《49話》
誤字や脱字があると思いますが、よろしくお願いしますm(_ _)m
目の前に広がるのは闇。光は存在せず、禍々しい闇があるだけ。方向感覚は狂い、その場に立ち止まるしか出来なくなっていた。光を照らそうと、光属性魔法の『ライトキューブ』を使うが、光の四角形が現れた瞬間闇にのみこまれてしまう。
光が呑まれたか....。しかし、この魔法は実に難儀なものだ。女神王め、こんな難儀な世界に封印するとは....。
真っ先に、女神王をクロノスの目の前で殺そう....。
楽しみだな....クロノスの絶望に満ちた貌を見るのが....
闘技場をあとにしたクロノスは、急いで先程までいた居酒屋 バッカスに向かう。
「ボロボロになったわね、このロングパーカー」
すやすやと眠る零の頭を優しく撫でるサティア
すると、近くで寝ていたゼフィールの瞼が徐々に上がっていく。
ゆっくりとその華奢な体を起こし、視線をサティアの方へと向ける。まだ眠たいのか、瞼が開いたり閉じたりする。
あらあら、ふふっ相変わらずゼフィールは可愛いわねぇ。
サティアはゼフィールのこの一連の流れを見ながら、微笑んでいると....。
ゼフィールはそっと、体を倒し、瞼を完全に閉じ再び眠りにつく。
そうだわ!ゼフィールに零君の新しいロングパーカーを創ってもらいましょう!ゼフィールが起きたら、頼みましょ
そんな事を考えながら、零の頭を撫でるサティア。
そんな時であった
クロノスが微笑みながら、現れた。
「零君はどうだい?」
「大丈夫よ。今はぐっすりと深い眠りについているわ」
「そうか。」
この場に流れる和やかな雰囲気が一変する報告が智天使から告げられる。智天使からの報告では、四方から大量の魔物の群勢がこのバッカスに侵攻中だと言う。
四方からか....
「クロノス様、俺らが手分けして魔物を殲滅します。」
と、何も無かったかのように立ち上がっていた最高神達。
ゼフィールを除いて
「君ら....まあ君らなら問題ないか。」
でも前衛で闘える者が少ないな....
前衛だと、ゼフィール、ルーティス、ブラッド。
後衛は、リーゼ、ルル、ユリ、アリス、サティ、ユグリット。
「北にルーティス、ルル、ユリ。南にブラッド、アリス。西にゼフィール、サティ、ユグリット。この配置でお願いする。それと、君らの戦場に補佐として天使達を向かわせる。」
「「「「分かりました(了解)(お任せよ)(はい)」」」」
皆、転移ゲートに向かう中ユグリットとサティはいまだに寝ているゼフィールを起こしていた。
「ゼフィールよ、起きろ。戦に行くぞ」
体を揺らしながら、眠りにつくゼフィールを起こす。
「起きないね、ゼフィールちゃん」
「そうだな。それにしても....何故零はサティア様の膝で寝ているのだ?」
少し強い何かの感情がのった言葉が、ユグリットに向けられる。
「ぼ、僕に言われても分からないよ....。」
「修行をしてたのよ」
「修行ですか?」
「えぇ。ダーリンが考えた修行法でね」
「なるほど.....。それにしても、何故膝枕する必要が....?」
「ご褒美よ。今日の修行を頑張ったね。あら?もしかして、サティ貴方....妬いてるの?」
「ッ!!や、妬いてませんよ!ほらユグリット!早くゼフィールを起こして戦場に向うぞ!!」
「わ、分かった。」
「ゼフィール!早く起きろ」
「...........ぅうん....サティ、うるさい」
「うるさくて結構、ほら、戦場に向かうぞ。」
「うん....」
こうして、他の最高神達よりも送れて向かう。
「サティ、うるさ過ぎると、零に嫌われるよ」
「グッ...........」
「ハハ....」
─ブリザティック─
凍える風が吹くこのエリアは、耐寒耐性が高くないと身動きが取れない。
そして、このエリアで魔物を待ち構えるは最高神”ルーティス” ”ルル” ”ユリ”である。
3人の補佐として、大天使が一人3人の後ろに立っている。
「ねぇルーちゃん。あのうじゃうじゃした塊が、魔物の群勢かなぁ?」
「ではないか?あの塊から膨大な魔力が感じ取れるからな」
「そうだね。あの塊が魔物の群勢じゃなかったら、何だろうね....。」
「んんーー分からない!」
「言うと思ったよ」
極寒の地で、そんな和気あいあいと会話をしていると
「御三方、そろそろ魔物を討伐しなければ....」
「あ、忘れてたァ」
「すまない、レティエル」
「ごめん。レティ」
「いえ、こちらこそ水を差すようなことしてしまい申し訳ありません。」
「いや、レティエルが謝る事は無い」
「そうだよ。レティ」
「そうそう」
「....ありがとございます」
「そろそろのようだな....」
「みたいだねぇ」
「そうだね」
「では、始めよう」
「「おけ(おー)」」
私達と魔物との距離は、かなり遠い。ならば、あれを使っても大丈夫だな。
「『神火強爆』」
天に現れた真っ赤な球体。太陽を彷彿とさせる球体
「ユリ!複製してくれ!」
「おー『完全複製×100』」
神火強爆(球体)が光だし、二個、三個、四個と神火強爆が増えていく。
「終わったぁ」
「次は、僕だね」
と、一歩前に進み大きく腕を広げる。
「『ブラックホワイトホール』」
そう呟くと、101の神火強爆を巨大なブラックホールが吸いこむ。全ての神火強爆が吸いこまれた瞬間、ブラックホールは消え、逆に、魔物の群勢の頭上にホワイトホールが現れる。魔物ホワイトホールに目もくれず、侵攻し続ける。そして、ホワイトホールから先程ブラックホールに吸い込まれた神火強爆が疎らに投下される。
次々と激しい爆発が起き、地面が凸凹として魔物は跡形もなく消える。爆発する度に、爆風がルーティス達の元まで流れてくる。
「あっつ....」
「熱風だからな」
「寒かったから、ちょうどよかったんじゃないか?」
「そうだけどぉ....この熱さは....勘弁」
「まあ魔物の殲滅は終了したんだ、バッカスに戻ろ」
「「そうね(おー)」」
流石最高神です....。
ありがとうございましたm(_ _)m