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入学式
4月1日、俺那霧刹那はここインゼル学園に入学する。インゼル学園は武術や魔法などあらゆる能力で敵とぶつかり順位を競ういわば実力主義の高校だ。別に俺はここに来たかったわけではないが父さんと母さんとの約束を果たすには一番手っ取り早かったから入学した。俺は父さんに鍛えられたから首席をとるのは正直簡単な話だ。だが面倒だし約束を果たすには卒業さえできればなんとでもなる。出来れば真ん中ぐらいを常にキープしていたいものだ。
「まぁそんな都合よくならないか。」
「何が?」
後ろを振り替えると女の子がいた。
「いや、なんでもない。」
「そう。私は上坂恵利奈。」
「俺は那霧刹那だ。よろしく。」
何やら周りの視線がおかしい。
「あっ、私はここの理事長の娘だから。別に注目されたい訳じゃないんだけどね。」
「そうか。大変だな。」
「まぁね。それじゃ入学式の代表挨拶とかもあるからまたね。」
「あぁ。」
「あんまり関わらない方が良さそうだな。」
そんなことを思いながら俺は式会場へ向かった。