《43話》
遅くなり、申し訳ない。m(_ _)m
誤字脱字があると思いますが、よろしくお願いしますm(_ _)m
「やっと....終わった」
8時間も飲み続けた最高位の神達。
”ほぼ”全員、酔い潰れていた。
零はお酒を飲むことはなく、居酒屋バッカスの子供向けメニューの中からオレンジジュースを選んでおり酔うことはなかった。
10分後。零は1階に降り、バッカスの店員を呼んだ。6名の店員が来て、テーブルに散乱するジョッキや食器を片付け去って行く。そして、店員が去った直後、見覚えのある顔をした男女2名が転移ゲートから現れる。
め
「クロノス!?それに、サティアさんまで!何でここに....?」
2人が現れた事に驚く零
クロノスは、満面の笑みを浮かべ
サティアは、微笑みながらこちらに手を振っていた。
「ちょっと様子を見にね」
と、酔い潰れている最高神たる零の親達を見渡しながら
言う。クロノスの後ろにいたサティアは、いつのまにかいなくなっていた。零は、何処に行ったのかと周りを見渡していると、サティアを発見する。
屈みこみ、酔い潰れているリーゼの顔に落書きをする。
サティアは笑いを堪え涙目になりがらも、リーゼの顔に落書きを続けていく。それを、見守るような眼差しで見ていた零は心の中で
起きて顔の落書きに気づいたら、お母さんめっちゃ怒るだろうなぁ....。
そんなことを思いつつ、視線をクロノスの方へと移動する。零の視界に映り込む苦笑い状態のクロノス
視線をサティアの方に向けていたが、零の視線に気づきこちらに視線を向ける。クロノスは「ごめんね零君。」と、申し訳なさそうに言う。「実行犯はサティアさんだから、クロノスが気にする事じゃないさ。....多分」と応えながら目を逸らす。「そこは目を逸らさないで欲しかったよ」と、嘆くクロノス。
落書きが終わったのか、クロノスの元に戻って来たサティア。何かをやり遂げたような感じを醸し出すサティア
そして、クロノスは自分達の手前に少し長方形の椅子を創り2人はその椅子に座る。2人が座り少し経ってから、クロノスは真剣な趣きで語り出す。
「実はここに来たのには、様子を見に来たのとは他にもう一つの用があったからなんだ。」
「その用って?」
「まぁ簡潔に言うと、ガゼット達の攻略が終わるまで、僕と修行しないかい?という提案をしに来たんだ。」
成程。元々はクロノス力だし、直接力の持ち主であるクロノスから学べば良いと。これは、やるしかないな
「決まったみたいだね。攻略の方は、かなりの時間が掛かるだろうから少しは成長出来るんじゃないかな。」
まだ創成と終焉のレベルは1。いい機会だ!この修行中の間で、クロノスから学べる事は学んでおこう。
「よろしく、クロノス」
「頑張ろうね、零君」
「頑張るのはいいが、いつから始めるんだ?」
「いつでもいいよ。今からでも、明日でもね」
なるべく早い方がいいよな。修行時間が長くなるし
「じゃあ今から」
「分かった。それじゃ、着いてきて。」
そう言いながら立ち上がり、サティアが立ったのを確認してから手を椅子に向け魔法を使用する。
「『滅』」
そう発した瞬間、椅子は跡形も無く消滅した。
”滅”終焉魔法の一つ。俺はまだこの魔法しか、出来ない。
この修行の中で、新しい終焉魔法を覚える。ついでに創成魔法も
「どうしたの?行かないのかい?」
「あっ、いや、今行く」
急いで駆け寄り、転移ゲートへと足を進める。
一階まで降りたクロノス一行は、居酒屋バッカスを後にする。
結構歩いたり、色んなゲートとか抜けて来たけど....何処に向かってんだ?
と、思った矢先だった。
「着いたよ。零君」
...........ここって
視界に飛び込んで来た光景。
それは、円形闘技場だった。
「闘技....場」
振り返り、両手を広げて
「さっ、修行を始めよう」
「修行内容は?」
広げた両手をゆっくりと下ろし、微笑みながら「僕との戦闘」と言う。
それを聞いた零は、一瞬?が頭頂部に現れる。
「実戦の方が、覚えやすいと思ってね」
現神王と闘うって....勝てないだろう
「それと、これは勝ち負けは関係ない。飽く迄も、これは修行の一環だ。」
「分かった....」
心読まれたな....
闘技場の中心まで移動してから、修行が開始された。
「さて、僕との戦闘とは言ったもののまずは先に、僕が今創るモンスターつまり魔物を倒してもらう。」
魔物か....下界にいる魔物は普通に倒せるが....何せ神々の王であるクロノスが創り出す魔物だ。骨が折れるぞ....
「それじゃ、始めよう」
右手を横に広げ、幾何学的な白い魔法陣を展開する。
展開された魔法陣が、時計回りに動き出し
魔法陣の中心から大中小と、外側の魔法陣と同じ幾何学の白い魔法陣が現れる。外側の魔法陣は時計回りに、大は反時計回りに、中は外側と同じく時計回りに、最後の小の魔法陣は大と同じ反時計回りに動く。
「来い『鋼鉄の竜 グラニルドラ』」
声のトーンを抑えて、創り出した魔物の名を唱える。
すると、展開されていた魔法陣が閃光弾のように光を放つ。光が治まり、腕で目を隠していた零は腕をどけ
クロノスの右隣に二本足で立つ頑丈そうな鱗を身に纏い、鋭い眼光を向ける銀色の竜。
「さっ、零君。グラニルドラを討伐するんだ」
「分かった」
「それじゃ、始めようか。グラニルドラ、行け」
クロノスはそう言葉を発した後、直ぐに観客席へと移動する。闘技場内に響き渡る咆哮をあげてから、太く、鋭く研がれた爪で攻撃を仕掛けてくる。
零はこの攻撃に気づくに、少し遅れ間一髪の所で攻撃を躱す。
危ねぇ....。迫力と威圧感に驚いてたら、攻撃して来てたぜ。にしても、流石クロノスが一から創り出した魔物だ。
死王の迷宮にいる魔物とは、比べ物にならない程の威圧感。そして、迫力....。何だろな、俺今心の底から楽しいって気持ちが押し寄せてくる。
《グォァァァァァァッ!!!》
最初の咆哮とは比べ物にならない、咆哮をあげる。
零を睨みつけ、自分の両手を合わせる。
すると、合わせた手のひらから透き通った赤色の球体。それは、ビー玉程の大きさでその球体を前に移動させる。
球体は宙を一直線に移動し、グラニルドラは動く球体の手前に赤い魔法陣を展開する。そして、球体と魔法陣が接触した瞬間
球体は龍の頭へと形を変化する。
グラニルドラは、右拳を強く握り
魔法陣を思いっきり殴る。
殴られた瞬間に、龍の頭は大きく口を開けて襲いかかってくる。
「『オープン』」
何も無い空間から、一振の刀を取り出す。
取り出した刀はまだ鞘から抜かず、腰をおとし、左手で鞘を持ち右手で刀の柄を握る。刀は左側の腰まで行き、迫り来る龍の大きく開いた口に狙いを定め待ち構える。
まだだ.........ここだ!
「神滅抜刀術=伍ノ型『神速一閃』」
鞘から抜かれた刀身は、一瞬で龍を一刀両断する。
よしっ!懐にhっ....っ!
グラニルドラの懐に入ろうと、移動した時
斬った筈の龍の後ろから、もう一匹の龍が口を開けて襲いかかってくる。
クソっ!今黒白で龍に攻撃しても間に合わない!
どうする?!
その時だった、左手で握る鞘に目が行く。
これだ!
「二段抜刀!!」
身体が回転出来るように、風魔法を周りに纏わせる。
鞘を強く握り、下から打ち込む。
顎下から打ち込まれた鞘の攻撃は、正面を見ていた龍の顔を天に向けさせる。
龍は呻き声を発しながら、消えていく。
危なかった....。
二段抜刀か.....。一撃目の剣撃の勢いを利用し、放つ第二の剣撃。零君はこの二段抜刀に、風魔法を取りえた二段抜刀。二段抜刀は咄嗟の判断だろね....面白くなってきた
さて、グラニルドラ君にプレゼントだ。
「『魔剣=グラリザル』」
手を天に向け、そう唱えると手のひらの上で剣が創られていく。宙に浮く魔剣を、グラニルドラの手前に向けて投げ込む。風を切る音と共に、激風を出してグラニルドラの手前の地面に魔剣=グラリザルが突き刺さる。
《グアッ?》
グラニルドラは魔剣=グラリザルを手にし、グラリザルの刀身に炎を纏わせる。
グラリザルを引き摺りながら、前へと進む。
そして、グラリザルの剣先を天に向け、咆哮と共にグラリザルの刀身が襲いかかってくる。
「ふっ!」
黒白で受け止めるが、刀身同士の激突で発生した振動が零の体を流れ真下へと行く。立っていた場所は巨大な円形型のクレーターが出来る。
クッ!クッソ!!重てぇぇっ!!
徐々に徐々に、零の体勢は低くなって行く。
負けぇ゛....られるかァァァ!!
黒白の刀身を横にして受け止めていた零は、グラリザルの刃を崩し、力を入れグラリザルを押していたグラニルドラは零の崩しによってそのままの力で地面に刀身が落ちる。
がら空きとなった体に触れ、魔法を発動する。
「『滅』!」
グラニルドラは一瞬で消滅し、その場にはグラリザルだけが残った。
終わ....った
すると、観客席の方から拍手が聞こえてくる。
この闘技場にいるのは、クロノスとサティアさんだけだ。
この拍手は2人のものだな
さて、クロノスの所に行きますかね
クロノスの方へと向かおうとした時、クロノスが立ち上がりこう言葉を発した。
「おめでとう!零君。さて、次に移ろう。次の相手は、グラニルドラより手強いぞ。頑張ってくれ」
えっ?まだあるの!?
「来い『翳の王シュトラ』」
グラニルドラを出した時と同じ魔法陣で、翳の王シュトラを呼ぶ。黒い魔法陣がグラニルドラのいた場所に出現し、魔法陣から燕尾服を着た若い男が現れる。
髪は黒く、白い双眸が特徴の男。身長が高く、顔もイケメンと言っても過言ではない程の容姿を持つ。
この人型の魔物が、次の相手....。
何かさっきよりもやる気出てきたわ!
相手がイケメンだからかな!?気っとそうだ!
よっし!倒すか
ありがとございましたm(_ _)m
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