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カミサマのかぞえかた  作者: 蜉蝣丸
25/53

その少女悪 前編

其処退け其処退けラスボス様のお通りだ

少女がいた

小学生ぐらいだろうか小さくそして真っ白な少女だった


まず目につくのはその非常識なほどに長いカミだろう

明らかにその身長よりも長いのだ

更におかしな事にそのカミは少女の膝の辺りで折り返していた

何かで留めているわけでも支えているわけでもなくただ重力を無視していた

街灯に照らされキラキラと輝きそしてゆらゆらと揺れるそのカミは見る角度によって様々な表情を見せていた

そしてそのカミに纏わりつくようにフワフワと浮かぶ虹色の光の球体があった


その面ざしは可憐

小さな卵形の輪郭にツンとした鼻先に小さな桜色の唇そしてアーモンド型のパッチリとした目

その吸い込まれそうな瞳は綺麗な黄色だ


身につけているのは白のワンピース

既に肌寒い日が続いているのにも関わらずまるで真夏を思わせる装いだった

靴は履いておらず足下には鏡のような銀色が見えた


出来の良いビスクドールのような少女がそこに居た


その少女は機嫌良く歩みを進めていた

いや正確には違う

よくよく見ればその少女は全く足を動かしていないのだ

更にその足元を見れば少女は地面に足をつけてさえいなかった

彼女はカミだけではなくその身体もまた重力から解放されていた


街中の騒ぎを無視して彼女は進む

助けを求めてすがろうとする者も

新たな犠牲者として襲い掛かる植物達も

ナニモノも近づくことすら許されない

誰もその道行を遮ることさえ出来ない

彼女の進む先は常に空けていた


進み続ける少女の前に人影が立つ

遂にその歩みを阻む者が現れたのだろうか

前に立った人影が見えていないかのようにそのまま少女は進み続ける

接触するそう見えた瞬間に不可解なことが起こる

人影がそこから動いていないのにも関わらず少女は通り抜けていったのだ

まるですり抜けたかのように実体がないかのように


人も植物も人影も見送るしかない

やはり彼女にはナニモノであっても触れることも阻むことも許されない何かがあるのだ


彼女はそのまま進み続け遂には中央塔に辿り着く

今は植物達の楽園と化している中央塔へ

そして扉の前へと進む

その扉は様々な植物に彩られもう二度と開くことがないそんな存在と化していた

少女は扉へと手を伸ばす

植物達が一斉に少女に襲い掛かるが全て後方へ抜けてしまった

少女は手を前に伸ばしたままでそこから動いてすらいないのにだ

いつのまにか伸ばした少女の手に品の良い扇子が握られていた

その扇子を少し開く少女


「赤光」


そう呟いた瞬間、周囲一帯を赤い輝きが覆い猛烈な熱さが襲う

植物は灼け落ちアスファルトは泡立ち鉄さえ溶けるそんな恐ろしいまでの熱さ

金属で出来た扉が溶け落ちたのを見ると目論み通りなのか少女はひとつ頷き扇子を閉じた

すると先程までの熱さがまるで嘘であったかのように少し肌寒い元の気温へと戻っていた

少女は溶け落ちた扉を抜け中央塔の内部へと進む


目撃者はいない全て蒸発してしまったのだから

ご拝読ありがとうございます


誰が何をしてそうなったのか

ただそれだけの話

後編では遂に黒幕(弱)が登場

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