うちの娘は七不思議
設定を忘れて寝落ちしていた
周回周回寝落ち周回みたいな
優秀な娘
変人は放置して真鏡に話を聞くことにした
真鏡曰く今から伝える事は俺以外の今この場にいる人達は既に知っている筈とのことだった
では移動してという話になった時に復帰して来た五十嵐がこちらを睨みつけながら「先程はすまなかった。明日の準備がある」と獅堂とその場を離れようとした
すると全然すまなそうじゃないと真鏡に脛を蹴られたそれに悦びはじめ見てられないと目を背けたら同じように目を背けたらしい愛染と目が合った
やっぱりこいつの目が死んでるのってと思い悩んでいると立ち上がった五十嵐がこちらに来た
そしてその何とも言えない目を背けたくなる表情かつ震える声で「本当にすまなかった」と言われた
『既に終わったことなのでもういいです』と答えた時に心臓がキュッと痛んだ気がした
その場で解散し先輩と真鏡を肩に乗せ案内通りに移動していると後ろから愛染が着いて来ていた
突然先輩が彼女と話があるとのことだったのでいったん降ろすことになった
不安になって何度か振り返ったが特に揉めてはいないようで不思議に感じた
さっきまでのは何だったんだろうか
渡り廊下を進みながら真鏡に話を聞く
『ここって具体的にどんな力を使って作っているんだ?』
行き先がどう見ても校舎なんだよな
何か理由があるんだろうと聞いてみた
「元々はお母さんに貰った呪いの鏡のものです。学校の踊り場にあったという人を吸い込んで鏡の世界に閉じ込めてしまう力です。その時に犠牲者のコピーを作り出して次の犠牲者を探していたそうです。使えそうだったので調整したら私が認めた人だけが出入り自由の拠点にできました。元の校舎そのままなので部屋がたくさんあって使いやすいです。今回は駅を追加で作って繋げています。そしてコピー能力ですがこちらも調整して私は犠牲者無しで使えます」
『それは凄いな。使い勝手もいいし無駄がない』
それ元々は学校の七不思議的なやつなのでは
娘は七不思議だったのか
コピーってどの程度なんだろうか
俺が割ったのから考えると脆いけど融通が利きそうだ
でも俺には不要だし聞かなくてもいいだろう
『五十嵐を移動させていたのも真鏡か?』
逆にこれは聞いておいた方がいいだろう
「そうです。対象を拠点内なら自由に。拠点の外であれば私が直接置いた鏡へ私かコピーが触れた対象を移動させることが出来ます。これは神隠し伝説がある山の神社に奉納されていたのをお母さんが譲り受けて持ってきた呪いの鏡の力です。鏡以外に利用するものがないし消耗もないのでとても便利です」
破格の力だった
数に指定もなく消耗もないとは
あれ?ならもっと人員を持って来ればいいんでは?
「それなりに連れてきていますよ。戦闘要員だけでも50名ほどいます。今は体育館で待機しています」
なるほど体育館
付属物含めて校舎そのものを使えるというのはまるで砦が軽快に動き回っているような理不尽がある
敵対した奴はご愁傷様というやつだ
この場合は華裂くカミサマになるのか市長になるのか
「両方です。華裂くカミサマは市長の管理下にあるので」
『管理下に?華裂くカミサマが従っているのか?妙に意識ありそうだったが』
「以前は私と同じようにまともな意思はありませんでした。今は色々と混ざっておかしくなっています」
混ざって?巫か?
「そうです。たくさんの巫や候補を取り込んでおかしくなっています。目的地はあの教室ですね。お父さん等が出会った巫候補があそこで待っています」
え、大丈夫なのか
「おとなしくさせますので大丈夫です」
「おこですよぉ。でも状況が状況なので大丈夫だと思いますよぉ。噛み付かれるぐらいでしょうかぁ」
えぇ……噛み付くの
そういえば先輩と愛染が2人で何か話していたみたいだったけど何だったんだろうか
『2人で何を話していたんですか先輩』
「後でだよ。今は必要ない」
おや、先輩が落ち着いている
目も元に戻っている
本当に何があったのやら
ご拝読ありがとうございます
優秀で有能な娘さん
後に学校に通うことになる