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ライス・ライフ〜女の子に食べられた僕は獣に目覚めました〜  作者: 空超未来一
第2部【白い王宮編】 - 第2章 動き出す世界
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ファッションショーの開催について(3)

「……それでお前らは、どうしてファッションショーなんて言い出したんだ……?」


 新たな旅の概要をひとまず話し終え、息抜きとしてリュウがそう切り出した。

 最終的にアクションショーみたいになっちゃってたけど……。僕も、それは気になるな。

 答えを知っている女の子たちの中で、ハナちゃんが胸の前で上品に手を挙げた。


「私たちの服装を、新しい旅に合わせて変えようと思ったのです」

「新しい旅に合わせて……?」


 いったいどういうことだろう?

 別に、このままでもいいと思うけどなぁ。


「変える必要ってあるのか? オレはこのままでいいと思うけど……」


 僕と似た意見を持つシオンが口をはさむが、ハナちゃんは首を振ってみせた。


「違いますわ。わたしたちには”ランクアップ”が必要ですの」

「「「らんくあっぷ……?」」」


 予想だにしなかった解答に、僕ら男子はアホな顔つきになった。

 一方で、女の子たちは知っているといった様子だ。

 し、しかし……。


「そ、その、”らんくあっぷ”ってなんなの……?」


 聞いたこともない概念だったため、僕は疑問を投げかけた。リュウも同じようにして頷いている。この世界の王であるシオンですら、首をかしてげる始末だ。

 ハナちゃんが答えようとすると、リコちゃんが間に入って「はい!」っと元気よく説明し始めた。


「”ランクアップ”とは、冒険者さんの『心』が成長することによって、その人の特徴が変わるという現象です!」

「ですわ」


 やり遂げた感MAXでむふーっと鼻息を荒げるリコちゃん。非常に可愛らしいんだけど、今の説明ではイマイチ理解できない。


「あのぉ……もうちょっと具体的に教えてくれたりする……?」

「え!?」


 申し訳ない気持ちでリコちゃんにお願いしてみたものの、残念ながらリコちゃんは言葉に詰まっていた。もしかすると、さっきの説明が全力だったのかもしれない。

 ご、ごめんよリコちゃん……。

 うぅっと口に手をあてていると、横からイッちゃんがフォローに入ってくれた。


「えっとねっ。具体的にいえば、忍者のコーくんが”ランクアップ”すると、”花屋さん”になれるかもってことっ!」

「え、えぇ……?」


 ますます分からなくなってしまった。


「イネ……そこは”侍”などのほうがわかりやすいのでは……?」

「あっ、えっ!? ご、ごめんねコーくんっ!」

「だ、大丈夫だよイッちゃん!」


 ハナちゃんの例えで、ちょっと理解できた気がする。


「……要は、もっと強力な能力を得るってことだろ?」

「そうなりますわね」


 リュウが要約し、ハナちゃんはうなづいた。

 なるほど。修行なしに、一気に強くなれるわけだね。


「でも、よく”ランクアップ”のことを知ってたねハナちゃん」

「あたしもそう思います! これはごく少数の人たちにしか知れ渡っていませんよ?」

「…………」


 リコちゃんに見つめられ、ハナちゃんはそっと顔を背ける。


「……たまたま知っていただけですわ」


 その口調は、いつもの彼女とは異なっていた。大人びた声色のなかに、どこか深い悲しみが入り混じっているような。


「ともかく、変身できちゃうんだよ~! フォフォフォ……」

「……まぁ、この話とファッションショーとはまったく結びつかないがな」

「あれはその時のノリでなっちゃったんだよ~!! も~っ!」

「……いてっ。叩いてくるなって」


 ナツミちゃんとリュウのやりとりに、その場の空気が和む。

 もう付き合っちゃえよ、ペッ。


「それでは、ランクアップショーですわー!」


 向日葵のような輝かしい調子で、いつものハナちゃんが始まりを告げた。

 本人がそう思うなら……深く立ち入るのは野暮、だね。


「よっしゃー! じゃあまずは僕からいくねー!」


 旅が始まる前の、せっかくの機会なんだ!

 楽しめるときに楽しんどかないと損だよね!

 それに、僕が”忍者”から”何”にランクアップできるかワクワクだし!

 そんなこんなで、新たな旅に向けての最後の準備が幕をあけた。

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