小鳥遊家とEX部隊
第11章 小鳥遊家とEX部隊
早朝、起床したぎゃわれら一行は身支度を済ませて小鳥遊家本家へと向かった。
「小鳥遊家の家なんて初めてだが、ここであってるのかな?」
ぎゃわれらは天音から送って貰った住所を頼り、小鳥遊家まで訪れた。
集まったメンバーは、ぎゃわれ、ポル、フラグたん、天音の4人だけ、サターン帝国は急遽別の用事で来れなくなったどのこと、ブナパルトマンは来れないとだけ伝えられた。
「ポル達だけで、そんな永遠の影の古文書探せるポルかね?」
「我思うに、蔵の中なら大事なもところら辺にあると思うが」
旧小鳥遊家本家、かつては道場まである家ではあったが、現在は焼け果てて、更地となっており、残っているのは蔵のみ、幸い融資のおかげで土地の所有権は天音にあり、天音は現在別のアパートにて暮らしている。
「ついたはいいけど、何も無いな」
「あれが蔵ポルかね?」
ポルさんが指を指したのは本当に蔵のようなもの、蔵の前で天音が待っていた。
「あー!こっちです!」
ぎゃわれらを見つけるとこちらに手を振っていた。
すかさずぎゃわれらも応答する。
「ここにあるのか?」
「恐らくは、でも古文書や古い書物はデビルズキラーに奪われたり、焼けたりしてて、ここに残されているのかわかりませんけど」
「探すなり探してみよう、無かったらそれまでだ」
「そうなると人手不足ポルよね」
「ん?」
皆はフラグたんを見た。
「我が足でまといとでもいうのか?」
「うん」と一同頷き、しょぼくれるフラグたんだった。
「とりあえず、探すか」
「そうですね」
天音は蔵の鍵を開けると、中はほこりと蜘蛛の巣とガラクタが散乱していた。
「これは、骨が折れそうだな」
「本腰入れて探すポルよ」
そういうと、流石に汚れてしまうので用意していた汚れてもいい服に着替え、マスクと保護メガネをつけ、探す準備に取り掛かる。
「本格的ですね」
「形から入る奴がいるからな」
ぎゃわれはポルを指さした。
「なるほどです。」
ぎゃわれらは、とりあえずガラクタを適当な所へ放り投げ、重要そうなものを仕分けることにした。
「ぎゃわれ!すげーぞ!昔のコーラの缶があった!」
「これ見ろよ!よく分からないポスターだ!」
「トレカトレカ!!初期の奴!高く売れるぞ!」
フラグたんは関係ないお宝を見つけ、ぎゃわれに見せてきた。
「ほら、足でまといポルでしょ?」
「確かにですね」
その後もぎゃわれらは、仕分ける作業とお宝を探すフラグたんとで作業を進めた。
「この辺は一通り片付けたけど、書物みたいなものは見つからないな」
「やっぱり奥ですかね、それとも焼けてしまったのでしょうか?」
永遠の影が乗っている書物は1冊デビルズキラーによって奪われている。
それに関連した物が存在すること自体わからないのだから、無ければない、それだけである。
「やっぱり諦めるしかないか」
「すみません、お力になれず」
「いやいや」
ポルも諦めムードな雰囲気から、作業を止めてしまった。
「ぎゃわれ!これこれ!」
「今度は何を見つけた?」
そういうとフラグたんは、古い書物を持ってきた。
「あったあった!永遠の影に纏わる古文書!」
フラグたんは、手に古文書らしきものを持ってきた。
「小鳥遊英雄記」と書かれたものは、古い字体で永遠の影について説明と復活方法が記されていた。
「どうだ?我のお陰だろ?誰が足でまといだと?」
「悪い悪い、それで見つけたけど、どうする?」
「サターン帝国・闇の手に渡らないよう、保管するしかないポルね」
そういうとポルさんは、アタッシュケースを取り出し、古文書を中に入れ込んだ。
「どこでそんなものを…」
「ん?なにポル?」
当然のように持っていることにはてなという顔で3人の顔を見るポルさんだった。
「というか、中身もう少し詳しく見ないと」
永遠の影の復活方法
4点の祠と、その真ん中の記し、それはかつての小鳥遊家が永遠の影を封印したところで、間違えない。
「恐らくだけど、ブナパルトマンと一緒にEX部隊と戦ったあの場所、あの場所が永遠の影が眠る場所ではないのかと思うんだけど」
「それは、この4つの祠は」
「恐らく、封印した時の結界か何かではないかと思うポルけど」
「というか、相手も知ってたら、普通最初にそこの祠壊せば、あとは、永遠の影呼び出すんじゃね?」
一同はフラグたんの真っ当な意見に賛同せざるを得なかった。
「とすると、復活したEX部隊はまずは、永遠の影のいる場所ではなく、この4つの祠のどれかにいくということか」
「確か、EX部隊は7体いるポルよね、つまり分散してもたわいも無いということポルよね」
4体が祠を壊し、他のメンバーが永遠の影が眠る場所で待機する、転送装置も相手は所持しているところからすると、手間ではないことだ。
「やばいな、とりあえずは動かないと」
「サターン帝国に連絡いれるポル」
ぎゃわれとポルは、とりあえず蔵から出ようとする中、天音は1人ぽつんと空を見上げていた。
「どうした?」
「いえ、ここも懐かしいなと思って」
「前にブナパルトマンから天音のことは聞いてるけど、本当にもう大丈夫なのか?」
「前にも言ったかもですけど、もう私はその時の私ではないし、デビルズキラーは絶対許せません。一時期は俯いて、ずっと外も出れなくて、家族の葬儀もあまり覚えてないんですけど」
「でも今は」
「はい!メイドG、この力は家族からくれたもの、全てつまった大切なもの、それにぎゃわれさんやブナパルトマンさん?がいてくれるなら、私は負けません。まぁ最初に倒したのはイカでしたけど」
「確かに、手違いだったよな、あの時は」
「お互い何もしないまま戦ってましたね」
まだサターン帝国とサターン帝国・闇の違いも分からぬまま、メイドGもサターン帝国を追ってぎゃわれの部屋にやってきて闘った。
思えばサターン帝国はぎゃわれと天音を試したのかとも言える、魔王皇帝閣下に聞かないと分からないことだけど。
「ブナパルトマンも説明なんて、スマホのメールで済ませてるもんだから、俺もどうすればいいのかわからないからさ」
ブナパルトマンが、EX部隊とともに封印する前、ぎゃわれに一通りメールにて、今までのことを簡潔に送っていた。
過去について、ざっくりとしか知らないのだ。
「よく戦おうと思えましたね」
「ヒーローになって、1人で部屋で変身して高笑いした日、減力もしたし、必殺技考えたり、サターン帝国と戦ったり、楽しかったから、今は大変だけど、それもみんなが居るから楽しいのかもしれない」
「ぎゃわれさんらしいですね」
「そうか?」
お互い笑い、蔵から出て、古文書をしまい、サターン帝国の連絡待となった。
サターン帝国・闇
EX部隊は転送装置へと集合していた。
「いいか、永遠の影は、この4つの祠を破壊し、そしてこの中央の地下から復活するようにっていると思う」
「いや、思うってどういうことだ」
小鳥遊家から奪っていた書物を広げていたコブラアイスとクモガトリングは、永遠の影についての書記を確認していた。
「具体的には書いてない、でもこの場所の祠はとりあえず破壊する」
「それで4体が分裂して破壊するメロロロンね」
「YO!カイ!なんだぜ!」
「フッ!」
「無論、異論はない」
祠は、カメレマスクメロン、コウモリDJ、チーターダッシュ、マシロが行くようだ。
「そして俺らは、ここで待機か、痺れるぜ!」
中央の位置を指しているサソリボルトは、今か今かとそわそわしていた。
「恐らく、俺たちの行動で、動くヒーローがいるかと思う」
「ぎゃわれマン、サターン帝国、そしてブナパルトマンか」
「モチラッパーやホントリヒゲらを葬ってるからな、サターン帝国・闇も堕ちたもんだな」
「奴らと一緒にするな、俺らは痺れるくらい、最強のチームだ、奴らごときに負ける俺たちではない、それに」
サソリボルトは、書物をずっと見つめた。
「最強の切り札となりうる、永遠の影、奴を手にした時、この世に敵はないと思うが」
そういうとサソリボルトは、転送装置に近づいた。
「おい!一号ちゃんよ、まだ設定出来ないわけ?」
「座標がよくわからない、私は与えられた仕事するけど、あなた達は恐らく失敗する」
「けっ!操り人形のくせに、どうせデビルズキラーからの呪縛が解けない限りは俺らの道具のくせに生意気だ。失敗するだと?痺れること言うじゃねえか、数年前のようになるとは思うな。どんなにサターン帝国を信じても結果は一緒だ。」
サソリボルトは、ひなにデコピンをし、転送装置の中に入っていった。
「転送座標、4点の祠と永遠の影の封印地、転送します。」
「早くやれ」
「転送!」
ひなはそういうとEX部隊はそれぞれの場所に転送されていった。
「あとは任せる、ヒーロー達」
ひなは1人になった転送装置の部屋でぽつりとつぶやくのだった。
願うかのように手を重ねながら。




