9-俺のコミュレベ!?
自分の能力にも慣れてきた。そこで、ちょっと気になってることを試してみた。
…自分のステータスって見れるのか?
うーん、自分の写真とか見れば能力発動するかもしれないな。
そうだ、鏡に向かって能力を発動してみよう。
「っと。」
鏡に映るのは平凡な俺の顔。…お世辞にもカッコイイとは言えない。
どこまでも平凡な俺である。
「…「力を提示せよ」!」
…!
おおおお、見れた!見れたぞぉ!
…なんか見るからに平凡な数値だ。数値化されると余計凹むな。まぁ見ようとしたの自分なんだけどね。
俺のステータスはほとんどが50前後。平凡な俺のステータスだから50が平均になるんじゃないかな。自分で判断しててツライ。
そしてもう一つ。
「なんだこれ。「スキル」?」
俺のステータスの欄には他の人──と言ってもまだ十数人しか見てないが──には無かったものがある。
スキル欄っていうのを開いてみる。そこには…
「なるほど、「力を提示する者」か。」
多分俺が使ってるヤツの能力名だろう。これまた安直だな。妖精(?)って案外もんどくさがりなのか。
───ボク達のことをバカにするなぁー!
…どっかから声が聞こえた気がするけど、気のせいか。気のせいだな。
そんなことより、俺のスキル欄にはもう一つなにか書いてある。
ま、まさかこれは!?平凡だと思ってた主人公が、ある日本当の自分の力に気づき覚醒するお約束パターン!?
「「不信と不安」か。どんな能力だ?」
なんだかよく分からんが、俺の能力があれば効果も調べられる。かなり便利だな。
で、この能力は…
ちょっと待てなんだこれ。
「能力、不審と不安、説明、対人において、コミュニケーションを取ろうとすると、コミュニケーション数値が低下する。」
「クソ能力じゃねえかっ!!!」
はぁーはぁー
…
もうヤダ。つまりこの能力って、俺のコミュ障の原因ってことか?いやコミュ障になったからこの能力を手に入れたのか。
まぁ、この能力も今のところどうしようもない。どちらにせよ俺がコミュ障な事に変わりわないんだ。
ついでに俺のコミュニケーションの数値でも見とくか。
やっぱり低いな。36か。でもほかの欄にはないハテナマークがついている。
ものすごく嫌な予感がする。
「説明、能力名、不審と不安によって数値が低下する。現在-200000000。」
は?
「-200000000」
いや2回も言わなくていいよ。いや書いあるだけだけど。別ウィンドウでもう一回だされた。
能力にも若干小馬鹿にされた気がする。
それよりも問題は、-2億って。
数え間違えじゃないよな。
…間違ってない。-2億だ。間違ってて欲しかった。
今まで見てきた中で一番小さかった数値でもまだ正の数だったぞ?
-って。しかも2億って。2億って100が…い、いっぱいだぞ!?
もうこれは手遅れか。努力次第でコミュ障も治るなんて思ってたけど、俺は例外なのかもしれない。全部普通なんだからコミュ障も普通のコミュ障にして欲しかったんだけどな。ここだけ非凡って必要あるか?
でも、ここで諦めるわけにはいかない。治すって決めたんだから治す。例えどんなにその道が険しくても、簡単には諦められない。いつか、治してみせる!