《53話》
短いですが、よろしくお願いします。
誤字脱字があると思いますが、よろしくお願いしますm(_ _)m
「諦めんじゃねぇ!!」
そう怒号が、広大無辺のこの地に響き渡る。
その声には聞き覚えがあり、我が息子のような男。
「なに、情けねぇ顔してんだ!───クロノス!」
情けない顔か……。君の背中が大きく見えるよ……
「ハハッ────まだ…僕は…死ねない…彼らの為にもっ!」
力の入らない体を、無理矢理起こす。
ふらつきながらも、鋭い眼光をべクトファルに向ける。
「ハハハハハハッ!!まだ立つか!クロノス!」
不気味な笑みを浮かべ、奇声のような笑い声を上げるベクトファル。
「僕は立ち続けないと行けない、僕は彼らの為にお前を討たなければならない。この身が滅びようとも、朽ち果てようとも、僕は─────僕達はお前を殺す…!」
尋常ではない殺気と、神気量に背筋がゾッとする。
「バカな…どこにそんな神気が……」
「僕にも分からないさ……力が溢れてくるんだ。今の状態なら、お前を確実に殺れる」
「加勢するぜ、クロノス」
「ありがとう零君」
僕は思い上がっていたようだ……
ベクトファルを討てるのは、僕だけだと思っていた。
神王である僕だけが、討てると……。
だけど、一人居たんだ。こんなにも近くに。
「だが一人増えた所で、この状況は変わりはしない。クロノス、お前は分かっている筈だ。お前では、俺には勝てはしない。力が戻ろうと、仲間が来ようともな」
「お前、クロノスをナメるなよ」
「なに?」
「確かに、クロノスはバカでバカでバカでバカだが!
それでも、お前とは違う。その身に背よってるモノが、違い過ぎるんだよ。お前は欲望を満たす為だけに、破壊をする。だが、破壊行為には背負うモノはない。自分の欲を満たす為だけに力を振るう奴と、何かを守る為に力を振るう奴、どっちが強いと思う…」
「貴様は何を言ってる?」
「正解は───」
何だ?何故笑っている……っ!!
「後者だ」
「しまっ…」
後ろを向くと、拳を強く握り締めるクロノスがいた。
「ハァァァッ!!『魔拳=ブリトラ』!!」
「ガッ!!」
重たい一撃を顔面に受けたベクトファルは、鈍い音と共に地に落ち、地面にクレーターを作り倒れる。
「あまりバカを連呼しないでくれよ。ちょっと傷つくな」
「悪い悪い。でもさ、バカは事実だろ?」
「バカじゃないよ!」
「そうか。自覚症状がないのか…」
「どこが、バカなのさ!」
「何もかも、一人で背負うとする所だよ」
「えっ…」
「半分でもいい、俺達にもその背負ってるもん背おらせろ」
「零君……ありがとうありが「お話の所悪いんだけどさ、君ら俺に勝ったつもり?」」
狂気じみた目を向けてくるベクトファル
「まさか」
「今から第2ラウンドの開始だ」
ありがとうございましたm(_ _)m
今後ともよろしくお願いしますm(_ _)m