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冬の朝
「────」
閉じたままの瞼が少し明るい。
恐らくは日の光だろう。
目をあけるのも億劫だ。
凍るような大気は行動力を蝕んでいく。
夢見が悪かったせいもあるのか、
今日はいつにも増して倦怠感がある。
あの景色を夢に見るのは
昔から何度もあったがやはり慣れるものではない。
そんな今朝の憂鬱さを嘲笑うように寒い。
つまるところ、冷たい冬の空気に、
布団から出るという意思のことごとくは屈服したりするのだ。
........................................こうしていても仕方がない。
なので布団の端を持って一思いに投げる──────
ほどの勇気は無いのでゆっくりと横にのけた。
布団を名残惜しそうに見つめながら
彼、エルディアはベッドをあとにするのだった。