彼方から此方まで
あまりハムハムできなかった
仕方ないね
獅堂が怒りをぶつけてくる
どうして解ってくれないんだと
無理をするなと
それはこちらも同じだ
どうして解らない
なぜ無理をしようとする
落ち着け弱気クソトカゲ
え?
だっくん、大丈夫?
待って、何?
だっくんがあまりにも情けないから乖離しかけているみたいだけど
椿さんごめんなさい
ああ混ざった
久しぶりに会話できたのはお互いに嬉しいが危ういところだった気をつけないとな
「お父さんがお父さんでお母さんだった!どうしてそんな大事なこと言ってくれないの!」
ええ、この緊迫した中でそれ
間違いなく俺達の娘だわ
それにしても混在しているとよく解らないのか
獅堂も驚いているじゃねーか
「もう一度だけ言おう。こちらで解決する」
驚いたものの気は変わらなかったようだ
平行線のままだな
さてどう落とすか
『なら両方進めたらいいだろ。どうせ途中までは同じなんだ、違いは最期だけだろ。俺がここに在って私はここに居る。まずは見てからにしようぜ』
「……どうしても助けるつもりなのかい?」
『その通りだ。お前のその辛気臭い面のせいだな。はじめは余裕が有って出来るならだったからな』
「君が犠牲になる必要はないだろう」
『そもそも犠牲じゃねーな。戻って来れるからな』
「そこまで変わり果ててしまったのに?更に進むのに?」
『人の心を完全に喪うよりは安いだろ?それに協力すれば楽に終わるかもしれねーぞ』
「そうか、解った。君もそういった理由もあって譲れないんだね。なら協力はしよう。でも無理だと感じたら」
『それでいい、じゃあ俺達は映像みてくるな』
獅堂と別れる
離れて行くのを黙って見送る
さて気分はある意味最高潮だ
視聴覚室は次のフロアだったか
さっき思い出したことがある私を辱めて殺したのはカミサマではない、人間だった
娘が蒼ざめてこちらを見ている
そうだ伝わってしまうんだった
『真鏡、人を恨んじゃいけないよ』
「だって、こんな。あり得ない。こんな悍ましい」
『大丈夫。優しい人も多いから。信じてあげて』
「どうしてそんなに優しいんですか!怒っていいじゃないですか!恨んでいいじゃないですか!そこまでされたなら人間なんて許す必要ないじゃないですか!殺し尽くせばいいじゃないですか!滅ぼしてしまえばいいじゃないですか!」
巫候補が腰を抜かして恐怖の表情で真鏡を見ている
当然だカミサマが怒りを露わにしているなんて信じられないだろう
それが人という種すべてに向けられているだなんて恐怖でしかないだろう
『終わったことだ。全員死んでいる。さっさと行くぞ』
納得できないかもしれないが意味もなく余計な波風立てる必要はないだろう
ご拝読ありがとうございます
ところでさ竜胆お前どうなってんの?
何されたの?
娘さんは何に怒ってるの?




