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赤色の夢
石畳の間を縫うように流れる赤色の液体。
液体を辿るように上げた視界は
─────肉塊だった。
横に転がる顔がなければ判断がつかぬ程にそれは元の形からかけ離れていた。繋がっていない首から噴き出すその赤色は視界を埋め尽くす。
その視界に恐怖する。
その匂いに吐き気がする。
しかし、そんな不快感よりも
──血の海に落ちている母が何よりも恐ろしかった。
惨状に意識が赤く染まっていく。
...あぁ、だから...赤色は嫌いなんだ...
点滅する意識に別れを告げるように呟いた。