴体を貫く。
「俺も行くぞ!」ともう一度走り出すぎゃわれマン。
大きく飛び上がり、上空から扇子を取り出した。
「センススラッシャアアアアアアアア!!」
多く広げた扇子はエターナルシャドウの胴体を切り刻んだ。
「ど、どうだ」
一同、エターナルシャドウの体に乗っている状態で、息を切らしながらエターナルシャドウへのダメージの確認をした。
確かに効いてはいるようではあるが、一向にこちらに対して反撃のそぶりは影のみである。
するといきなり大きな雄たけびを上げた。
「ギュアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア」
すさまじい声に耳を塞ぐほどのうめき声である。
「なんだこの声は」
「うるさい」
耳を塞ぐ一同は、身動き取れずにいた。 そして
エターナルシャドウは大きく体を動かすと、再びビルを破壊し始める。
「やべ、止めないと」
「ああ、いくぞお前ら」
ぎゃわれとイカ息子の掛け声でサターン帝国とメイドG、ブナパルトマンも動き出し、エターナルシャドウの胴体の中心点迄移動する。だが、動きが激しすぎるため、移動が困難な状態となっていた。
「飛ぶじょ!」
ガジンはそういうと飛び上がり、それに捕まるようにサターン帝国もぎゃわれ一行6人はしがみつく。
「ちょっと、なんだじょ」とあたふたするガジン。
「今はお前が頼りだ」イカ息子はそういうと
「確かに、」ミスターBもつられて言う。
「すまんな」と軽く謝るぎゃわれマン。
「お願いします」とお辞儀するメイドG。
「俺が一番下か」と高いから怖がるブナパルトマンだった。
一同ガジンにねぎらいの言葉をかけるが。
「店員オーバーだじょーーー!」
ガジンの広げていた羽は、閉じ、真下のビルまで落っこちでしまう。
「うわあああああああああああああああああ」
幸いそこまで高さがなかったのか、怪我もなく無事に着地できた。
「ごめんじょ」
「いいって、でもこのままじゃな」
ビルに飛び移れたのはいいが、エターナルシャドウは暴走を繰り返し、ビルを次々破壊していた。
「あてもなく、攻撃しているのか」
「恐らく、とにかく攻撃は効いてる。俺たちが何とか食い止めないと」
ぎゃわれとブナパルトマンは悩んでいると。
「俺らは先に行くぞ、うじうじ悩んでいる時間はねえぞ」
見るとミスターBが全員担いで高速で移動を開始した。
「待てよ、俺もすぐ」とつられて行こうとするところをメイドGに止められた。
「待ってください、またやみくもに攻撃しても無駄かと」
メイドGは真剣な顔でぎゃわれマンの顔を見た。
「大丈夫だって、俺たち何度も乗り切ってきただろ、メゲルドンも倒してるし、今回だって」
「比べ物になりませんよ、実際に被害が出ちゃってるんですよ。対応策を準備しないと全滅、いえこのままだと死ぬ可能性もあるんですよ」
メイドGは少し怒り口調でそう言った。
「悪かった、でも対応策といってもな」
「はい、小鳥遊家が封印したように祠を用意して、エネルギーを吸収出来ればいいんですが」
「そんなの、今できるやつも時間もないだろ」と横からブナパルトマンが会話に入ってきた。
「ポルトフラグたんの原理を使えば、ぎゃわれがパワーアップできるないポルか?」
先ほどのビルからフラグたんに乗ってポルさんがやってきた。
「ポル、それはどういうことだ?」
「二人の力とぎゃわれの力を合わせるポルよ」
「つまりどういうことですか?」
はてなの顔のメイドGに対し、ポルは説明する体制をとった。
「ポルトフラグたんは、ポルとフラグたんの力をぎゃわれと共有することでパワーアップした形態ポル、つまりはぎゃわれの持つ、パワーの吸収というか、共有することで、ブナパルトの力や小鳥遊家の力で、更なる攻撃が出せるんじゃないかと思うポルよ」
ポルは納得いく説明をするが。
「でもお前らは専用アイテムでパワーアップしてるが、俺たちそんなの持ってないぞ」
「拳を合わせるだけでいいポルよ、そうすればぎゃわれマンは小鳥遊家、ブナパルトの力が使え、ぎゃわれパワーも合わされば、エターナルシャドウにも効くんじゃないポルかね」
「やってみる価値はあるか」
「面白そうです」
「あ、考えたの我ね」と横からそっというフラグたんだった。
3人は再びエターナルシャドウに向き合う体制をとった。
「サターン帝国ばっかりかっこつかさせられないからな」
「ですね」
「よっしゃやるか!」
ブナパルトマンがそういうと同時に3人は勢いよく走りだした。
向こうでは
「イカ息子衝撃波スラッシュ!」
「クワガタ玉!」
「ガジン花粉ビーム!」
「目からビーム」
ビルに飛び移ってはエターナルシャドウの動きを止めつつあった。
その時、エターナルシャドウは制止した。
「お、止まったのか」
後ろからはぎゃわれたちがやってくる。
「出番奪ったかな?」にやにやしているクワガタ幹部だったが。
辺りの地響きが大きくなり、エターナルシャドウの口が大きく開いた。
「やばいじょ!」
口にエネルギーが集中し、大きなエネルギー弾に変わる。そして
ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!!
すさまじい衝撃波とともにエネルギー弾は地面を砕き、辺りを木っ端みじんにひき飛ばした。
サターン帝国も吹き飛ばされ、エネルギー弾の前に倒れてしまう。
「なんだ、今の」と身震いするイカ息子。
「やべえ、こええええ」と隠れるクワガタ幹部。
「後ろ!人大丈夫なのか」後ろの人も気にするも、血を出して怪我をしている人が多く見えた。
「はあ、はあ」と息遣いが荒くなるミスターB
到着したぎゃわれらはその惨劇を見て絶句する。
「大丈夫か」
急いでイカ息子と抱き上げる。
「は、サターン帝国・闇との闘いよりへでもねえよ、しかし、このままだと民間人が死んでしまう」
ぎゃわれマンはあたりを見ると非難せず、ぎゃわれマン達の戦いを見ていた見物人だった。
みるとスマホを片手に持っている人が多くいた。
「この非常時によくもまあ」
「避難させとくべきだったな」ゆっくり起き上がるイカ息子を支える。
他の面々も立ち上がる。
「ったく、あの化け物どうすりゃいいんだよ」
「とりあえず、ポルとフラグたん作戦を実行させる」
「なんだそりゃ、あいつらの作戦かよ」
「ああ、なんかやりたくて仕方ないんだ、ここは俺に任せてくれないか」
「いいとこばっかとるんじゃねえぞ!」
イカ息子はそういうと民間人の避難を優先する為クワガタ幹部らに指示を出す。
「行きますか?」メイドGは横から聞いてきた。
「天音からか、頼む」
ぎゃわれマンがそういうとメイドGは拳を突き立てる。
「いいですか、小鳥遊家流派をきちんとうってくださいね」
「アレンジOK?」
「任せます!」とにやりと返した。
ぎゃわれマンもまたメイドGの拳に合わせた。
ぎゃわれマンの姿がメイドG同様のメイドの衣がついたというか。
「なんか武術する人っぽい」
よくわからないけど、羽衣みたいなものもついていた。
「似合いますよ」
「はいはい、いくぞ!」
ぎゃわれマンとメイドGは素早く飛び上がり、エターナルシャドウに向かっていく。
「おい、俺を置いていくなよ」と続けてブナパルトマンも走り出す。
「こっちは任せるポル」
ポルらも交流し、民間人の避難と救出に向かう。
エターナルシャドウは次々にビルを破壊、街は見るも無残な姿へと変えていった。
「よくもやりやがったな!!」
ぎゃわれマンはエターナルシャドウのすぐ近くまで移動すると、拳に力を溜めた。
「一緒に行きましょう!」
「わかった!行くぞ!」
近くのビルから飛び降りたぎゃわれらをみたエターナルシャドウはパワーを溜め、エネルギー弾を時は立つ。
「させるか!」
ブナパルトマンの持つブナパルト鉱石が大きく光り大きな壁のようなものができた。
「これは!」驚いたブナパルトマンはその壁とエネルギー弾をぶつけた。
「なんかわからんけど、今だ!」
拳にパワーを溜めたぎゃわれマンとメイドGはエターナルシャドウ向かっていった。
「ぎゃわれ流」
「メイド流」
「「G拳!!!」」
凄まじい威力のG拳はエターナルシャドウの胴体に当たり、後ろのビルまで吹き飛ばした。
「ぎゃあああjぢおえhfhgふおhふぃえ」
よくわからない声を出したエターナルシャドウはそのまま地面に手をつき倒れた。
「すっげえ、威力」
「さすがです!」
「今度は俺とやってくれ」
そういうとブナパルトマンも拳を突き上げた。
「OK!」
そういうとぎゃわれマンは拳を突き上げ、ブナパルトマンの拳に合わせる
その時、メイドGのような羽衣と武装が解け、一度普通のぎゃわれマンに戻った。
そして、拳に大きなブナパルト鉱石のようなものがくっつき、その拳を合わせた。
「こ、これは...」
ブナパルトマンのシルエットが出来上がり、カラーもブナパルトマンのように赤く染め上げられた。
「ぎゃわれマン!ブナパルト!」
ぎゃわれマンブナパルトの形態に変身した。
「せっかくのメイドGフォームの出番が」と落ち込むメイドG
「また拳を合わせればいい話だよ、ブナパルトの力見せてやれ!」とエールを送るブナパルトマン。
「みんなで行くんだけど、まあいいか!いくぞ!」
ブナパルト鉱石の拳は大きく光り輝き、ぎゃわれマンの思いにこたえるかのようにエターナルシャドウに向かって飛びあがった。
それに続けて、メイドGとブナパルトマンもぎゃわれマンとともに走り出す。
エターナルシャドウは先ほどの攻撃でまだ倒れていた状態だったが、地面から無数の手が飛び出し、その体を上空へと押し上げた。
パワーを回復したエターナルシャドウは雄たけびを上げながら、無数の手の影でビルを破壊し始めた。
「あいつ、まだ手の影を、これ以上破壊させない」
その思いにこたえたのか、ブナパルト鉱石により、移動速度が上がり、あっという間にエターナルシャドウのすぐ前までにたどり着いた。
「こいつをくらえ!いっくぞー--!!」
「俺もいくぜ!ぎゃわれ!」
ブナパルトマンもぎゃわれマンに続いて移動速度をあげて、こちらまでやってきた。
「「真・ブナパルトパンチ!!!」」
二人のブナパルト鉱石によるパンチは、エターナルシャドウのお腹目掛けて攻撃し、その威力は先ほどのG拳に負けないくらい、エターナルシャドウに致命傷を加えることができた。
エターナルシャドウはまた吹っ飛ばされ、後ろの大きな広間に倒れたが、また無数の手の影により、その体は上空に押し上げられる。
「あの影やっかいだな」
「確かに」
「きりがありません」
エターナルシャドウは脅威を感じたのか、その手の影をぎゃわれマンら3人に目掛けて、攻撃をしかけてきた。
「ま、まじか」
手の影の攻撃は大きくて5メートルを超える手がぎゃわれマンらに迫ってきては、それによけて逃げ回る。
「やばいって、これは」
「無数に影がありすぎて、エターナルシャドウに近づけません」
「形勢逆転された感じだな」
影であるので、攻撃してもその攻撃が当たることはなかった。
「ブナパルトインパクト!」
ぎゃわれマンブナパルトの攻撃も影の前では無効というわけであった。
「永遠の影といわれるだけはあるな」
「ぎゃわれさん!後ろ!」
「え?」
無数の手はアーチを作るように集合体となり、3人に押し迫ってきた。
「うわっ!!!」
「ぐっは」
「いやあああ」
3人は奥にある小さなビルまで影に押されてしまう。
「お、おい大丈夫か」
「ああ、」
「はい、」
無数の手の影はぎゃわれらを押した後、いきなり姿を消した。
「な、なんだ?」
そういうとぎゃわれマンが見たのは、
「やべえぞ、あれ」
無数の手の影に気を取られていた間、エターナルシャドウはパワーをため込んでいた。
そして
「メイド流!エメラナ!」
「ブナパルトバリア!」
「同じく」
急いでバリアを展開する。
「避けれないぞこれは」
エターナルシャドウは先ほどのパワーからエネルギー弾をぎゃわれマンら目掛けてぶっ放した。
そして、そのエネルギー弾はぎゃわれマンら一直線に攻撃してき、バリアーに押し迫る。
「うおおおおおおおおおおおおお」
バリアーは今にも砕ける勢いで凄まじすぎるパワーの前にバリアーは粉々に砕け散り、小さなビルと一緒にエネルギー弾により、ぎゃわれマン、メイドG、ブナパルトマンは変身を解かれ、そしてその場に爆発とともに倒れてしまった。
「う、うい、うっは」
ぎゃわれは口から血反吐を吐き、うずくまってしまう。
「いてええええええ」
ぎゃわれの身体はあっちこっちボロボロとなっており、あっちこっちで出血が見られた、幸い五体満足ではある。
「い、いたい」
天音もまた変身が解かれ、下着姿でギリギリ全裸に近い状態までボロボロとなり、ぎゃわれよりはケガは少なかった。
「はあ、はあ、はあ、はああああ、おほ、ごっっほ」
息もかすかになっているブナパルトマンは息をするのもやっとなくらいの攻撃をくらってしまっていた。
出血も見られたし、血反吐も少し吐いてしまう。
「やばいポルよ、今までで一番やばいポル」
「我ら、何かできることないか」
その様子を見ていたポルらは、民間人の避難を完了させていた。
「あいつらやべえじゃねえか!ったく、任せろとかほざいといてあのざまかよ」
イカ息子はぎゃわれマンらを見て、すぐ向かおうとした。
「待つポル!」
「なんだよ、あいつらあれもう一発くらったら命はねえぞ!」
なぜかポルは止める。
「ポルたちもいく!」
「あ?あー、なんかわかんねえけど、行くならさっさといくぞ!」
イカ息子らサターン帝国はポルとフラグたんを連れ、ぎゃわれマンのもとに急いだ。
重傷を負ったぎゃわれマンたちは、先ほどの攻撃の前に立ち上がれずにいた。
「このままでは死んじゃうんですかね」
弱音を吐く天音の前にぎゃわれも諦めムード状態であった。
「ヒーローも甘くなかったってことか」
佐藤太郎も立ち上がれず、自身のふがいなさを悔やんだ。
「ああ、あれ」
ぎゃわれは指をさすと、またエターナルシャドウはエネルギーをため始めた。
「あははは、とどめを刺そうとしてるんだ」
「逃げる力も残ってませんね」
「ここまでか」
倒れる3人はなんとか体を動かそうにもダメージが大きすぎて動けずいた。
そしてエターナルシャドウはもう一度大きなエネルギー弾をぎゃわれらに向かって解き放った。
ゴゴゴゴゴゴと勢いよく迫ってきた。
(もうだめなのか)
ぎゃわれは目をつぶると死を覚悟したのか走馬灯のようなものが見えた。
それは自身が生まれて歩んできた思い出、ポルとフラグたんと最初に出会ったとき。
ブナパルトマンこと佐藤太郎と出会ったこと、初めて戦ったこと。
イカ息子、クワガタ幹部、ガジン、ミスターBらサターン帝国に出会い戦い平和条約を結んだこと。
謎の宇宙からの侵略者と戦ったこと。
地獄組織メゲルドンをサターン帝国とメイドGとともに戦ったこと。
減力したり料理つくったり、必殺技考えたり、クリスマスにイカ息子と過ごしたこと。
みんなで年越ししたこと、エロゲしたこと、天音の過去についてきいたこと、アニメを語ったこと。
コスプレしたり、サターン帝国怪人の合体みたり、ひなちゃんが転送してきたり。
楽しかった思い出がいっぱい、いっぱい!ぎゃわれの中であふれてきた。
「やっぱり死にたくないな」
ぎゃわれの思いに答えるように、3人の前に大きな、大きな50メートルを超えるブナパルト鉱石が現れた。
そしてエターナルシャドウのエネルギー弾がそれにぶつかると押し負けないようにぎゃわれらを守っていた。
「これは一体どういうことだ」
顔を上げるぎゃわれは目の前の光景がすさまじく声をあげた。
「ぎゃわれの諦めない気持ちに答えてくれたとしか」
と答える佐藤。
「すごいですねこれ」
流れてくる粒子の中で、自身のキズや消耗した体力が回復していくことがわかった。
ブナパルト鉱石、これはぎゃわれがもっていた鉱石の一部が大きくなったもの、そう断定できたのだが。
ミシミシと音がしてくる。
バリアも長くはもちそうにもなかった。
「これでもダメなのか」
エターナルシャドウはさらに威力を高め、エネルギー弾をパワーアップさせる。
傷はなくなり、体力も回復したのだが、まだ全回復とはいかず、立ち上がることができずにいた。
「せっかくのチャンスだったのに」
ブナパルト鉱石のバリアは今にも壊れる寸前だ。
「なんとか、立てるまでには」
天音も立ち上がろうとするも、力が入っていかなかった。
「せめて俺だけでも」
ブナパルト鉱石を握りしめ、小鹿のように震えながら立ち上がる佐藤太郎だったが、立つのでやっとだった。
「まだ終わりじゃない、まだ終わるわけにはいかない、まだまだ俺たち、楽しいこと残ってるんだから」
ぎゃわれは自分の楽しみにしていることを思い浮かべながら、立ち上がるも、再び立ち尽くしてしまう。まだ体力も回復しきっておらず、動くことも精一杯の状態だった。
そして、エターナルシャドウのエネルギーは、ますます増大し、ブナパルト鉱石のバリアをどんどん砕いていた。
そしてブナパルト鉱石はまるで部屋のドアのような形になり、最後の砦のように薄い壁となって立ちはだかった。
「ドアのお約束、ふふ、このペペペペペーがよ、こんな、こんなところで、それかよ」
ぎゃわれは意味の分からない言葉を発するが、それは今まで何度も体験してきた、ぎゃわれの部屋での戦いの記憶。
このペペペペペーとは馬鹿野郎、ドアのお約束とは。
「サターン帝国バースト!!!!」
サターン帝国の登場を現すもの。
サターン帝国怪人となっている、イカ息子、クワガタ幹部、ガジン、ミスターBの4人はエネーナルシャドウのエネルギー弾をバーストにあて、エネルギー弾の弾圧をとめる。
「おい!!これ凄まじすぎるじょ!!」
「ああ?これくらい持ちこたえられない俺らじゃねえだろ!!」
「ううう」
「追加のクワガタ玉もくらえええええ」
頭からクワガタ幹部のクワガタ玉がバーストの攻撃に加わった。
横から投げやりのように放っているサターン帝国バーストは、体の中心軸から解き放ち、上の頭からクワガタ玉を解き放っており、ぎゃわれ達が横たわっているブナパルト鉱石が当たっているところから攻撃を仕掛けている。
「なかなかつらいじょーー」
「持ちこたえるしかねえだろ!!」
「ううう」
「なんて力なんだ」
4人とも精一杯パワーを上げて攻撃しているのだが、圧倒的なエネルギー弾のパワーでバーストでもなかなか互角ともいえないほど押されようとしていた。
「ここで負けてたまるかよ!」
イカ息子は渾身の力で足を前に前に出していき、リーチを縮めていく。
「俺らサターン帝国の汚点なやつら、サターン帝国・闇がしでかしたことは、俺らの責任なんだ。こんな厄災は俺たちで片付けねえと、ここにいる意味がねえんだよ!」
イカ息子はさらにパワーを上げ、バーストの力を強化しているのだが、サターン帝国怪人状態でやっている以上、他の3人のリスクも大きかった。
「だめだ、クワガタ玉も限界だ、バーストの方に集中する」
クワガタ幹部も限界のようで、クワガタ玉での攻撃もここまでとなってしまった。
「うう、つらい」
ミスターBも自分の力を使う、ガジンも負けずと力の限り降りしきっていた。
だが
「ウゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ」という雄たけびをあげたエターナルシャドウ
一旦攻撃がやみ、終わったかと思ったつかの間、影がエターナルシャドウの口に吸い込まれる。
「な、なんだ?」
バーストをやめたサターン帝国怪人はボロボロのまま、立ち尽くしてしまう。
「なにが起こってる?」
ブナパルトマンは起き上がると首をかしげながらいた。
黒い影はエターナルシャドウの口元にすべて入りきるとそれは今までのエネルギー弾ではなく、黒い塊となり、黒いエネルギー弾となり、パワーを溜め始める。
そして天高く飛び上がり、エターナルシャドウを止められるものは誰もいなかった。
「やばい奴、来るんじゃないの?」
嫌な予感しかないぎゃわれは、ドア上のブナパルト鉱石に寄りかかりながら、上空を見つめた。
そしてその嫌な予感は当たる。
上空から黒いエネルギー弾が勢いよく地上まで降り注ぐ。その大きさは街を覆いつくすほど影は濃い色で禍々しいほど不気味だった。
「あんなのどうやって」とたじろぐぎゃわれ。
「考えてる暇ねえぞ」と膝まづくイカ息子。
ブナパルト鉱石の力で回復したとはいえ、ボロボロの満身創痍では、何もできず動けないでいた。
先ほど避難させた市民もゆっくり避難していたが、被害はでる範囲で、彼らもまた上空からのクロイエネルギー弾を見て、口をぽかんとあげながら、終末を迎えるかのような絶望した顔をしていた。
「もう、だめなのか俺たちじゃ」
愕然とするぎゃわれ。
「ポ、ポル?」
ポルとフラグたんもぎゃわれに駆け寄る。
「まだ諦めちゃだめポル」
「わ、我もともに戦う!」
3人は身を寄せ合う中、黒い影のエネルギー弾はどんどん押し寄せてきた。
(もうだめか...)
全員が諦めようとしたときだった。
「転送」
黒いエネルギー弾の下に転送装置が突如出現
「あれは、もしかして」
「間違えねえ、ひなの転送装置。だがあいつは拘束されてるんじゃ」
「いや何回か俺の部屋に来てるぞあいつ」
・・・という間があくが、そんな場合ではなかった。
「何が起きてるんだ?」
ブナパルトマンは転送されてきた転送装置をじっと見つめる。
その先にいたもの。
「あれって、もしかして」
クワガタ幹部が思わず声に出した。
その正体。
「デビルズキラーとアリ大佐の石板!?」
転送装置が黒いエネルギー弾を吸収していた先は、デビルズキラーとアリ大佐の石板だった。
現場状況を確認していないと思われていたが、ネットの中継を見ていたと推測される。
「何をしてるんだ?」
佐藤は体を起こし、見える位置まで移動する。
じっと目を凝らす。
「アンドロイドのお嬢ちゃんがいるぞ!」
「「「「なんだって!!??」」」
ぎゃわれ、ポル、フラグたんは一斉に声を上げた。
なんでお前らが言うんだよとみるサターン帝国だったが。
どうやら先にひなが転送してきて、転送装置を転送し、その転送先をデビルズキラーとアリ大佐のところまでつなげたということである。
「しかし何が目的で...」
天音は首をかしげる
「もしかして、最初からこれが目的だったんじゃね?」
イカ息子はサターン帝国・闇の永遠の影を復活させる意図を感じた。
「なにかわかったんか???」
ガジンは詰め寄るように、ミスターBやクワガタ幹部、ぎゃわれらも詰め寄る。
「近寄るな、暑苦しい、いやそもそも、あんな制御もできそうにないあれを復活させてどうるんだって話だよ」
「あー」
ブナパルトマンがブナパルト鉱石でEX部隊を封印する前から、この計画はスタートしている。
小鳥遊家襲撃は、小鳥遊家の脅威もそうだが。永遠の影が記載している書物を手にすること。
「魔王から聞いたんだが、当初から怪人や日本の伝承などにもデビルズキラーは興味あるらしくて、どこからかこの地に眠る永遠の影の情報を知りえた」
「初耳」ミスターBは拗ねるように言った。
「つまりはだ、あのエターナルシャドウを従いたいんじゃなくて、そのエネルギーを奪って、自分自身の力にする。つまりは自身のパワーアップを狙っての計画だったということだと思うんだが」
イカ息子はそれらしい答えを見出すが。
「だとしても、石板にされていることは計画外じゃん、やっぱり従いたいのが、当初の目的なんじゃね?」
ぎゃわれがそういうとイカ息子の説明に追加して納得がいった。
「でも待つポルよ、じゃあ、今あいつらがやってることって」
じろりとポルは黒いエネルギー弾の吸収をみる。
「わ、我はしーらない」
プルプル震えたフラグたんが逃げ出そうとしたのを止めるぎゃわれ。
「間違えない、あいつらは、石板の復活を解いて、完全復活を超えて、更なる力を得ている」
佐藤太郎はそういうと一同はまっすぐその先をみる。
「悔しいが、あれに助けられたみたいだよな」
クワガタ幹部はそういうと、皆しょんなりした顔をした。
まだ黒いエネルギー弾の攻撃は続き、そのエネルギーをどんどん吸収していった。
その下にいるひなは、まるで心の内容に、無常に転送装置の維持をしていた。
まるで誰かに操られているかのように。
「ひな、俺の部屋に来た時とはまるで別人だ」
「というかひなは何しにぎゃわれの部屋に来たんだよ」
「多分、遊びに」
ぎゃわれはそういうと、ひなが来た時のことを思い出していた。
(本当に何しに来ていたんだろう...)
黒いエネルギー弾の下で転送装置を維持していたひなをもう一度見る。
「しかし、耐えれるのかひなは」と心配すると
「僕が作ったアンドロイドを甘く見るなぎゃわれ」
後ろから声が聞こえる。
「鈴木!!」
「相も変わらずボロボロだな君は」
「おお!魔王じゃないか!久しぶりだな」
魔王皇帝閣下ががくがく震えながらやってきた。
内心ビビりながら戦いの現場を見に来たのだろう。
「魔王皇帝閣下、お前怖いなら帰ってろよ」
イカ息子は察するかのように帰宅を進める。
「いやいや、怪人再生能力がいるかと思ってね」
「いや、いらねーな」
イカ息子は魔王の言葉を蹴る。
「鈴木、ひどいなお前も、ってなに?」
佐藤はぎゃわれに指でちょんちょんした。
「お前ら知り合いなん?」
「ああ、魔王の鈴木とは、高校の同級生なんだよ」
「はああああああああああああ?」
「ええええええええええ?」
いきなりの衝撃発言に佐藤はおろか、天音も声をあげていた。
「どういうことだよ」
「初耳なんですが!!」
詰め寄る二人に後ろに引き下がるぎゃわれ。
「いや俺も知らんかったんだけど、なんか平和協定組んだ時に俺も知ってびっくりした」
「僕もぎゃわれが佐藤さんきっかけで変身したなんてびっくりしたよ、まったく」
「世間って狭いですね」
感心している天音だった。
「というか、俺は戦線に真っ先に来ると思ってたぞ、あの時基地に乗り込んだ魔王はどこ行った」
佐藤はそう聞くが。
「ああ、あれは、うん」
「魔王は、あの時の戦いの跡、ギリギリまで戦ったんだが、自分は戦闘向きじゃないことに気づいたらしく、トラウマと」
「ビビりになって、全部ぎゃわれに任せたんだよねねね」
クワガタ幹部とガジンは説明した。
赤面してしまった魔王皇帝閣下こと鈴木大地は恐怖でビビってしまっていることを告げた。
「しっかり見て起きたかった、サターン帝国の戦いを、だから」
ごそごそと魔王はポケットから何かを取り出した。
「さっき買ってきたスマホごしにカメラで見てるから、じゃ!みんながんばって!夕飯はカレーみたいだよクワガタ、ガジン、B!」
「俺にはねえのかよ」
「イカ息子はぎゃわれの家で居候だろ?」
魔王はそう告げると、そそくさと退散していった。
「なんだったんだ、魔王は」
「あいつはあいつなりに戦いに来たんだろう、こっちは任せたってことで、少し力沸いたわ」
「そうですね」
ぎゃわれと佐藤と天音は気合が入ったかのようにスイッチが入る。
天音はふと自身のキーホルダーをみる。
普段、変身で使うキーホルダー、これは彼女の母親から譲り受けたものだった。
「お母さん、絶対守るからね、この世界」
あの時託された思いを胸に気合をいれた。
するとキーホルダーは小さな光を見せた。
天音は少し見て、また前を向いた。
(何だろう今の)とだけ思ったらしい。
黒いエネルギー弾は転送装置先のデビルズキラーとアリ大佐の力と化してきていた。
「これでいい、我らの完全復活は近いぞ」
「ええ、この時を待っていました」
吸収していくエネルギーがとてつもなく強大だとわかると、にやりとしながらその力を取り込む。
「一号が洗脳しやすくて助かる、魔王の作るプログラムは単純だからな」
「ええ、あいつはもうすぐ、捨て駒ですね」
「いや、まだ価値はある、今は自由だが、完全復活後は完全な俺の支配下だ」
「あなたらしい」
「それに、新たな怪人も作り出す計画だしな」
「それはそれは、楽しみですね」
デビルズキラーとアリ大佐はお互い、そうつぶやきながらエネルギーが充填されていくことを待った。
そして、黒いエネルギーが尽きたのか、エネーナルシャドウの攻撃が止まった。
というか、転送装置の近くまで天から舞い戻ってきた。
「転送装置を消せ一号」
「・・・」
ひなは何も言わず、転送装置をもとの基地の中に納まるよう転送した。
そして、ひなは、洗脳が解かれると降りてきたエターナルシャドウの影の手により、弾き飛ばされた。
「ひな!!」
まだ全回復ではないぎゃわれがひなを抱きとめた。
「おお!やるな」
感心する佐藤。
「まあ」
抱き方がいやらしかったか天音は声が出る。
「よかったひな、無事で」
「ここはどこ?わたしはだれ?」
ひなは小ボケをかますと、ポルにこつんと叩かれた。
「ギャグやってる場合じゃないポルよ、ひなは戦えるポルか?」
「今ならデビルズキラーもエネルギー吸って、洗脳から回避できる、大丈夫と思う」
ひなは満面の笑みでガッツポーズを取るが、アンドロイドの為ぎこちない。
エターナルシャドウは先ほどのエネルギーを使ったせいか、少々弱っていた。
「叩くなら今ですね」
天音はそういうと先ほどのキーホルダーの光が強くなっていた。
「お前なんだそりゃ」
「これは、もしかして」
天音はそういうと自分自身も光りだす。
そして、天音の体は光に包まれると、姿は先ほどのぎゃわれマンGの時のな羽衣と巫女の姿のメイドGとなった。
「え?え?え?」と驚くガジン
「はい??」とかしげるミスターB
「なんだそりゃ!!」と叫ぶフラグたんだった。
「これは小鳥遊家代々に伝わる、羽衣です」とぼやるメイドG
「いや巫女ポルよね」と突っ込むポル
「メイドG 真メイド(巫女)フォーム!!」
「いやメイド服じゃない巫女ポルよね」
淡々と突っ込むポルさんだったが
「私はメイド服が好きで、ずっと具現化してたのに、やっぱり巫女になるんだ」
覚醒というよりかは、今まで天音の好きに変身していたものが、強制的に小鳥遊家モードになったようだ。
「まあこっちのほうが強いですけど」
「つまりはリミッター解除か?」という佐藤に、「そうそう」とつぶやく。
そうこうしているうちに再びエターナルシャドウは地上に降りてきて、残っている建造物を破壊し始めた。
「時間がねえ、ぎゃわれ、いけるか?」と聞くイカ息子に対し
「は、もう最高に行けそうな気分だ。ここから俺たちの逆転劇がはじまるぜ!」
ぐるんぐるうと腕を回しながら、ぎゃわれはエターナルシャドウに宣戦布告するかのように指をさした。
それが合図のように、横一列にならぶ、一同。
「ポルたちも」
「我も一緒に」
「ああ、いくぞ!!」
かっちゃんをもったぎゃわれは、ポルとフラグたんを引き付ける。
「スタンバイ!変身!ポルトフラグたん!!」
ぎゃわれの体はぎゃわれマンの姿に変化し、そして型に鳥のような羽を装着し、ベルトにポルさんを装着した。
「ブナパルトチェンジ!」
「I・K・G・M! サターン帝国怪人」
佐藤は拳を合わせると、ブナパルトマンに変身。
サターン帝国ブレスのボタンをイカ息子が押すと4体の怪人は一つとなり、サターン帝国怪人が完成した。
ぎゃわれマンポルトフラグたん、ブナパルトマン、サターン帝国怪人
その横に並ぶように、メイドG 真メイド(巫女)フォーム、ひなが並ぶ。
「よっしゃ!いくぞ!」
ぎゃわれの掛け声とともに、一同走り出す。
ひなは転送軸をセットし、いち早くエターナルシャドウの元に移動した。
ひなは上空から手をエターナルシャドウに向ける。
「ひなちゃんビーム!!」
ひなの手から放たれるビームはレーザービームとなりエターナルシャドウの体を見事焼き切った。
その凄まじい光線に思わずエターナルシャドウの呻く声が響き渡る。
その光景を見ていたサターン帝国怪人は
「俺のレーザービームより高性能」
ミスターBがビームの威力をみて顔を下に向ける。
張り付いているからわかりにくいけれど。
それを見た3人は声をかける。
「しょげんなしょげんな」
「俺!Bちゃんのビームも好きだじょ!」
「おれも...」
イカ息子とガジンは励ます中、クワガタ幹部の声だけかすんだ。
「ありがとう」
「さあ、ひなに負けずいくぞ!」
サターン帝国怪人はガジンの羽を広げ上空に飛び上がった。
エターナルシャドウは向かってくるサターン帝国怪人に黒い影の触手を仕向ける。
サターン帝国怪人はその攻撃を軽くかわしながらエターナルシャドウまで一気に攻め込む。
「もう、お前の攻撃は見切った!」
クワガタ幹部はそういうと、クワガタ玉を連射する。
「おりゃ!!!」
ガジンもリンプン爆弾を振りまく。
エターナルシャドウの周りは爆風が吹き荒れる。
「おい!周りもみろよ」
ぎゃわれはサターン帝国怪人に向けて怒鳴る。
「すまんすまん!」
平謝りするイカ息子。
リンプンが目に入ったのかエターナルシャドウは苦しみだす。
「うhgっがhぐsばさwggggっが!!!!」
声にならないエターナルシャドウのもがき苦しむ声が聞こえる。
「はあああああああああああああああああああああああ」
メイドGは素早く突き進む。
「いきます!」
メイドGはサターン帝国怪人を踏み台にする。
「なら俺も!」
ぎゃわれもサターン帝国怪人をノリで踏み台にした。
「俺は踏み台じゃねえぞ!!!」
2人に続いて、エターナルシャドウのところに向かう。
「おいていかないでくれ!」
ブナパルトマンもそのあとを続いた。
「メイド流!エメラナ・ライジングインパクト!!!」
手のひらを広げ、一度エメラナを展開させ、エターナルシャドウに気道をぶつける。
その威力は今までのメイドGの攻撃よりはるかに強く、エターナルシャドウの身体を後ろに吹き飛ばす。
「今度は俺だ!!」
ぎゃわれマンはそういうと飛び上がる。
「ぎゃわれ!」
近くにひなが近寄る。
「転送コンボいくよ!」
「OK!ポルも準備いいポルよ」
「お、おうおうおう」
ポルとフラグたんも構える。
「転送!!」
ぎゃわれとポルとフラグたんは一度合体を解除し、3人に分かれる。
ぎゃわれマンはぎゃわれマンGに一度パワーアップした。
「ポルさんアタック!」
「フラグたん!アタック!」
2人はエターナルシャドウに向かって体当たり攻撃をくり出した。
「「ぎゃわれ!」」
「俺もいくぞおお!」
後ろからブナパルトマンも続く。
「ぎゃわれ流!G拳!!」
「ブナパルトショトオオ!!」
ぎゃわれ流のG拳が炸裂するとエターナルシャドウの身体に大ダメージを与える。
加えて、ブナパルトマンの鉱石ショットが体を蝕んだ。
「続けていくぜ!」
「俺たちも」
「私も」
「私も行きます」
ぎゃわれ、サターン帝国怪人、ひな、メイドGは大きく飛び上がると、ひなは転送で、エターナルシャドウの前まで転送させる。
ぎゃわれマンはぎゃわれマンブナパルトにパワーアップする。
「ぎゃわれブナパルトパンチDX!!」
ぎゃわれの拳が緑の大型拳に変化すると、通常ブナパルトパンチより強大なパンチが炸裂。
「イカ息子ソード!、セイントアックス2号!くらえええええ、イカ息子衝撃波スラッシュ!セイントスプラッシュ!!」
二刀流?の攻撃にエターナルシャドウに重症の傷を与える。
「ひなちゃんビームビームビーム」
転送でファンネルのように四方八方からビームをエターナルシャドウにむけて攻撃した。
エターナルシャドウは3人の攻撃で、ボロボロの身体になりつつあり、悶えこむように叫び、弱っていることがわかる。
「メイド流!G拳!100連打!!」
素早いG拳の攻撃は、何度もひなの転送移動により、数発もかわさず、エターナルシャドウの急所を攻撃する。
「俺も負けてられない!」
ブナパルトマンもひなの転送で、エターナルシャドウのいる上空から一気に落下していく。
「てか高くてこわいいいいいいいいい」
上空50メートル以上から落下するブナパルトマンはすこしちびっていた。
「流れ星、ブナパルトパンチ!!」
上空から突き刺す拳はエターナルシャドウの頭蓋骨を破裂させる。
とてつもない痛みにエターナルシャドウは暴れだす。
「ちっ、暴れだしやがる」
「まだまだいこうぜ!」
サターン帝国怪人とぎゃわれマンは連携し、走り出す。
ぎゃわれマンは再びポルトフラグたんに代わると、羽からジェット噴射で飛び上がる。
「目からレーザービーム!!」
ミスターBは目からレーザービームでエターナルシャドウの身体を焼き切る。
「あいつもやるな」
「感心している場合じゃないポルよ、ポルたちも行くポルよ」
「我らの力見せてやろう」
「OK」
ぎゃわれらは一致団結すると、ひなに合図すると、転送でエターナルシャドウの腹のところまで一気に攻めよった。
ぎゃわれマンは扇子と取り出し、舞を踊る構えをとる。
「扇子スラッシャアアアアア乱れ切り!!」
下から上に暴れる影を交わしながら、きれいに体に扇子の鋭い刃を切り刻む。
「まだまだああああああ」
上空からぎゃわれマンは拳を指と指で合わせた構えをとった。
「ううおおおおおおおおおお、ポルっとゲーム!」
ドンドンドンドンドンドンと空気内ににゃんにゃんのような拳を叩き込み、その次にチョップのような速い連続攻撃で、転送と合わせてあっちこっちでエターナルシャドウに向けて攻撃する。
「ぎゃわれ影が!」とフラグたんが押し寄せる影を指さす。
「問題ない!」
ぎゃわれマンは構える。
「ぎゃわれダンスアタック!!」
ぎゃわれは自己流のダンスを披露すると、エターナルシャドウの黒い影かわす。
「くらええええ、ぎゃわれっくブラッシャアアアアアアア!!」
ぎゃわれマンは足に力をため、エターナルシャドウの腹にキックをあてる。
「続けて!真・ブナパルトパンチ!」
「俺もブナパルトパンチ!」
ブナパルトマンもぎゃわれマンに並んで、ブナパルトパンチと赤い拳のブナパルトパンチをくらわす。
「ひなちゃんビーム!」
「メイド流G拳!」
「サターン帝国スラッシュ!!」
他3人もエターナルシャドウに向けて一斉攻撃すると、エターナルシャドウはゼイゼイと息をあげる。
吹き飛ぶエターナルシャドウを見て、ぎゃわれマン、サターン帝国怪人、メイドG、ひな、ブナパルトマンは並ぶ。
「どうだ?いけそうかな」
「いけるだろ、俺たちなら」
「私もまだいけます!」
「俺はつかれた」
「ひなもやれる」
やる気満々な一行の前に、エターナルシャドウは上空飛び上がる。
そして、最後の攻撃ともいえるのか、黒い影はエターナルシャドウに取り込まれる。
「あれがくるのか?」
「くるポルね」
「なら俺たちも最大の攻撃で迎え撃つぞ!」
ぎゃわれマンとポルとイカ息子はそういうと、ほかの面々も同意した。
おそらく全員限界が近い、エターナルシャドウも最後のエネルギーをためる。
それは黒くどす黒いものに変化していく。
「我らも構えるぞ!」
フラグたんが声をあげる。
「おう!!!」
その掛け声をもとに面々力をためる。
ぎゃわれマンは羽をキャノンモード横に変える。
サターン帝国怪人はイカ息子の顔がある胸に力をためる。
メイドGは拳を平手に変え、力をためる。
ブナパルトマンはブナパルト鉱石を握りしめ、拳に力をためる。
ひなは転送式の力を一転に集中させ、最大出力状態の形態に切り替える。
「くるぞ!!」
力をためている面々を気遣ってか、その合図をフラグたんが見極める。
エターナルシャドウはどす黒いエネルギー弾をぎゃわれマンらに向け、一気に解き放つ。
「きた!いまだあああああああああああ!!」
フラグたんは街に響くような大きな声を響かせる。
「超ぎゃわれバーーーーーーーーーストオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!」
ぎゃわれマンはぎゃわれの文字の最大のバースト攻撃。
「サターン帝国バーストオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!」
サターン帝国怪人は※のマークのバースト攻撃。
「メイド流!エメラナ・ライジングインパクト!!!!!!!!!!」
エメラナ状態のライジングインパクトの攻撃をむける。
「ブナパルトインッパクトオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」
力よく、インパクト力のある拳からブナパルト鉱石の拳弾をエネルギー弾にあてる。
「ひなちゃんビーム最大出力」
淡々というひなちゃんは、今までにない凄まじいビームの攻撃。
10人の攻撃は、満身創痍のエターナルシャドウのエネルギー弾と衝突!
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
とても思い重心がのしかかり、全員限界突破までパワーを出し続ける。
超ぎゃわれバーストも5つの二重○がいつもより大きくそして、ぎゃわれの文字も大きく見えた。
他の面々もいままでにない、最大出力で対抗。
「ギュギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア」
エターナルシャドウは雄たけびを上げながらエネルギー弾を放出。
蓄積されたダメージからか、その攻撃は少しずつ押されつつあった。
「パワー最大出力、ひなもっと頑張る!」
ひなはそういうと、先ほどより、比べ物にならないくらい、ひなちゃんのビームがさく裂。
それは他の面々より、とてつもない威力のものだった。
「もう少しポル、あとちょっと、踏ん張れポル」歯を食いしばるポル
「我もう限界」と震えるフラグたん
「まだだ、俺たちはここで諦めねえ」と足が地面に刺さるくらい地割れを起こす迫力を見せる。
「しゃべってる暇あるなら、もっとパワー出しやがれ!」と喝をいれるイカ息子。
「お、おれも」
「ガジンいくじょおおおおお」クワガタ幹部の言葉を遮るガジンさん。
「うううう」と少し苦しそうなミスターB
「まだまだまだだだだだ」痛がるブナパルトマンだが、ブナパルト鉱石が一番頑張ってます。
もちろんブナパルトマンの根性も合わさっての攻撃なのだけれど。
「はあああああああああああああ」
メイドGは今までと比べ物にならない力を発揮、真メイド(巫女)フォームの力は伊達ではなかった。
覚醒した力は、小鳥遊家の中でもとても強く、かつて何人がかりでエターナルシャドウを封印した力だけあって効果てきめんとも言えていた。
「ひな、まだいける」
ひなはまだ余力を残しているが、アンドロイドだけあってオーバーヒート寸前を保ちつつ、出力を上げる。
「まだいける、俺たちがやってきたことが無駄にならない為にも、ここで負けるわけには行かないんだ!!」
ぎゃわれは踏ん張ると、持っていたブナパルト鉱石の力も相まって、ぎゃわれの持つ力ぎゃわれパワーが他の面々と呼応する。
「みんないくぞおおおおおおお!!」
ぎゃわれがそういうと、今までバラバラであった攻撃が一つの大きな光線に交わる。
「ぎゃわれポルさんフラグたんサターン帝国メイドGブナパルトバースト!」と叫ぶ中。
「いや長いわ!!」と突っ込むイカ息子をしり目に、みんなのバーストはエネルギー弾をエターナルシャドウに押し戻した。
「いっけええええええええええええええええええ!!」
最後の全員の勢いも相まってか、エネルギー弾が完全に消滅し、みんなのバーストがエターナルシャドウに炸裂した。
「ぎゅういいういうあああああああああああああああああああああああああ!」
凄まじい雄たけびを上げながらバースト技はエターナルシャドウの体を焼き切る。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
10人は最後の力を振り絞り、最後の最大の踏ん張りをエターナルシャドウにぶつける。
「これで終わりだ!!」
みんなのバーストは50メートルもある、エターナルシャドウの体を包み込み。
その体全身を貫いていった。
「ぎゅうああああああああああああああああああああああああ!!」
バーストを浴びたエターナルシャドウは最後の雄たけびをあげる。
周りの黒い影は次々と消滅していき、本体である体は崩壊していくように消滅していった。
爆散ではなく、エターナルシャドウは元々影の存在であり、もとより本体など最初から存在していなかった。
肉体は崩壊するだけで、実体は最初から、いや古来から存在しなかったのである。
永遠の影であるエターナルシャドウは、人々の影からでき、エネルギーにより、実体化した化身だったのかもしれない。
ポルはそう思いながら、消えていくエターナルシャドウを見ながらぎゃわれとともに変身が解かれながら倒れていく。
「やった、エターナルシャドウを永遠の影を倒した」
「俺たちの勝ちだ」
ぎゃわれとイカ息子はそういうと倒れこみながら熱い握手を交わした。
「さすがポルたちポルね」
「功労者は我だな」
倒れこみながらポルとフラグたんは安堵する。
「もうヘロヘロ」
「だな」
変身が解かれた天音と佐藤太郎も倒れこんだ。
「ひなフリーズ」
すでにオーバーヒート状態となったひなは倒れこまず、その場に立ち尽くした。
それを見てか、サターン帝国の面々はにやりとする。
「やっぱり、ひなは」
「俺たちのナカマだじょ」
「うん」
クワガタ幹部、ガジン、ミスターBがひなを見ながら、安堵する。
「ん?ひな?」
ふとひなをみるイカ息子は、上空に転送装置が下りてきているのが見える。
「まだ迎えに行くのは先みたいだな」
先ほどパワーを吸収したデビルズキラーがひなを強制送還する転送装置をよこしていたようだ。
「ひな大丈夫、みんな信じて待ってるから」
意識を取り戻したひなは上空の転送装置をみて、倒れこんだみんなをみてにやりとほほ笑む。
そして空を見上げると先ほどまで永遠の影のような黒い雲が消え、綺麗な青空が見えてきていた。
「きっとこれからもその空をひなはみる」
「ああ、そうだな」
ぎゃわれはひなの顔を見て、にやりとほほ笑んだ。
ひなは遠くから聞こえる歓声の声とサイレンやこちらに向かってくる民衆の声に反応した。
「そろそろひなも、戻される。その前に」
ひなは、自身の転送式を展開する。
「これ以上、みんなが苦労しないように」
「英雄万歳三唱はなしか」とブナパルトマンは少し悔しそうではあった。
「まっ、俺たちには似合わないわな」
イカ息子はそういうとヒーローとは見えないボロボロの全員をみて苦笑する。
「だな、俺たちはこのままで、国民的ヒーローってより、マニアックな方で十分なのかもな」
「ですね、私ももう疲れました」
突っ込む気すらない、全員は満身創痍疲労困憊の限界値まで突破、意識を保つのでやっとであった。
「じゃあ、飛ばすね」
ひなはそういうと転送軸をぎゃわれの部屋に設定する。
「必ず助けにいくからな」
イカ息子と他サターン帝国、ぎゃわれ、天音、佐藤はひなを見つめる。
「ありがとう、ひなは、嬉しいよ」
涙を流したかのように、頬からしずくがこぼれる。
雨は降ってはいなかった。
「待ってるね。ばいばい」
ひなは転送軸を設定した手とは逆の手で手を振りながら全員を転送する。
転送されたぎゃわれらは転送先のぎゃわれの部屋に倒れこむように、それぞれ転送された。
部屋を見ると、安堵したかのうように、眠りについた。
転送装置にて強制送還されるひな。
「いっちゃった」
上空にある転送装置は今にも転送される寸前で会った。
「ひなはこの景色忘れない」
そういうとカメラのシャッターを切るように景色とデータ化し、今までの戦闘もインプットした。
そして全員の記憶も、バックアップも残して。
「さて、戻る」
ひなもまた転送装置によって、もとのサターン帝国・闇の基地に戻った。
先ほどまでぎゃわれらがいた場所には警察や自衛隊、民衆や報道陣が押し寄せていた。
まるで何もなかったかのように、何も痕跡もないままであったため困惑する。
そして倒壊した建物に人がいないか確認する自衛隊。警察報道陣。
すぐさまテレビ報道するキャスター。
その映像が流れていることをまだ寝ているぎゃわれらは知る由もなかった。




